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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
433/512

053 ラーメン


「らっしゃい」


 との声で出迎えられた。


 豚骨の匂いが充満している。


「凄い匂いだね」


「ガチ豚骨だからね」


 僕のお気に入りの店。


 突き詰めた濃厚豚骨に、背脂とニンニク。


 細麺がまたスープに絡む。


 お品書きを渡す。


「お兄ちゃんは何にするので?」


「ラーメンとチャーハンのセット。世の中にカロリーの多きこと。健康不全に於ける宵の一番星ですな~」


「らあめん……ちゃあはん……あ、唐揚げもあるんだね」


「とりあえずラーメンを食べるということで」


 ここで説明するわけにも行くまい。


 百聞は一見にしかず。


 論より証拠。


「じゃあそれで」


 そんなわけで、二人でラーメンをすする。


「パスタ……とはまた違うんだね」


「僕はこっちが好み」


 ズルズル。


 うん。


 こら豚骨ばい。


 というのは置いておき。


「そっちがチャーハン?」


「ですな」


「お米」


「を焼いた奴」


「良い匂い」


「食べてみる?」


「良いんですか?」


「別に誰も損しないし」


「では一口」


 レンゲで掬う。


 ハムリ。


「ふおお」


 感激の御様子で。


「油が使われてるのに……旨味が凝縮されてる。このパラパラ感は何だろう? 味付けも濃いめなのに食欲をそそるというか……」


 ナイス解説。


 実際美味しい。


 ラーメンをズビビ。


「美味しいですね」


「気に入ってくれてよかったよ」


「他の女の子も連れてきたんですか?」


「ツナデを除けばイナフが一番手かな?」


「光栄です」


「こちらこそ」


「にしても豚骨ですか……ニンニクは向こうの世界にもありましたけど……ここまで合致するのも珍しいですね。油だらけだから胃が辟易しそうなモノなのに、本能と食欲に訴えかけるよこれ……」


「実際お気に入りの店だし」


 ズビビ。


「こんな食事があるんですね」


「他にもいっぱいあるよ」


 懐石料理とか中華料理とか。


 欧州圏の料理は異世界にもあったけど。


「また連れてきて」


「相承りました」


 ズビビ。


 そして完食。


 脂っこい口の中をお冷やで満たす。


「この爽快感も店の予定調和ですか?」


「どうだろ?」


 そうかもしれないけども。


 はて?


 そんな感じで昼食をとり、


「ご馳走様でした」


 と勘定。


 二人で千円ちょっと。


 中々にリーズナブルだ。


「凄い体験をしました」


「美味しかったなら良かったよ」


「じゃあ帰ってゲームしましょう」


「その前に」


「?」


「コンビニでケアブレスを買おう」


 さすがにニンニクが利きすぎる。


 いや。


 ソレも混みで件のラーメン屋は美味しいんだけど、やっぱりマナー的には留意すべき点ではありましょうぞ。


「むにゃ?」


 とイナフ。


「まぁ息を整えるお菓子だよ」


「お菓子なの?」


「タブレット形式のね」


 買ってヒョイと口に含む。


 ついでにイナフの口にも。


「ふわ」


 こっちもまだついて行けならしい。


「何味?」


「ミント」


「みんと……」


 噛み噛み。


「なんだかお口リフレッシュ?」


「そんな感じで間違ってないよ」


「歯磨きとは違うの?」


「一応ね」


 歯磨きの習慣は付けている。


 特にイナフ。


 コーラとポテチの消費は此奴がトップなので。


「ふぅん?」


 タブレット噛み噛み。


 それにしてもラーメンの美味しゅうございましょうぞ。


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