表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
440/512

060 電気街の電気店


「ま、ある種原点に立ち返ったわけだけども」


「?」


「元々秋葉原は電気街だからね」


「ああ、そういえば」


 ネットで調べたらしい。


「自作パソコンとか作れる職人さんもいるんだよね?」


「職人っていうか趣味人だけど」


「趣味で?」


「好きこそものの上手なれ」


「にゃるほど」


 おい。


 さっきのメイドさんの口調がうつってるよ?


「パソコン……部屋に一台欲しいんだけど」


 さすがにパソコンは揃えていない。


 スマホと違って持ってなくても不利益にはならないし、それこそ既述の如くリテラシーの問題もあるし。


 まぁやっちゃって成長するのも近道ではあれど。


「ノートパソコンでいい?」


「うん。そこは任せる。にしても……」


「何か?」


「電車でも思ったけど人が多いね」


「繁華街みたいなもんだし」


「人口的に密集してるの?」


「その側面は確かにあるだろうね」


「日常的に?」


「以下同意」


「今日がお祭りだから集まってるとかじゃなくて?」


「平々凡々な日常ですよ」


「ふぅん?」


 たしかに異世界だったら祭りでもないとこの人数は有り得ないだろう。


 まず総人口が違う。


 その上で日本は人間が密集している。


 東京となれば尚更だ。


 いや、まぁ、上には上があるんだけど。


「で、ノートパソコンはどれがいい?」


「何か基準とかある?」


「うーん。基本最新を変えば良いんだけど、タブレットはまだ早いだろうし……」


 しばしパソコン売り場で考える。


「デザインで選ぶならどれ?」


「デザイン」


「色とかエッジとか」


「キラキラしたのが良いかな」


「じゃあそんな御様子で」


 意見に合うパソコンを幾つか見つけ、それぞれ打鍵してみる。


 意外とこう言うところで、相性が在ったりする。


 しばし叩いた後、さらに絞り込んで、フィリアに叩かせる。


「お姉さんで良いの?」


「フィリアが使うんだから、気持ちよく使える奴を選んで欲しい」


「責任重大?」


「いや、別に大した買い物じゃないし。ダメだったら買い直せば良いから。そんな緊張しないで気楽に横柄に構えて良いよ」


「とは言われても」


 ブラインドタッチは出来ないもんね。


 カチャ、カチャ、カチャ。


 不器用ながら打鍵する微笑ましいフィリア。


 ソレも慣れれば、速くなる。


 継続は力なり、だ。


 その意味でなら、フィリアにノートパソコンを持たせるのは案外良かった事例なのかもしれない……というのも、生活ツールとしてのパソコンの理解者は、多い方が安心もする。


 異世界ヒロインズにもパソコンには慣れて貰うつもりだけど、先駆けがフィリアなら……純朴に理性的と言えよう。


 ――中略。


「じゃあこれで」


 とちょっと大きめのノートパソコンが選ばれた。


 最新型だけど、値段は抑え気味。


 出せない額じゃない。


 ついで店員さんに運送を頼む。


 初期設定は……僕がやれば良いか。


「ところでフィリア?」


「はい?」


「パソコンを使うに当たって一つ言うけど」


「へい」


「何も触ってないのに壊れた……は無しだからね?」


「そんな無責任なこと言う人いるの?」


 いるんです。


 超います。


 本当に何も触ってないなら壊れません。


 特に最近のパソコンは。


 後はウィルス対策だけど、これは問題なし。


 某国の奴を買ってるし。


「パソコンか~」


「それでえろげえって何?」


 そこを引っ張るの?


「エッチなゲーム」


「ゲームってイナフやウーニャーがやってるような?」


「仕様は違うけど、大きな括りでは同じだね」


「エッチなゲーム」


「自慰行為の促進ツールだよ」


「あら。お姉さんがいるじゃない」


 正直シャレになっていない。


 フィリアは美人なお姉さんキャラだ。


「自慰なんかしなくとも」


「ま、シャドーボクシングには必要と言うことで」


「誘おうとしても処理しちゃうわよね。なんか予防線張られているみたいで残念よ? もうちょっと融通効かないの?」


 だって責任取れないし。


 南無三。


「お姉さんもマサムネちゃんに抱かれたら幸せよ。この前なんてドキドキどころかゾクゾクしたわ」


 それは光栄なる栄光で。


 慇懃に一礼。


「真摯な紳士なので」


「据え膳食わぬはっていうじゃない? お姉さんたちだって身体は持て余すのよ?」


 知ってる。


 本気でハーレム待った無しだ。


 どうしてこうなった?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ