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ラブリー・ハッピー・プリン(セ)ス!

「おおっ!王子がお目覚めになられたぞっ!」

「皆の者、早う!」

ざわめく観衆、そしてやけに重たい服&黄金の装飾。

見慣れない西洋風の建物に、レースが引っ掛けられているだだっ広い寝床。

そのど真ん中に、…私。

寝ぼけていた脳みそが一気に回転し始めると、途端にことの重大さが身に染みる。

ん!?あれ?!ここ…どこ!?

これが…転生ってヤツ!!??


『目覚めた私は王子様』


遡ること8時間前。

私は夕飯を食べ、風呂に入り、少々ネットを漁って、就寝。

昨日も至って普通、平凡すぎる夜を過ごした。

それなのに…

いつもと違うのは、起きたら全然知らない人と物に囲まれていたってところだけ。

致命的過ぎる。

だが、一人物思いにふけってばかりいても、時は残酷にも目まぐるしく進んでいくもので。

実際、私の周りでは現在進行形で重そうな服を着た男や女どもがせっせと動き回っているのだ。

今、唯一理解できるのは、彼ら(彼女ら)は先ほどから私に異常なまで心配をしているということ。

今さっきも、私に「大丈夫ですか」「お体に異常はありませんか」などと、甲斐甲斐しく声をかける男の人や、隣で(香水をつけているのか、柑橘系の爽やかな匂いを振り撒けながら)私の髪をといたり、結んだり、体を拭いてくれている女の人もいる。

そして、一番不可解なのが…

怒涛の勢いで流れ込んでくる私の知らない記憶たち!!

これがまた意味不明でとっても頭が痛いのだが、どうやらこの記憶、私が乗り移っている身体の前の持ち主のものらしい。というか、この身体って私のものじゃないんかい!まさか身体まで他人のものになっているとは…。

前の記憶が手に入るのは間違いなくありがたいことなのだが…うーむ、記憶が溢れすぎてまだ分からないことだらけ。あと、結構頭が痛い。

とりあえず、体を拭いてくれている女の人に、私から話しかけてみようかな?

「あ、あのーすいません…」

おっ、思ってたよりイイ声じゃん…!ちょっと低めだけど、艶があってなんか大人っぽーい!

あと、身体の持ち主の名前も聞いてみようかな。

「私の名前って、なんでしょうか」

「えっ」

あっ、もしかして会話失敗!?でも、確かに自分の名前急に聞いてくる人って怪しい!何やってんだ私!頭回ってない!

「えっとー…、あの、シュヴェールト様、ですよね?」

ああああ気を遣わせてしまったーーーー!!ごめんなさい!と、ともかく私の名前はシュヴェールト…、ん?

「あの、もう一度よろしいでしょうか…?」

「ええっ!…あ、あの〜…まだお休みになられた方が…」

「あっいいえ!もう大丈夫みたいです!ごめんなさいまだ寝ぼけてたみたいで!」

「ああ…それならば、良かったです…」

シュヴェールトって、なんか,男っぽいような気もしないかな?あれ、うん?いや、でもまぁ西洋風なのは理解したけども。…とにかく、まずは記憶が整理されるのを待つしかないかな。うん。そうだね。

…あー、

嫌な予感がするけれど、無視しよう!

私楽観視が得意得意得意!!!






風呂場で股間を見て発狂するまで、あと二十分___!




次回へ続く→


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