第5話『ついていけない』
「整備しませんか?」
「無意味」
「整備しなさい」
「死にたい?」
「これから先、絶対孤独にはならないでしょう」
「で?」
「様々な理由により必要になるのです」
「そんなものかなあ」
「まあ、事実上建国したようなものですから、何かしらしておいた方がいいかと思います」
「都度処理すればよくない?」
「それで大きな組織が1つ壊滅したのですが」
「あれ壊滅したんだ。どうでもよくて見てなかった」
「まあ、殲滅が望みならいいですが」
「分からないかなあ」
「少なくともあの2人は望んでないでしょう」
「おかしくなった?」
「元々です」
「一緒だね」
「しませんか」
「前々から思ってたけどさ、いらなかったんじゃないの?」
「気が変わった、ということです」
「ま、どうとでもなるから整備しとくよ」
「では、終わったころに来ますね」
「はいはい」
ランダムで場所を選んだのはいいけど、荒野なんだよなあ。
ま、どうとでもなるけど。
とりあえずやってみよっと。
「あの……家以外何が変わったのですか?」
「私自身が目的で達成したものしか住まわせる気ないから」
「それと、誰も入れないから。基本的には」
「はあ……そうですか」
「あと、この家を中心に周囲10㎞は何も入れない、入らないようにしてる」
「10!? もう、何が何だかです……」
「理解してくれとか何とか言う気はないよ」
「分かっています」
「で、現状誰が入れるのですか」
「3人だけ」
「ですよね。……3人?」
「かみさまもだよ。じゃなきゃ何でここに居られるのさ」
「てっきり神という存在なので、通用しないと思っていました」
お、その顔は気付いた感じかな?
歪んで行くなあ。
「神って何でしょうか?」
「押し付けて来た奴に聞けば」
「っ! ………………も……ない……」
「で? だから?」
「もう居場所ないつってんの!」
「知ってる」
「は?」
「かみさまが部屋に連行してだらだら話してた時から知ってる」
「いや、あの時はまだなかったでしょ!」
「ほら、崩れてるよー」
「っ!」
「歩き回ってたでしょ、私」
「それが?」
「その時にあったの。神たちの規則というかそんな本が」
「で、あーしーらねーって思ってた」
「言ってくださいよ!」
「無関係だもの。意味が分からない」
「はあ……」
「お互い様でしょ」
ま、奴らに比べたら甘いね。
よかったね、色々と。
「居たいだけ居ればいいさ」
「欲がないのですね」
「いや、あるでしょ。生きてるし、色々してるし」
「はあ、そうですか」
「さ、散った散った」
「あの……何かすることは……」
「ない。そしていらない。散れ」
「……」
「抜けてそうだから言うね。数日で非力になるから」
「え? どういう――あ!」
「分かったら散った散った」
まあ、どうとでもなるけどね。
だけど何か、うん。
だからとりあえず放置。
望むならアリかも?
「で?」
「相変わらずですね」
「やはり何かします、させて下さい」
「一緒に住んで堕落してたらいいじゃない」
「……」
「ま、どうとでもなるからね。だから来たんでしょ」
「久しぶりですがやりたいです」
「あってよかったね」
「そういえば……よくある反応をしないのですね」
「おかしくなった?」
「いや、おかしいのはそちらでしょう」
「私に限らず、女性が居るのに何も反応しないじゃないですか」
「その機能っているかな?」
「自分で考えて下さい」
「じゃあ今はいらないね」
「っと、そうそう。分かってると思うけど」
「もちろんです」
「というか楽にしない?」
「いーよ。まあ、威厳出るかなあ思ってたけどなー」
「少しもなかった」
「やっぱりー?」
それで威厳が出るなら苦労しないと思うけどね。
「ところでー」
「何さ」
「充実してなーい?」
「その方がいいでしょ」
「やー懐かしいなーって」
「ま、好きにするといいよ」
さてさて、最初は何かなあ。
「やばいねーこれ」
「そう?」
「寝食やら色々忘れてやっちゃいそー」
「好きにして」
「で?」
「大好き! だから最初にうさぎのぬいぐるみ作るって決めてたんだー」
「にしても、アレだねえ」
「だってそっちの恐怖とかよりもー死の方だもーん」
「飛んじゃうよね」
「ねーお互い環境が環境だったもんねー」
「好きにして」
意外とって感じだったから、追加で色々した。
「ねーずっと気になってたんだけどー」
「ああ、これね」
「そー左小指にあるからさー意味ありげにー」
「最初はシンプルだったけど、最終的にこのデザインになったのよね」
「ま、それだけ」
「そっかー」
「あ、この世界で誰かとくっつくーってなったら増えるねー」
「増えるって、結婚指輪だったら指が埋まるほどつけるの?」
「流石に頭おかしかったねー」
「というかつけないよ」
「そなのー?」
「当たり前でしょ」
「ずっと思ってたけどさー」
「朝から何の話をしてるんだろねー」
「お互い頭飛んでるしおかしいから分からないね」
今日も意味不明で頭のおかしい1日だったなあ。
ま、いっか。
……。
………………。
「優しく、してね……?」
「おえ……」
反吐が出る。
「もしかして……あれですかね」
「だろうな」
「しかし問題が」
「何だ」
「進めません」
「そうか。帰ろう」
「ええ!? そんなあっさり!?」
「ほら、きりきり歩いた歩いた」
「流石にもう少し――って待ってくださいな!」
2人はサクッと帰りました。
飛べるのは便利ですね。
にしても、誰だったのでしょうか。
ああもちろん知っていますよ。
ですが、あえて言わないのも面白いでしょう?
「どっちだと思いますか?」
「知らぬ」
「いや、少しは考えましょうよ」
「考えようがないだろう」
「そうは思わないのですが……」
「ボク行くからね!」
「は? 何を言って――って待て!」
「あー行ってしまったな……奔放娘め」
「行きましょうか?」
「頼む」
「はあ……何が何だか……」
「待ってて……今行くからね、菫」




