夕焼けで口づけを
朝色の構内は 月曜のあわただしさで
昨日の流れ星のことなんて忘れちゃいそうで
澄んだ通知音で 不意に思い出す君の声
あどけなく 艶のあるコールガールにも似た
部屋に残した吐息のあとで
朝焼けに口づけを
走り抜けるニュースと秘め事を
青い空に放り投げられたなら
昨夜の葛藤 鏡に残る傷 口紅を拭いて 遠くへ手放して
もし君の夢が叶うのならば 悪い酔いにまかせた 逢引なんて捨て去って
君は仕事が終わり 涙色も霞んできて
昨日の軽い後悔なんて忘れちゃいそうで
駅へと足を走らせて パブリックビューイングを横切り
醜聞と秤にかけられる 君のコモンセンス
君は夢を見据えたまま
今「この時」から置いてけぼりさ
浮足立つ世相とは逆に
たしかな手触りの明日を見てる
昨夜の色事も 化粧室の水音も 眼鏡を外せば 忘却の彼方へ
もし君の寝息が 僕から遠ざかるならば 一夜の迷いなんて断ち切って
いつの日でも 人は間違う 伸ばした手の先には ナポレオンもいて
もし二人だけの世界だとしたら 昨夜の想い出なんて眠らせてもいい
射手座の矢文が 突き刺したのは 流れ続ける天の川
もし僕らが別たれるのなら 静かに滲む夕焼けで口づけを
口づけを
静かに
口づけを
夕焼けで
口づけを