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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
474/512

094 メッセ


『結局護衛は大丈夫なの?』


『今のところはね』


『お姉さんが片付けましょうか?』


『さすがにシャレになってないよ』


 いやマジで。


『オーラがあれば心丈夫ですよね?』


『そこだよね』


『えと。その。少し寂しいです』


『リリアは可愛いね。帰ったらハグしてあげよう』


『本当に?』


『インディアン嘘吐かない。良い子になれる』


『護衛対象の女の子は可愛いのですか?』


『ほい』


 画像データを乗せる。


 すぐに既読が付いた。


『綺麗な人ですね』


『写真うつりは良いかもね』


『惚れられたりして……』


 はっはっは。


『むしろ護衛として懐疑を抱かれてる』


『えー? お兄ちゃん以上の護衛なんてちょっと見つからないんじゃない? 贅沢にも程があるよ。このお姉さん』


『全員が僕を知ってるわけじゃないし』


『それは……そうですね』


『ツナデは大丈夫?』


『こちらは大丈夫です。お兄様』


 サクリと。


『お兄様も護衛とは申しますけど、我が身と引き替えにしないでくださいね?』


『留意する』


 そこは前提条件。


 仮にコレで僕が死んだら、ツナデは心に傷を負う。


 だから僕は、この護衛に命を賭さない。


 サボりと言えば、その通り。


『スーパーの買い物は出来るようになった?』


『ええ』


『はい』


『よね』


『です』


 フォトンとリリア、フィリアにジャンヌ。


 各々異世界にも慣れてきたようで。


『勉強もしてみるといいよ。面白くなかったら何時でもやめられるし』


『そうですね』


『初歩から始めようかとは思っていますけど』


 良い事良い事。


『お兄様の負担にはなっておりませんか?』


『どちらに対して?』


『どちらにも』


『暫時問題なし』


『ですか』


『ツナデの心配もわかるけどさ。少しはお兄様を信じてくださいよ。こんなことで嫌いになったりしないって。嫌われはするかもだけど……』


『ありえません』


 文面なので感情は見えない。


 けど、多分、激昂している。


『お兄様は意地悪です』


『ツナデがよく知っているようにね』


『うー……』


 にゃー。


『こっちには傭兵とか居ないの?』


『いますよー』


『其奴らに護衛を任せるのは?』


『銃刀法違反があるからなぁ』


 日本での活躍の余地は無い。


 護衛はガードマンと……後は探偵か。


 興信所も背後にいると見て間違いない。


 あ、この場合はツヅラの背後ね。


 警告側の事情は流石に知らない。


『なにか掴めましたらお知らせしますので』


『其処は結構頼りにしてます』


 我が妹よ。


『力が必要なら言ってください。私もサポートしますので』


『だったらジャンヌは料理上手になってて』


『あはは。はいです』


 軽やかに肯定された。


『私たちも負けてられないかな?』


『です。ですね』


『お姉さんにも期待していて欲しいな』


 優しい女の子たちだことで。


『皆好き』


『ハーレム宣言!?』


『眼科に行って』


 あるいは脳外科。


『マサムネ様は冗談が過ぎます』


『誠意ある言葉のつもりだったけど』


『だからマサムネ様が好きですよ』


『リリアもです。です』


『ツナデも』


『イナフも』


『お姉さんも』


『私もですね』


 どうしよう。


 本気でコレはバッドエンドに向かってナイスボートがドンブラコッコと流れているような気もする。


 冷静に考えると、乙女たちの中で僕がどれだけ特異かは分かるはずなんだけど……どうやら少し離れてみると、いっそうその重みを実感した。


「ウーニャー? 大丈夫パパ?」


「大丈夫です」


 スマホを閉じて、メッセを終わらせた。


「春の桜の麗らかなりし」


 僕はベランダに出て、薬効煙を吸う。


 ウーニャーは人型のまま、僕に抱きついていた。


「ハーブの良い香りっ!」


「ん。落ち着く」


 アロマテラピー。


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