第7話『手探り』
私がここに来て2か月ほど経ちました。
ここに来た日から数日経ったころ、逆の方向に進んでしまって遅れていた2人が来ました。
ヤーナさんとガリーナさんです。
ヤーナさんとあの人は前の世界からの関係で、数世紀ぶりの再会だそうです。
野暮と言いますか、そこの話はもうしない方がいいでしょう。
再会してから色々なことがありました。
2か月ほど経って色々なことが落ち着き始めました。
今から今後の話をするそうです。
事あるごとに言い合いましたが、私たちはどこかおかしいのでしょう。
私自身はまだはっきりと分かっていませんが、この想いは大切に育みたいです。
まあ、他の方は分かりませんが。
あの人の力ですが、流石に過剰なのでみんなと話し合ってざっくりと決めました。
こんな状況は使おう、これは駄目などざっくりと決めるだけで数日は掛かりました。
衣食住などを整えるのにこれでもってくらい頼りましたが……まあ、それはそれとしましょうか。
これからが楽しみですね。
気が付けば死んでて、異世界へ行けって言いだしたかと思ったら、やっぱりこれやってって言うだけ言って神様を押し付けられて。
そこから色々あってここに居るけど、まあ楽しいからいっかなーって。
いつの間にかおかしくなったのかもね、私は。
だって、口では色々言いつつも、押し付けられたことは私なりにやったし、しかもここに居るし。
これっぽちも嫌とかないし、むしろ楽しい。
色々ちょろいのかも?
それはそれは酷い人生だったかもしれないけど、これからはいいものになると思うよ。
みんなが寄せてくれたり色々あってよかったね、双卯さん。
「この世界が抱えてるものをどうにかしようかなって」
「それで、この場でどうにかするか、のんびりどうにかする旅に出るか」
「どっちがいいかなって」
「菫の自由でいいんだよ。だってここには誰もそれを言う人は居ないから」
「天依はそうだろうけど、みんなにはちゃんと、ね」
「みんなのこの顔見ても言える?」
「……言えない、かな」
「じゃあしなきゃいけないことは?」
「一緒に行きたいなって」
色々な反応が見られて、そしてみんなの笑顔が見られてよかった。
で、みんな部屋に行くから天依に聞いたら、女の子に色々あるんだって。
そんな言葉聞きたくなかったかな。
とか何とか考えていたら、嬉しくないのって聞かれて。
分かんないって。
そう、言って。
だけど天依からもらうものは嬉しいかもって。
かも、だからもしかしたら違うかもって。
またかもって言っちゃって。
よく分かんないね。
それでも天依は変わらなくて。
「愛してる」
そう言ってくれて。
変わらなくて。
そして天依も部屋に行って。
聞こえてるか分からないけど、私も「愛してる」って言って。
今日も暑いけど違うことは、鳴き声が聞こえないなって。
「もう幾年も放置なんだっけ?」
「うん」
「なのに綺麗だよねこの泉」
「うんうん。とっても綺麗だから何か妖精さんとか居そうだよね」
「居るかな?」
「想像するのは自由」
「うん。泉は綺麗だけどこの奥にあるお墓はかなり汚れてるよね」
「もしかして双卯は知らない?」
「何が?」
「ここはとある家の私有地だよ」
「そうなんだ。じゃあお墓はその家の人たちかな?」
「うん。ここの持ち主の家の人たちとその家と深い関係の人たちのお墓」
「たくさんあるし、広いから歴史ありそうだね」
「そうだね。詳しくは知らないかな」
「そっかそっか。次はどこへ行く?」
「双卯の行きたいところへ」
「じゃあ……天依の行きたいところ」
「平行線になっちゃう」
「うーんじゃあ……あの丘に行こう」
「また遠いところなのね」
「でも私たちの深い場所はこの2つだよ」
「そうだね」
「もう夕方だね」
「双卯大丈夫?」
「天依こそどうなの」
「一緒だね」
「そうだね。流石に、ね」
「遠かったよね」
「幼いこの身体じゃあきつかったね」
「だけどこの景色見ると飛んじゃうよね、双卯」
「うん。お花って決まった時期にしか咲かないのに、ここはずっと咲いてるんだよね」
「確かね、ここに人が来て飛び降りたらしいの」
「それだけ?」
「ううん。どんな関係とか経緯とか色々分からなくて、2人がそこから飛び降りて数年後にまた2人飛び降りたみたいなの」
「それからずっとここは咲いてるって話らしい」
「どちらも私たちみたいに愛し合っていたのかな?」
「かもしれないね」
「明日からもしかしたら2度と逢えなくなるかもしれない」
「うん。そうなるね」
「頭おかしいかもしれないけど、これを渡したくて」
「じゃあボクからは名前を」
「その名前は天依だけのものだから」
「いいのかな」
「もちろん」
「じゃあ帰ろ」
「うん。愛してるよ天依」
「ボクもだよ、菫」
「みんなが居るから」
いつの間にかみんな戻ってて、天依に後ろからぎゅってされた。
「とりあえず、これ全部入れて」
「いいけど、みんな多くない?」
「気のせいだよ菫」
「まあいいけど」
だけど思うの、気のせいじゃないって。
どうせどうとでもなるんだから。
あ、決まりごとがあるからあんまりだっけ。
まあ気にしても仕方ないね。
「色々迷うかもしれないけど、よろしくね」
「今さらって感じですね」
「そうだねー今さらだよねー」
「だってさ、菫」
「うん。行こっか」




