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生まれ変わったら飛べない鳥でした。~ドラゴンのはずなのに~  作者: イチイ アキラ


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第17話 ……神?




 飛べない鳥、改めて自分がふわふわまんまるで、かわいいしかないことにショックです。

「は、はは……加護を、確かに……」

 でも、言われてみると確かにそうです。

 兄上さま(ドラゴン)の加護を受けている、からですわ。

 もうこの思いは何度目かしら。

 竜のオーラのおかげです。内心で短い手を合わせて拝み拝み。


「ええ、はい、そうでし」

 噛んだ。だが気にしない。

 もう胸を張りました。

 だって、自分がドラゴンであるとはもう言い出せない……やけっぱち、とほほ。


「なんと、そんなことがあるのか……」

 ロザリーさんはまだびっくり。

 ですよねー。

「ドラゴンが加護を与えているから、人間の言葉もわかるのか?」

 あ、そうなるのかな?

「そこんところ、私も解らないんですが、魔物とは言葉を交わさないのですか?」

 ロザリーさんもとうの魔物である私に尋ねられて、うぅむと唸る。

「いやいや、あらためて……うん、そもそも、君は魔物なのか? 君のような生き物、私は見たことがないが……」

 ロザリーさんの視線はエリナさんに。エリナさんはそれを受けて、自分も知らないと首を横に。

「……世の中、まだまだ未知の生物はいっぱいいますよぅ」

 自分で言うのは何だけど。


 ドラゴン亜種ペンギンです。


 ……とは、ドラゴンに続きなんか言い出せない。


「……確かに、魔物の中にも言葉を話せるものはいる」

 あ、いるんだ。

「先のゴブリンもハイクラスになると話す個体もいるという」

 それはゴブリンが人間に近い形態にあるからと、過去に観察研究したひともいるとか。

 でも私のように滑らかに話はしないそう。

 だからしゃべったぁ、とびっくりしたんだと。

 明らかに人間に近い種族に見えないのに。


「そして高種族な魔物は人間と会話したり、まぁ、取り引きをすることはあるそうだ。高種族な魔物自体が人間に関わることはあまりないが」

 そして魔物との取り引きなどはろくなものはないと、ロザリーさんが小さくつぶやく。

 ……ですよねぇ。私が魔物だから言いづらかったんだな。

「ああ、しかし、魔物といっても種族によるかな。先にも言ったが人間の形態に近い種族は何かしら発するらしいからな」

 私は明らかに人間じゃない形態。

 ペンギンのくちばしから滑らかな言葉出てきたらびっくりするよね。私もその立場になった驚くだろうし、私は自分がどう発音してるのかも不思議ですわ。

「まぁ、魔物も高種族になるほど様々な異能をもつらしいが……」

 ふむふむ。ハウンドウルフさんたちはランク的にはどこら辺だったんだろう。

「しかし、ドラゴンなど高種族どころではない」


「もはや神だ」


 ……。

「はい?」


 ますますドラゴンとは言い出せなくなりました。

 神。

 別に私は新世界を望んでないけど。


「か、神ですか……?」

 まだその衝撃について行けない私に、二人が教えてくれる。


 あ、朝ご飯も食べることになったよ。

 二人は干し肉とビスケットみたいなのを食べ始めた。

「君も食べるか?」

 荷物のほとんどはロザリーさんが持っているみたい。それも仕事のうちなのかな?

 ロザリーさんが自分の分をわけるのは別に構わないと、雇い主のエリナさんも。

「えと、じゃぁ、少しだけ……」


 実は、私は……生まれ変わってから、食事をしたことがなかった。

 そのことに今、気がついた。

 巣にいたとき、まったくお腹すかなかった。兄上さまたちも何か食べていた気配もなかったな……ううん? 何でだろう。

 ドラゴン……神、かぁ……。

 そういうことなのかな?

 神がご飯食べたりおトイレ行ったりしないって――それは想像しづらいかな。

 今も別にお腹すいてない……けど、この世界の食べ物は興味あるなぁ。


 ロザリーさんはリュックにこうした携帯食と野営道具を入れていた。エリナさんも背負っていたけど、ご自分の分だけみたいで、かさばる野営道具や重たいのはロザリーさんが持っていた。

 冒険者て大変ね。

 あ、あれはないのかな?

 ファンタジーによくある空間に収納する的な?

 何か拾ったりしたら試してみよ。



狩り、始めました…さんぶれいく。やっと蟹を倒し…蟹…角が折れません(T_T)

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