第1話『よくあるお話』
さて、どうしようかなあ。
ま、どうとでもなるから、このままでもいいんだけど。
でもまあ、試しに最寄りのとこに行ってみるのもいいかもね。
サクッとギルドにテレポートして、作っちゃおうかな。
でね、大袈裟に弄って、色々して言われたんだ。
「これですと……出来ることはないと思われます」
とまあ、無能と言いたげな感じ。
そもそも言う必要あったかな?
「どうとでもなるから、作っちゃって」
「はあ……ですが……」
「よろしく」
「……」
「………………分かりました、作りましょう」
とっても嫌そうにするね。
んー?
偉そうだの、面倒だの、無能のくせにとか色々考えてるねえ。
ま、そんなこんなで、戸籍というか身分の証明になるものは出来た。
なくてもいいと思うけどね。
さ、帰って引きこもって、したいこと出来たらしようかな。
と、その前に……ぐるっと周ってみようかな。
表として見えるものはよさげな感じかなあ。
まあ、裏とか色々仮に腐ってたりとかあったとしても、どうだっていいけど。
で、サクッと帰った訳だけど……この人間どうしようか。
いつの間にかサクッと用意した家の前に、帰ったら人間が倒れてる訳さ。
あの時の私なら処理してるだろうなあ……と思いつつ、どうにかしたの。
運が悪かったようで、最終的に1人が瀕死で、そしてもう1人が何とか抱えて逃げてる最中にここを見つけたと。
で、まあ、もちろん……道中も色々あったから死ぬほどではないけど、見つけてバタンキュー。
まるで、見て来たかのように話すねって?
そりゃ勝手に見たからさ、頭ん中。
どうにかしたけど、起きて面倒になるのも嫌だからなあ。
うーん……ま、いっか。
ところでさ、どう?
私頭おかしいでしょー?
あ、ねえ、起きたみたい。
同時に起きるなんて、仲良しね。
面白いから少し見てよっと。
「ねえアン、あたし生き返った?」
「分からない……でも分かることは――」
「この家の住人が助けてくれた、ということ」
「あたしたちはその住人に感謝してもしきれないね」
「住人が来たら色々しましょ」
「それと……助けてくれてありがとう、ディ」
「いいって。そんなの当たり前だから」
仲良しだねえ。
そろそろ行こうかな。
「ありがとうございます!」
開けてびっくり。
2人して同時に言うものだから。
にしても、私が驚くなんて初めて。
「んー感謝とか何だのいらないから、帰るといいよ」
「では、せめて自己紹介だけして、今日は帰ります」
しなくてもいいのにね。
色々見て知ってるから。
「私はコウリス・アンジェリキ、そして」
「あたしはアネーシャ・ディミトラ」
「うん。気を付けて帰るといいよ」
「あの……あなたの名前は――」
「知らなくていいよ」
「……はい。では、ありがとうございました」
よし、帰った帰った。
もう来なくていいけど、どうせ来るだろうね。
そうだ、少し昔話をしようよ。
昔と言いつつ、たった数時間前のことだけどね。
んっとね、処理が終わらなくて、まあでも、アホらしいし馬鹿らしいから処理してたの。
ある時突然さ、神様だって言う人が来た訳よ。
ま、自動的に処理したけど……もちろん元通りになったけどね。
色々言ってたことをまとめると――
作ったけど、作った瞬間興味も何もかもなくなったから、何千年も放置した世界があると。
で、あげるし思うがままにするから行かないかってさ。
私は何を思ったのか、血迷ったのか、記憶にないし分からないけど……行くって言ったのよね。
それで、主要な国の近くの森に転移してもらったって訳さ。
どう?
面白くないし、つまらないでしょ。
ま、そんなものよね。
しかも私、頭やら何やら色々終わってるからね。
そんな人間――人間でいいのかな……まあ、そんな人間の人生や、やること成すことなんて、くだらないしつまらないよねー。
さっきから自分を下げた言い方が多いでしょ?
最早システム、命令を通り越して今や癖なのよね。
きっと、というか絶対うざったいだろうし、くどいよねー。
ま、どう思ってるとか何とか、分からないけどね。
だって、無理だもの。
絶対来るとは言ったけど、色々イベント起きそうなのよねー。
さっき見た時にさ、知っちゃったんだよね。
ま、情なり何かしら沸けばするかも?
にしても、私にとっては異世界だけど、大して変わりはないのね。
これから何しようかねー。
「ねえ、ディ」
「んー?」
「あの人、異世界の人かなって思うのだけれど」
「かもねー」
「じゃなきゃ色々説明出来ない」
説明しますと、この世界では異世界から人が来るのは当たり前です。
ですがしばらくの間、来る人は居ませんでした。
なので、風化はしてはいませんが、過去に歴史上居ました、となりつつあります。
「まさかとは思うけどさ……アン」
「そのまさかです」
「いやー図々しいんじゃない?」
「図々しくても、です」
「うーん……」
「まあでも、今この瞬間にすぐにでもしなきゃいけない理由もないし」
「だからまずは……お金を調達したり、成長したり」
「ですね。今日のことで違約金などでかなり……」
正確なことは言えませんが、報酬の数百倍のお金が旅立ちました。
まあ、本来ならば数倍ですが、彼女たちの種族や依頼人などの理由により、数百倍ものお金が旅立つことになりました。
色々な目的などで、貯めに貯めた彼女たちのお金で何とかなりましたが、危うく飛ぶか落ちるところでした。
「ま、どうしても行くならさ、落ち着いてからにしようよ」
「そうします。本当にいつもありがとう、ディ」
にしても、今日は濃かったなあ。
ま、よくある話だけどねー。
よくある話と言えば……警戒心などが薄かったなあ。
……。
あ、この見た目だからか。
奴らの趣味でこの身体にされたんだよねー。
役に立ったことはないけどね。
さ、いい時間で丁度いいから、初めての睡眠をしてみようかな。
……。
……………………この身体って、そもそも寝られるのかな?
ま、いっか。




