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初恋魔女


 


えんとつのある赤い屋根の洋館

大きな綺麗な窓の下で歌う少女はたしかに

まっすぐな目を前に向けて

これが私の弱点なんだよーなんて

呟いてたりするかもしれない


それが、魔女。


三日月に近づこうとする

懸命に輝く金星の

けなげな無軌道ぶりを笑ってみあげる


それが、魔女。


やさしい視線で手紙を読むけれど

異国の文字を読めない少年の

今夜こそ眠りのなかではじめて出逢える


それが、魔女。


「君、大好きよ」って

云うんだけど

目も合わせられず

照れてて真っ赤になって

オドオドしてる


私もおどろいてしまって

声もだせず ただ魔女の魔眼をみつめようと

するんだけど

こっちも照れてしまって


「ほんとうのあなたを、みたい」

っていうのは

全然いいんだけど

いい年しても幼い少年の心のバカバカしさに

驚いた目をして

「バカね」

ってやっぱり云うんだ

けれど瞳をみると

それは世界でいちばんやわらかい想い。


魔女の魔法は

からだ蕩かせる抱擁と

くちびる焼き尽くす口づけ


えんとつのある赤い屋根の洋館の

窓の下で歌う少女の影絵。

まるで実体のない切ない存在は

悲しみの風に軽く喜びながら

明るいふたりの未来を約する


それが、魔女。


しろくろ世界でつづけられる

単純きわまりないものがたり

みたいな景色のしずけさ。


教えて、

魔女ってすこしだけ悲しい目線をからめ

好きにさせてしまう恋の魔法も

つかえるの?


それも初恋限定とか?


教えて、

あなたは恋をしていて

だから、初恋魔女なんだよね? 







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