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ヒロイン&悪役令嬢

 さて、肝心のヒロイン、アリス嬢についてですけど…


 あー、私ヒロインちゃんが目に入るたびにモヤッとするんだよな…

 なんでかって?

 だって、ず~る~い~! なんでそんなカワイイ見た目なの~っ! つーか、なんで私には前世の容姿がこれっぽっちも反映されてないのーっ!


 ごほん、失礼。私、どういう方向であれ精神的に不安定になると人格が混乱するんですよね。内心でだけですので、ぼろは出しませんけど。

 

 そう、私の前世の見た目、ヒロインちゃんのとかなりソックリ…。さすがに髪の色はピンクじゃなく薄茶だったけど、ふわふわの様子といい、小柄な身長といい、大きくぱっちりとした薄茶の目といい、すっごく懐かしい…。 もちろん顔もそっくり。


 私、前世ではそんなふうに小動物系の見た目に産まれて、スタイリストしてたママの影響もあって、可愛い洋服や小物に囲まれて、カワイイカワイイと子供の頃はモデルにも。大きくなるといわゆるゴスロリにハマって、同好の士と休日のたびにフリフリを堪能。

 さらに可愛さを追及するために服飾系の道へと付き進み、とあるそっち系の有名ショップでデザイナー兼店員としてちょっとしたカリスマに。といっても30歳にはまだなってないくらいまでの記憶しかないから、5年くらいだったかな…。


 で、そんなふうに似合うのもあるけど、フリルやレースやリボン系のカワイイ物、すっごくすっごくすっごく好きで、記憶戻ってハレの場でドレスとか普通に着る世界で歓喜したのに…


 鏡見て一瞬で夢が潰えちゃったよ~っ ううっ…


 いや、見た目自体は悪くはないんですよ。両親美男美女だし。でも!正統派美人の母親はともかく、クールとか怜悧と称される見た目の父親の外見がブレンドされた結果…


 美少女(当時は美幼女?)ではあるのよ…。紫色のストレートの髪(記憶戻ったばっかはギョッとしてましたよ)、切れ長のエキゾチックな青い瞳(つり目ではありませんでした)。記憶戻った6歳時点にしてミステリアスとか神秘的とか称される、可愛いとは対極的な…。

 普通子供の頃ってフリルいっぱいでもまあ似合うものだけど…、コレはダメだと一瞬で判断出来ちゃった…。

 なんか… よりによってカワイイものがとことん似合わないタイプ…

 試しに無垢で無邪気な笑みをやってみようとしたけど、どうしても何か腹に一物あるような謎めいた笑みになる…。モナリザなんか目指してませんよぅ、ううっ…


 似合わなくても好きなら着ればいいじゃんって? それは私のカワイイ物に対する美意識が許さないの…

 他人には口出さないけど、自分が似合わない格好するのはカワイイ追及以上に許せない。カワイイ物を似合わない私に着せるのも許せない。

 だから前世でも記憶にある時点では大丈夫だったけど、似合わなくなる前に、30歳になったら引き際として引退しようかと思ってたし。

 

 で、事実を認識して絶望に打ちひしがれましたが… わりとすぐ復活しましたよ~

 だってホラ、私にはカワイイ妹たちがいるじゃないですか~

 母親似の正統派寄りだけど、子供の頃だからやっぱりある程度イケてて、白色のヒラヒラ系の服なんかもう天使のようでカワイかった~


 その際、ある程度私の好みのを着てもらいたかったのと、この世界で許容される範囲や流行も知りたかったので、うちでドレスを手掛けてくれてた人に聞きつつ希望言って試作してもらったり。そしてよくあるお約束のように意気投合して新しい流行を作り出したり。

 侯爵家からのバックアップも入って、現在、私が共同経営者の一人となっている店<カレイド>でドレスを作るのはステータスで~す。

 前世で一通りはやりましたから、カワイイ以外にいろんなタイプのもデザインはできるんですよね。ただ著作権はいくつかゴメンなさい…。いろんなタイプでオリジナルばっかは無理でした…。


 当然私の分も、昔作ってた時のようにテンションは上がんないけど、かえって客観的に似合うと判断したものをデザインして着てます。基本はシンプルな型で金属的な光沢の生地でのドレスが多いかな。レースはそこそこだけどフリルやリボンはお預け…。装飾品で似合うのは貴金属系ですね。

 おかげでいつも流行の最先端の神秘的美少女に仕上がってます。店の売り上げにも貢献中~。  

 

 だから、私が可愛いヒロインちゃんをイジメ? こっちからそんなことするわけないじゃないですか!

 むしろ転生者だったら、仲良くなって前世ネタトークも交えつつカワイイ服着せてキャッキャうふふと過ごしたいと夢見てましたよー

 

性格がマトモなら!


いやさすがに、電波とかならイヤっていうかそもそも無理だと思ってたけど。

腹黒って電波とどっちがマシだったかなぁ…

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