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所在地  作者: ヨシダ一期生
8/11

一昼 新田 浩一

「……あったま痛ぇ」

昨日、飲みすぎたと自戒の意を込めながら立ち上がる

どうしても、飲み会には参加したくなるものだ。

「まぁ、自分の店だからいいんだけど。」

と顔を洗い流した。


BARの雰囲気には似つかわない。

酒臭い20歳になりたての友人が酔い潰れているのを無理矢理起こす。

「オイ、起きろ。」


これで起きなかったらどうしてやろうかと考えていたが、起きたので良しとする。


「センパァイ、昨日やばかったっすねw」


「昨日の記憶ねぇわw」


「やべぇーwww」


後輩と言葉を交わし、店を片付け、景観を整える。

俺の綺麗で雰囲気最強のBARをジジ臭くしたくない。


起きた頃が時間も時間なので開店の札を置くのと同時に、タバコを吸うために外に出た。


「……寒ぃ」


冷たい風が耳と頬を通り抜ける。

冬は好きだ。

タバコが映えるからだ。

ポッケのhi-liteを取り出し、火をつけ、煙を取り込む


「ふぅーーーーー」


深い溜め息と同時に、開店の札を店の前に置く。

店の前でタバコを吸うのが辛くなり始めた頃、

BARの中に入る人間が居る。

後を急ぐ、店主の責務を全うする為に。


「いらっしゃい」


フランクに話し掛け、顔を見た時に絶句した。


「……晶か?」


驚いた。本当に驚いた。

高校の頃から音信不通の親友が俺のBARに来たのだ。

女を連れて。


「晶、そっちの女性は誰だよ」


と聞く。

意外過ぎる返答が来た。


「だから、晶って誰ですか?」


「…は?」


おかしい。自分の名前を忘れる人間がどこにいるんだ

もう一度、顔を確認するが、認識された顔は

どこからどう見ても、比島 晶そのものだった。

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