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恋?の物語

「ドルダム、お前の気持ちは変わらないのか?」

「ええ、変わりません。

 ディアーナ、兄さんがこうしてくれたおかげで正式に申し込めます。結婚を前提に婚約してください」


 ええ、実はルディーも双子でして。微妙に鏡の国のアリス設定、活きてるんですね~。トゥイー家のルディーとドルダム。

 とはいえ、子供の頃、弟のドルダムは虚弱で婚約どころじゃなかったんだけどね。

 ディアーナが婚約してからあちらの家に出入りしてるうち、面倒見の良さを発揮して、本を持ってったり軽く鍛えたり。で、いつの間にか理想像への憧れから恋が、らしい。

 大きくなるにつれ丈夫になって、今ではルディーより強くなってますよ。周囲はまだ小さいころのイメージが強いけど。


 で、ディアーナは特に意識してなかったんだけど、ルディーとの間に隙間風が吹いてるのを見て、ドルダムが告白。それで意識したらしく、ディアーナが珍しく挙動不審だったんでね、聞き出したらそういう事情で。

 ルディーを何とかできないかと思ってた頃だったんだけど…、チェンジで!と。

 いやだって、小さいころ役立たず扱いだったせいで、わりと裏とか分かるし、状況認識とかきちんとしてるし。


 騎士団長、宰相もそうですけど前作の攻略者だったんですよ。で、今の妻になってる婚約者を通して、お母様とも知り合いで。攻略は全力回避したらしいですけど、意識改革はちょこちょこと。

 どれだけ効果があったかは分からないですけど、現状の判断力はまともですからね。ルディーの現在の能力を憂慮してたし、ディアーナとの相性の悪さも分かってきてたし。


 お母様も交えて、ルディーとの婚約は解消しない? で、本人同士がうんと言えば、ドルダムとディアーナを、と。卒業までに改善が見られなければ、この話をして、ルディーは家を継ぐの保留、というふうに決まったんだけど… こっちには予想通り、団長には思ってもみなかったほど馬鹿をやらかしましたからね。

 次期当主はドルダムでルディーは鍛え直し!我々も協力しますよ。


「私はお世辞にも女性らしくはないし、鍛えるのをやめる気はないがそれでもいいか?」

「今さらです。それに昔からそんなあなたに並びたいと思っていました。今なら胸を張って申し込めます」


 うん、私も裏で話しつける以外に、本人に協力して力の使い方とか教え込んでね。ディアーナを超えてはないけど、それなりに張り合える程度にはなったんだよね。始めるのが遅かった分、まだいけるだろうし。

「喜んでお受けする」

 これで一つは片付いた。さて、もう一つは…


「良かったですわ~。では、私もハティとの婚約は解消。後のことは許可もいただけたことですし頑張りますわ~」


 ええ、エメロードね、私達が騎士団長とこそこそとやってたの気付いてて、ある日…

「お姉様~、ちょっとお話よろしくて? ルディーではなく、ディアーナとドルダムのお話をまとめようとなさってるようですけど、何をご存じなのです~?」って…。

 まあ、隠しておくのは不可能でしょうし、手伝ってもらえると頼もしいですからね…。

 学院で彼らがハニートラップにかかって婚約破棄してくるかも?と。こうしたのはドルダムが出てきたからだけど、あなたもハティとうまくいってないし、解消の打診はしておく?と。


「まあ、そうですわね。彼らならあり得ますわね。なくても、そうさせるのもたやすいでしょうね。

 恋ですの~?。ふふ、私も、でしたら一緒になりたい方おりますの」


 は?恋 (あなたが)? と聞いたら、相手、宰相の腹心の部下で分家の人間。仕事は優秀ですね。情緒的には非常にうといですけど。そこがいいんですわ~、とか。

 こちらも宰相の家に行ってた時に、知り合って、仕事にアドバイスして以来、使えると認められてあてにされているようで。話が合うんですの~、って。そのわりに人間的にまっとうでかわいらしいんですの~、と。


 ええ、こっちも同じように話は付きましたわね。もっとも本人同士の同意はないですが… うん、エメロードの性格知っている人間は将来の確定事項と思ってますけど…。

 宰相家ねぇ。ハティ、一人っ子ですからね…。このまま乗っ取っちゃう? 鍛え直しの結果次第かな。


 鍛え直しね、身分を伏せて、ルディーは下級兵士、ハティは下級文官として勤務させる予定。私たちからも変身グッズ提供してね。

 ボロ出さないように、一定以上興奮したときの声帯・動作制限付き。とりあえず上っ面で騙されてるお友達と一緒に勤務してもらうつもり。

 で、改善されれば、どうでもいいから別の相手と勝手に幸せになってね。無理なら、管理職にはつけないようにお願いするから。

 ルディー、兵士としてならまあいいのよね。ハティも古文書整理とかなら役に立つと思うし。


 これでおおむね方向性は決まったかな。家同士の関係もあるからそんなに無茶は言いませんよ。お母様のご友人の息子さんでもありますし?

 こんな馬鹿を二度とやらないように鍛えなおせ!ってくらいは当たり前ですよね。むしろこのまま放置してたら家の方が危うくなりますし。

 でも余裕あったら、ちょっと精神的にイジメに行こうかな…


 え? 私の恋? 私は恋はしてませんね。一応バンダースから、笑顔が素敵、とか姿を見たいから傍にいて欲しい、とか言われたりはしてるけど…、でもアレはきっと恋じゃない…。


 言われた状況? ジャーヴォにお母様と行って、モンスター狩りでモンスター殲滅したの見てですよ…


戦闘用衣装、それなりに完成させてね、状況を変えての実地稼働実験するために付いてったんですね。そしたらバンダースや臣下の皆さん見に来まして。

 お母様、ジャーヴォで怖れ慕われてますけど、排除しようとする人たちもいますからね。その子供から…、って方もいるでしょうし。パフォーマンスかねて、優雅かつ余裕ありそうに殲滅してみせましたよ。で、最後ににっこりと皆さんに淑女の礼。


 そしたら「素晴らしい! 圧倒的に敵を蹂躙するその姿、美しい微笑みを今後も近くで見させてもらえないだろうか」って。

 最初はてっきり褒め殺しでのスカウトかと思ったんですけど…、あれ? 本気で言ってるっぽい? この表情どっかで… あ、お母様にしてたやつだ…

 うん、そういえばお母様が初恋だったね。皇帝吊し上げてるとこ見て…


 でも、これって恋だと思う? まあ一応好意的な方向性ではあるんだろうけど…。

 元を思えばこっちの方がはるかにマシではあるのかな。周囲の迷惑的には。

 とりあえず自分が踏まれたりはされたくないらしいんで、ちょっぴりは安心? もっとも笑み付で誰か踏んでたら喜んで見惚れてそうだけど。 Yes鑑賞? Yes崇拝? 


 あ~、もっとも今は恋はないですけど、結婚は状況次第ですることになるのかな、と。

 いや、そういう口説き文句のようなことを公衆の面前で言ってるんですよ。普通に私のことが好みで惚れてると周囲に思われますよね。いえ、ある意味そうですけど。

 私は当時婚約決まってましたから無理でしたけど、私を基準に勧めるとなると、聖女様のような影響力を持ち、モンスターを一蹴できる実力者で、優雅かつ神秘的な美貌を持ち合わせてる人材?

 時々お母様と訪問して存在が知られるにつれ、対抗勢力が引いてたらしいんですね。ジャーヴォってそのころ衣装にまで費用を回せる余裕あまり無かったから、きっちり着飾ったドレス姿やこの見た目だけでもインパクトあったみたいで。その上、戦闘能力も噂で広まりましたし。


 で、バンダースの相手、これとは決まらず今まで…。そこに、当人がフリーになっちゃったし、バンダース以外むしろ私の貰い手が…。

 ジャーヴォの次期王に楯突いて、見た目はいいけど、モンスター殲滅する、お転婆通り越したのを貰おうとする相手? いるのか? 

 

 まあ、真実の愛が無いと嫌とか、そんなことはそもそも選択肢の無い王族に対して言いませんよ。嫌いじゃないし支えてもいいなあとは思ってますよ。

 ただし、ちょっと保留で! だって前世持ちからしたら、20代で行き遅れ扱いとかないよ! むしろこういうの成人してからの話だよ!

 幼少期に精神年齢多少戻った気はするけど、前世アラサー+今世の年齢で未成年の少年と恋とかそもそも出来るかーっ! いや、そういう人もいるけど、私はちょっと。

 せめて見た目が大人になってからでお願いします…。

この後、後日談という名の追い討ち報告で、完結します。

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