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どうやら異世界の洞窟の中らしい

貯め書き分です

よろしくお願いします

勝手ながら敵から出るドロップ品でお金は出ないようにしました。すみませんがご了承下さい

目が覚めると薄暗い洞窟のような場所だった。


壁際にかがり火が焚かれていて中がよく見渡せられるようになっていて広さは体育館程はあるだろうか。


 そして目の前には身長100センチぐらいだろうか、緑色の体をした小汚いおっさんが3体こちらを見てポカーンとしている。いや、奥をよく見てみたら3体所じゃない、ざっとみて30体はいるように見える。みんなひしめき合って思い思いのことをしているようだ。食事してるもの、寝てるもの、ケンカしてるもの。


ん? ケンカ?


手に持ってる物を見てみるとこん棒だけじゃない、騎士が持つような剣や斧も持っている。


 訳も分からずボケッと見ていたら、下から「グウゥ……」とうめく声が聞こえてきた。見てみると1体のおっさんが俺に押し倒された感じで倒れていてこちらをイライラした顔で見ていた。


 「ご、ごめん! 」


 小太は慌てて謝り飛び起きる。


すると今の声で全員が小太の存在に気づいてしまったのかポカーンとしていたやつらも手に持った武器をゆっくり担ぎ出した。周りのやつらもなんだか殺気立った気配を放ち始めてきた。


 混乱する頭の中でヤバイということはなんとか理解できていた。後ろを振り返るとさらに30体はいるのに気づく。どうやら彼らのど真ん中にいるようだ。


 そして押し倒されていたおっさんが後ずさりしてなぜか頬を染めていた。


 「キモッ! 」


 その声が合図になったのか一斉に襲ってきた。後ずさりしてたおっさんも一瞬傷ついた顔を浮かべた瞬間こん棒持って殴ってきた。


 咄嗟だったが下段払いで捌くが背中を後ろから棒で殴られた。


 「痛ってぇ」


 明らかに不良が殴るより痛い、小さいけど力は半端ないようだと同時に今のが剣や斧だったらと思うとゾッとした。


 混乱してる場合じゃない、真ん中にいるのは危険と思い壁際に向かおうと思い突破口を探す。パッと見こん棒持ってるやつの中を巨体に物を言わせ突っ込み壁際に向かい背中を預ける。


 すると右足に痛みが走った、右足のふくらはぎに赤い筋が入る。どうやら1体ナイフを持っているやつがいたようだ。


 (痛いし夢じゃない! どうする、どうするどうするどうする! )


 壁を背にしたが完全に追い詰められ、おっさんどもがにじり寄ってきている。そしてとうとう剣を持ったおっさんが飛び上がり斬りかかってきた。


 一瞬にして世界がスローになる。


 振り下ろされる剣はさび付いてはいるがしっかり切れそうだ。


 このまま斬られれば確実に死ぬだろう。


 (いやだ! いやだいやだ! )


 斬られるだろう瞬間覚悟を決める。目の前の高さまでジャンプしたおっさんをキッ!とにらみ付け

 

 「ぉぉおおおおおおおお! 」


 気合一閃、前蹴りを放った。


 「どぼぉぉおおえええぇぇぇぇぇぇ……」


 蹴りが腹に直撃したせいか、すごい声と共に中味を口から撒き散らし部屋の反対側まで飛んでいった。


 その際剣を手放し目の前に突き刺さり咄嗟に手に取る。


 「も、もう無手の心とか言ってられねぇよな」


 なんか負けた気がするけど命には変えられない、すると。


 『レベルガアガリマシター』


 と頭の中で機械的な女性の声が聞こえてきて体を白く淡い光が包む。


 「は? え? 何? 」

 

 光が消えた後不思議なことに背中を殴られた痛みが消え、切れてた足の傷が塞がったのだ。


 「痛くねぇ……治ったのか?」


 不思議に思ってたら。


 「ギィェエエエエ! 」


 と雪崩れのごとくおっさんどもが押し寄せてきた。

考えてる場合じゃねぇと必死で剣を振る。時には蹴り、殴り、剣が折れては落ちてた武器を拾いまた戦う。数で圧倒されたが、かがり火を倒して牽制したりして戦っていく。たまに攻撃をくらい傷が増えるが時たま聞こえる 『レベルガアガリマシター』という声と同時に治っていった。


 どれだけあばれたか分からないがようやく最後の1体を倒しその場に座り込む。


 「ハァ ハァ」


 滝のように流れる汗をぬぐい息をなんとか整え周りを見渡してみる。


 「もう、ハァ、いねぇだろな、ハァ」


 生き物を殺してしまったことに罪悪感は多分にあったが、殺されそうだったのだから仕方ないと今まで倒してきたおっさんを確認しようと確かめると。


 「あれ? 無い、なんで? て、なんだこれ」


 死体が消えていたのに驚いたが、代わりに銅でできた丸くて平べったいものや黒いビー玉みたいなものが転がっていたのだ。さらに不思議なことが空中に小さな人魂みたいなのが浮いているのだった。数にして大体60個ぐらいある。不思議に思って見ていたら突然落ちていたものや人魂がこちらに向かって飛んできた。


 「うわっ」


 と手で防ごうと手を前に突き出すが、それをすり抜け体の中に入っていったのだ。するとまた頭の中で『レベルガアガリマシター』『ゴブリンの耳取得シマシター』『ゴブリン魔石取得シマシター』と流れていき最後に。


 『ゴブリン魂取得シマシター』


 と流れた。


 「ゴブリン魂?なんだそれは」


 なんとか自分を落ち着かせて考えてみる。小太はトラックに轢かれて気絶した後にここで目覚めたのは分かった。あらためて周りを確かめてみるとかがり火をほとんど倒してしまって数本しか残っていない。少し薄暗くはなっているが岩壁がうっすら光っていた。よく見てみると岩壁だけじゃなく地面、そして天井までうっすらと光る大小様々な幾何学模様が所狭しとえがかれていた。


 「だからこんなに明るいのか、ぱっと見魔法陣みたいだなこれ……ハックシュイ! ズズ、やべ汗冷えてきた」


 とりあえずかがり火に近づき温まる。落ち着いて考えてると友人に教えられた異世界ものの物語や転生の小説や漫画にゲーム、アニメを見せられたのを思い出しそれに似てるなと思った。


つまり今体に入ったのはドロップアイテムなのかな?ゴブリン魂てなんや?


 「ゲームみたいにステータス開けるんじゃないかこれ」


 すこしワクワクしてきて元気に叫んだ。


 「ステータス! 」


 ・・・・・・ん?


 「ステータス! 」


 出ないよ?こういうのって目の前にパネルみたいなの開いて色々見れるんじゃないの?


 「もしかしてステータスじゃないのか?なら、ステータス閲覧! 能力閲覧! 」


 それから色々試してみる。指を上からなぞるように動かしたり、動かしながらステータスと叫んだりいろいろやってみた。


 「status! (スティテェス)」


 すごく発音よく言っても出てこない……なぜだ!レベル上がっただの取得しただの流れるのにそれを確認できないとかおかしいじゃないかと、手のひらを見つめ。


 「耳? 」


 と呟いたら切り落とされた感じの耳が手のひらの上に出てきた。


 「うおおびっくりしたぁ! あとキモイ! て、これは出るのか、使い道が分からん。じゃあ魔石も出るのか? 」


 試してみると問題なく黒いビー玉が出てきた。てことはと思い掌を前方に翳し

 

 「ゴブリン魂!」


 ……出ないな、てか魂てなんや、人魂出てきてもどうしようもないじゃないか。兎に角ステータスと人魂以外は出るのは分かった。念じれば耳は体に消えるし、なんか変な感じだ。


 どうやら異世界に飛ばされたということなのか、信じられないことだがあんな緑色したおっさん……ゴブリンか、現実世界じゃそんなん居なかったし、死体が消えてアイテムが落ちてるとかまさにゲームじゃないかと思う。


 なんとか自分を納得させこれからどうしようかと思った瞬間、地面に巨大な魔法陣が出現し体育館ぐらいある空間がまばゆい光に包まれた。


 「んな、なんだ!? 」


 まぶしくて目が開けてられないがすぐに光は消えた。


 なんだったんだ? と思い見てみると、



 緑色した小さいおっさんがいた。しかもさっきと同じ60体ぐらい……。


 目と口をあらん限り開いて硬直する。ゴブリン達もこっちに気づき「えっ!? 」みたいな顔してる。ここはゲームみたいな場所、敵を倒した後は体は消えてアイテムとなり、そして時間が経つと。


 「あー……リポップか! 」


 叫んだ瞬間ゴブリン達が襲ってくる。小太も渋々立ち上がり拳を握り半泣きで突っ込む。リポップとはゲーム用語で、その広場の敵を全滅させた後、ある程度時間がたった時、再び同じ数の敵が湧いて出る。だったかな?


 「おおおおおおおおおおお! 」

 「ギィィィイイイイイイイ! 」


 そしてお互いがぶつかり死闘を繰り広げるのだった。




 「ハァ、ハァ、ゼェ、ハァ……」


 2連戦はさすがにきつかった。最初よりレベルが上がっているせいかさっきより楽に戦えはしたが無傷とはいかなかった。それでもレベルが上がれば傷は消えたのだがスタミナは回復しないようだ。鉛のように体が重く引きずるようにこの場から離れていく。出てきたアイテムはまた勝手に体に入ってきた。


 出口はないかと周りを見ると一箇所だけ4メートル四方の穴がある、そこが出口なのかは分からないが歩きながら自分を見てみる。周りは岩に苔といった感じだが地面は土のようだ。ジョギングの為に来ていたジャージは泥だらけで何箇所かは斬られて裂けていた。口の中も砂が入ったのかじゃりじゃりして気持ち悪いし、動きっぱなしで腹も減ってきた。ジュースも飲み干し中味は空っぽ。最後に攻撃を捌いたとき手の甲を切ってジンジン痛む。それ以降レベル上がってないから怪我もそのままのようだ。


 しばらく引きずるように歩いていると少し広い空間に出た。そこは一戸建ての家がすっぽり入るぐらいの空間で泉が湧いている部屋だった。小太は泉に近づき覗き込むとどろどろに汚れた凶悪な自分の顔が映りこんだ。透き通るように綺麗な水に我慢できず飲みまくる。


 「ううんめーーー! 」


 まさに天然水、冷たくて気持ちよく喉を潤した。満足いくまで水を飲み

やっと落ち着いた所で気づく


 「あれ? なんか体軽くなった」


 不思議なことに疲労感が消え、手の甲の傷まで塞がったのだ。


 実験のつもりで岩壁に頭突きをかまし額を割り血を流すというアホな事をしてまた水を飲む。

 

 「治った……それにあんなに腹減ってたのに空腹感も消えてる」


 どうやらこの泉は傷も治すし、スタミナも回復するようだ。


 しばらく時間が経ってもここにゴブリンは来ないらしい、ゲームと一緒で決められた範囲からでてこないのかどうだか分からないが助かった。ジャージも汚れたので全部脱ぎ泉で洗い体も拭いていく。


 敵が来ないと分かってホッとしたのかなんだか眠くなってきた。水飲んでスタミナ回復してるはずなんだが心地よい不思議な感覚でありこのままなら寝れると思い横になった。


 「なんでこんな所に来たんだろ?」


 答えてくれるものは居ない、薄暗く光る魔法陣を眺めながら思う。


 「夢じゃないんだよなぁ……親父心配してるかなぁ」


 小太は瞼を閉じ眠りについた。

ここから亀更新になります

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