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13話ー『チンコVS筋肉』

 空中に投げ出された身体が、バク宙を決めながら頭から堕ちる。

 同じように空中でムーンサルトを決めたレイズは、その手に持ったブロードソードの切っ先を真っ直ぐに俺の心臓へと向けて来ている。


「ーーチッ!! 流石に速いなッ!!」


 空気抵抗など微塵も感じさせない、軽やかな動きだ。

 とてもノーヘルの甲冑を来ている門兵とは思えない。


「カラス隊の誇りッ!!

 貴様の身を持ってしかと受け止めよッ!!

 魔法剣一閃ーーサンダーボルテックスッ!!」

 

 そう言ってレイズは、突きの構えから真っ直ぐに雷撃を飛ばして来た。

 ブロードソードの切っ先から放たれたその黄色の雷は、魔法から作り出された魔力を帯びた斬撃だ。


「拳で受け止めるのは、困難そうだなッ!!」


 ならば俺も、魔法剣を使うしかないッ!!

 後方を一瞥してから空中で身を翻した俺は、背中を大地に向けた状態で魔法剣を取り出す。


「魔法チン一閃ーーマジカルチンコソードッ!!」


 ビュッ、と伸びた肌色の魔力の塊が、雷の斬撃と衝突して余波を起こす。

 ビューンと伸びた巨大なチンコソードが、放電する電撃のすべてを吸収して、むくりとその亀頭でどや顔を浮かべる。


『ちゃお〜♪』


「バカなッ!? 雷魔法の編み込まれた斬撃を吸収しただとッ!?」


「効かないねえッ!! ゴムだから?」


「貴ッッッ様ァ!! 騎士の剣を愚弄する気かぁッ!!」


 そう言ってレイズは、さみだれ斬りのごとく剣を突き立てる。


「フンフンフンフンッ!!」


 そのすべてを、俺はマジカルチンコソードでいなし続けた。

 ーーチンコは、剣よりも強し。


「チン刀流奥義ーー三千タバコ世界ッ!!」


 説明しよう。三千タバコ世界とはーーッ!!

 無数のタバコを繋いでひとつなぎの大タバコを作りあげ、仕事の途中に「ちょっとタバコ一本吸って来ます」と言ってから、退勤までやり過ごすと言う伝説の離れ業である。

 これを受けた者は、ただでは済まないッ!!

 エターナル・タバコフォース・タバコブリザードッ!!

 ーー相手は死ぬッ!!


「グオッ!? 何だこの煙を纏ったチンコの動きはッ!?

 読めんッ!! 全く動きが読めんッ!!」


 タバコの煙を纏うことにより、チンコの剣筋を読みづらくしている。

 それにより翻弄されるレイズは、目くまらしの中その身にチンコを受けることになる。


「させるかぁッ!! 我が弟者の命は、兄者である俺が守るッ!!」


 そう言って外壁を遅れて駆け上がって来たドゥクスが、その背に背負っていたメイスをレイズの手前へと投げ捨てる。

 木こりで出来たメイスがチンコに接触して木っ端微塵になる。

 ぱらぱらと木屑が足元のアスファルトへと向けて堕ちていく。


「誉れ高き騎士が、チンコに負けるなんぞ、あってはならんッ!!

 弟者よ、アレを使うんだッ!!」


「こんなふざけたヤツにアレをかッ!?」


「チャチなプライドはひとまず捨てろッ!!

 このチンコは、見たところ只者ではないッ!!」


 そう言って弟レイズの足首を掴んだドゥクスは、そのまま弟を持ちながら大車輪のごとく回転し始める。


「我ら兄弟が編み出した、必殺の秘技を見せてやろうッ!!


「合体技だッ!!」


「「ーー秘技ッ!!

  ダブル・ローリング・サンダーブレェエエエエドッ!!」」


 二人の兄弟の声がピタリと揃う。

 その光景に、俺は目を見開いて驚愕した。


「バカなッ!? 飛行魔法だとッ!?」


「秘技って言うのは、決まって秘められない物(・・・・・・・)なんだッ!!」


「回れ回れ回れ回れ〜ッ!!」


 UFOのようにクルクルと回転する二人の兄弟。

 レイズの手に持たれたブロードソードから雷撃が迸る。


「これが俺たちの鍛えた、筋肉魔法の真髄だぁあああああッ!!」


「遂に編み出したぞッ!! 神域の飛行魔法ッ!!」


「これこそが人類の正しい空の飛び方……ッ!!」


 自信と気迫に満ち溢れる、二人の兄弟の合体技が迫り狂う。

 それは決して飛行魔法と呼べる代物ではーー勿論ない。


(だが、限りなくその領域に片足を突っ込んでいるなッ!!)


 世界に5人しか居ないと言われる、飛行魔法の使い手。

 そのクラスジョブは、ウィザードである者に限られる。

 が、二人のクラスジョブは、見たところ騎士系統のクラスジョブだ。

 ーーにも関わらず、空を飛んでいると言うことは、


「物理的な身体能力一つで、空を飛んでいるって言う訳かッ!!」


 ーー飛行魔法(物理)。

 彼ら兄弟は、限りなく鍛えた筋肉の合わせ技により、擬似的とは言え、神域に迫る魔法を実現させることに成功したッ!!


「なんて恐ろしい兄弟だッ!!」


 筋肉バカもここまで突き抜けたら、決して侮れんッ!!


「チンコと筋肉ッ!! どちらが勝るかここに決めようッ!!」


 男としての究極のカードが、今ここに出揃うッ!!

 強いのは、チンコか? はたまた筋肉か?

 最強の難題が成立した瞬間だッ!!


「良いだろうッ!!

 ならばこちらも、さらに奥の手を見せるしかないようだなッ!!」


 明鏡止水のごとく、俺は瞳を閉じてチン呼吸を繰り返す。

 おびただしい量の魔力量が、俺のマジカルチンコソードの切っ先から溢れ出す。


「シャッセーッ!!」


「ーーッ!! 何だこの魔力量はッ!?」


 飛び出した白い液体魔法が、空中で球体のような空間を作り上げる。


「ガンッシャー!!」


「ーーグオッ!? バカなッ!? ヤツの姿を見失っただとッ!?」


「兄者ッ!! どこを見ているッ!! ヤツは上だぁッ!!」


 白い液体魔法に包み込まれた二人の兄弟が、直後に暗転して俺と空中で立ち位置を逆転させる。

 上空から降り注ぐように回転していた二人の兄弟が、ハッとして背後から降る俺に視線を上げて来る。


「なぜヤツが俺たちの上にッ!!」


「分からんッ!! だが、さっき射出された“ガンッシャー”とか言う液体魔法を喰らった瞬間、俺たちは気がつけばヤツに背後を取られていたッ!!

 信じられない物を見ているぜッ!!」


「アナルドラグーンッ!!」


 俺は即座に二人の上からマジカルチンコを叩き込むッ!!


「バックトゥザフューチャーIIッ!!」


 二人分に分裂したマジカルチンコが、ズキュンと音を立てながら二人の兄弟の臀部を射抜く。


「ーーフィストッ!!」


「イェアアアアアアッ!!」


「アァアアアアアイッ!!」


 ドン、と言う衝撃音の直後、二人の兄弟が顔を赤らめて落下していく。

 アスファルトの地面にドカンとクレーターを作り上げ、俺は遅れてその上に着地した。

 悶絶しながら気絶した二人の兄弟を足蹴にしつつ、俺は周囲をキョロキョロと見回す。

 商店街で歩いていた無数の人々の視線が、無遠慮に俺の降りた地面に突き刺さる。


「何だ? 急に空からなんか降って来たぞ?」


「スゲー砂埃だ。アスファルトが割れてるし、女の子か?」


「いや、チンコと男二人が降って来たんだ」


 ぶつぶつと呟かれる人々の声に、俺は砂埃に隠れながら手近な路地裏へと逃げ込む。


「二度目のトチはごめんだからな」


 足早に移動し、歓楽街へと向けて魔道具を求める。


「迂回して慎重に向かおう」


 鑑定対策ができるようになるまで、もうすぐそこだ。

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