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狂信

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

客観的に見ることの大切さ。

客観的な行動の難しさ。

宗教の本質は恐怖だよ。(バチ)と言う名の脅迫概念で相手を縛るんだ。

あの子が本当にいい例。何時も祟りを恐れて此処に来る。

『もう休んで良いんだよ』、『数週間置いても構わないから』。そう伝えてもろくに聞きやしない。体も心も弱い癖に、何時も目を瞑って無理をする。気が付いたらもうボロボロ。

誰かが強制的に休ませなければ、また此処に来る。

……皮肉にもね、心の弱い人間の依存先が宗教で、そうして更に苦しめるのが宗教なんだ。


死期の近い姉の様態が僅かに回復した。祖母の脚の手術が成功した。長旅から長旅へ何事もなく帰ってきた。異動先への挨拶が終わった。激動と言うのはどうやら収束する様に出来ている様で、これらの事が一週間のうちに行われた。なかなか過密日程である。それでも乗り越えられたし、乗り越えさせて戴いたと思っている。故に、異動先の挨拶の後に、ふらりとお社を訪れた。夕暮れ時の参拝は良くないと思われたが仕方がない。御礼は早めに、繰り越さない。そう思って社に向かう途中、気に止まる事があった。

やたらに揚羽蝶を見掛ける。歩く度に私の前を横切る者、此方に向かって来る者、後を追い掛ける者、様々だった。普段はそこまで目にしない分、かなり新鮮な気持ちで見つめる。

何かの予兆を感じる。吉凶を告げられている気がする。

ふと思ったのは死期の近い姉の事。点滴や酸素マスクを外されて、峠を超えたように穏やかな顔をしていた姉のこと。もう、そろそろかも知れない。御礼も兼ねて、姉の事も願って置くことにしよう。

そうして鳥居を抜けて挨拶をした。祖母の手術も成功致しました。長旅から無事に帰って参りました。異動先の挨拶も何とか終わりました。有難う御座います。私だけではどうにもならない事ばかりです。どうか昏睡状態の姉の事を宜しくお願い致します。安らかに導いてやって下さい。

そう挨拶を終えて、もう一つの社の事を考える。此処から歩いて約数分。長い階段を抜けた先にある。けれどもそれは後日に取っておこう。今週末、必ず参りますね。

その夜、夢を見た。白い衣に身を包んだ長髪の麗人が川辺で腹這いに寝転んでいる。麗人は川に手を入れると、中から一本、弦のような物を引き上げた。どうやら川と思っていた物は数多の糸の様であるらしい。麗人はその糸を大層大切そうに撫で上げると、じっと深く観察する。そうして何やらゴソゴソと鋏を取り出した。手芸用に使う糸切り鋏。それを取り出されたら、もう何をするかは明白だった。指の代わりに糸切り鋏で糸を張らせると、バツン、音を響かせる。糸を、切り落としたのだ。

夢から覚める。時計を見ると深夜一時だった。体中が痛い。どうやら疲れが出てきた様だった。それでも約束してしまったから、今週、必ず参拝に訪れないと。行かないと……怒られる。


疲れた体に鞭打って会社へ。常に頭に浮かぶのは昨日の夢と明日の体調。切り落とされた糸。何かの縁が、ぶっつりいかれる暗示な気がする。

何の縁? 異動元の変更? それとも近々疲労によって倒れる合図? それは困る。私は社に行かなきと行けないのだから。お礼をしないといけないのだから。いかないと、怒られてしまうのだから。真っ青になる私の心配は、携帯の着信音と共に訪れた。

――姉ちゃん、亡くなった。

その後は小さな激動だった。両親からの連絡で一度家に帰る事を上司に伝え、後半の仕事を休む事になった。そうしている間にも、疲労感が体を襲う。肩は痛かったし、足も重い。体中が熱い。それでも倒れる事無く何とか家に着く。両親は居なかった。

御礼参りも済んでない。でも今週はきっと行けない。姉の死相を拝んでない。連絡が着くまで起きなくては。それなのに……眠くて仕方がない。


「これで大丈夫。新天地まで転換期を持ち込む真似は致しません。全ての激動は此処で終わらせます」

二つ目の関門を超えた麗人は、ほっとした様に溜息を一つ。麗人が行ったのは転換期に乗じた縁切りと縁結び。古い縁を纏めて切り落とし、新たな縁を結び直す。専売特許だ。

「有難う。まだ続くと思うけれど、どうかこれからも良しなに」

私が笑顔で返すと、視線を逸らして真下を見る。呟かれるのは悲壮の嘆きだった。

「自らの全てが滅ぶ程に思って戴けるのは、大変嬉しゅう御座います。けれども、少々狂信の域に入っておいででは無いでしょうか? 自らの心身を粉になさる程、私達は恐れられる存在なのでしょうか?」

目の前の長髪の麗人の膝上には、疲れ果てて眠る彼女の頭があった。麗人はその彼女の頭を延々と撫でながら会話を進める。糸のような目には少しの憂いが見て取れる。

「彼女は私達を狂信してはいないよ。狂信するのは自らの恐怖だけ。だから私達が言ったことを信じない。全く……これじゃ悪徳宗教だ」

困った子だね、本当に。姉の死を引き金にしなければ、彼女は必ず社に訪れた事だろう。心身共に疲れ果てているにも関わらず、それに目を瞑って体に鞭を打ち続ける。健全とは言い難いね。

彼女は未だに安らかに眠続けている。

「私が過保護になるのも分かるだろう? 命運に手を加えて動けなくする事でしか、彼女は休めない。自らを制御出来てない。見ていて本当に心配になる」

命運の手網を此方が握っていなければ、彼女はきっと過労死する。全ての命運は人に委ねられるべきだが、この子の場合はそれをしたら破綻する。難儀だね。狂信というのは。

私が言うからこそ、この話は重みがあると思いますよ。


無理しなくて良い。休んで良い。

って言う、合図は沢山あると思うんです。

それを送った相手の事をガン無視して、ただ盲信を続けるのは、本当に皮肉だなぁと。


そうして、そんな相手を制御するには、もう腕づくでしかないんです。

あらゆる手段、この場合だと忌引きによる強制休息。

そうでもしないと、這ってでもこの子は社に行きます。

そんなのは健全じゃない。


故の分からせです。

こうまでしないと理解しない程の恐怖への狂信。

此方で命運を管理しなければ、破綻する程の盲信。


神様を狂信するのではなく、恐怖を狂信している。

これを不健全と言わずして何と言うのでしょう。


追伸

お前の力だけで命運を掴めると思ってんのか(怒)

此方が選定してんだから、不安がるの辞めろ(怒)

湿度高いの嫌いなんだわ(怒)


かなり私なりに俗っぽく訳しましたが、これが今回の御籤の結果です。

過保護にされてるなぁと思います。


まぁ大金得たら、放蕩にズブズブ行くのが私なので、これかくらい手綱握られてるのが丁度良いです。

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