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コッペリアの手紙  作者: 八千草夏日
マイルズ
5/10

ライラックは忘れない

夫視点。


「……そうか、あの赤ん坊だったのか。」


マイルズは手紙を握りしめて、そっと呟いた。この手紙を読むまで、マイルズは気づきもしなかった。

あの美しい人に抱かれた赤子が、ラツィアーナだったことを。

マイルズの子ども時代において、数少ない美しいといえる思い出が、自分の家族を壊して無茶苦茶にしていった人間とあまりにかけ離れていたからだ。

マイルズは手紙を燃やすために暖炉に薪をくべた。

陛下に謁見に行かなければならない。燃え上がる炎を見つめてマイルズは、握りこぶしを作った。

処刑は、ほどなく終わるだろう。あの娘は、この世からいなくなり、この国は新たな時代を迎える。民衆が望んだ新たな時代。そして、マイルズ自身が望んだ新たな時代だ。

その時代を迎えるために、彼女は自ら抵抗することもなく、この道を歩んだのだろう。

思い出と呼ぶには、あまりに悲しい欠片を必死にかき集めて。



思ったよりも長くなりました。

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