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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
457/512

077 楽園


「ふおおおおぉ!」


 カノンは高揚していました。


「?」


「……?」


「?」


「何かしら?」


「何でしょう?」


 フォトン。


 リリア。


 イナフ。


 フィリア。


 ジャンヌ。


 それぞれに奇声を奇声と捉える。


「いつの間にこんな楽園に!?」


 楽園て……。


 フォトンの両手をヒシッと取る。


「お姉様と呼ばせてくださいぃ!」


「いい……ですけど……?」


 ――どゆこと?


 深緑の瞳が語っていた。


 ――知らない。


 僕は肩をすくめてみせる。


 どうやらカノンは美少女がお好きなようで。


「フォトンです」


「リリア……です……」


「イナフだよ!」


「ウーニャー!」


「フィリアよ」


「その、ジャンヌです」


 それぞれ自己紹介。


「こんなにも愛らしいお姉様がたんまりとぉ……」


 ジュルッと垂涎。


 カノンも難儀な性格だ。


「は! まさかマサムネはぁ!」


「誤解です」


 手は出しておりませなんだ。


「本当ですかぁ?」


「そこは信用して」


 他に証明のしようもない。


「ツナデお姉様はぁ?」


「だから仕事」


「帰ってくるまで待たせて貰いますぅ!」


 いいけどさ。


「じゃあイナフとゲームしよう!」


「あのぅ……」


「何か?」


「もしかしてこのお姉様軍団もニートでぇ?」


「かくあらん」


 否定の余地もない事実であり、ついでにコレからも続く関係性で、更に言えばそもそもツナデはしがらみさえ無ければ働く必要も無いものだけど。


「お姉様は大丈夫でしょうかぁ?」


「どうだろね?」


 そこは僕にもわかんにゃい。


 けれどたしかに、ツナデは少しワーカホリックとでも申しましょうか……何処か積極的に仕事に取り組んでいるのも事実で。


「マサムネはソレで良いんですかぁ?」


「当人の意思次第でしょ」


「ところでお姉様方々の……」


「はい?」


「髪がカラフルですね」


「染めているからね」


 我ながら苦しい言い訳。


「ふぅん?」


 カノンは思案げだ。


 別にソレは良いんだけど。


「行方不明中は何してたのぉ?」


「特に生産的なことは何も」


 僕は薬効煙をくわえて、ライターで火を点ける。


 紫煙を吸って吐いた。


「未成年の喫煙は禁止ですよぅ?」


「タバコじゃないし」


「ハーブ?」


「近い」


 単に合法なだけ。


 吸った煙をフーッと吐く。


「それで? これらのお姉様方との接点は? どこで拾い申してきました? ぶっちゃけ悪い想像しか出来ないのですけど……ぉ?」


「拾った」


 端にして要を得る。


 そんな僕の言の葉でした。


「ハーレム?」


「かもね」


 否定も能わず。


「じゃあカノンお姉ちゃん? ゲームしよ!」


 イナフが口火を切った。


「ま、いいか」


 それが僕の本心だった。


 ぶっちゃけ、カノンさんとやらの心情は読めないし、読みたくもないけども……誠実で純情なのは把握でき、その上で悪意が無いのも加点対象。


 別にくだらないことには違いないけど、


「ヒロインはどう思っているのか?」


 その点に関せば、


「僕より正直かも」


 程度は思う。


 ところでツナデは今日帰ってくるんだろうか?


 あとでラインで聞いてみよう。


 そんなわけで、カノンさんが加わった。


 明日には隕石でも降るのかな?


 少し、そう思う。


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