048 リリアとお風呂
「うーん。絶品」
リリアの水着姿。
見たことはあるけど、それにしてもダイナマイツッ!
「マサムネ……視線が熱い……」
「わかってて聞いてるでしょ?」
「そうだけど……」
はにかむ水着姿のリリア。
ちなみにツナデ様には自重して貰っています。
場合によっては血が流れる……いやこの場合、誰の何処からはあまり明言したくもないし、あるいは流血に於ける穢れの存在がなんとも業が深いことだけど。
「クレープ……美味しかったね……」
「食べたかったら外に出れば良い」
ホケーッと。
僕は言った。
「お金は渡すし」
「いいの……?」
この場合は、
「僕が傍に居なくて良いのか?」
だろう。
「不安だから最初の内は付いていくけどね。でも百十番も覚えたでしょ?」
魔術が使えなくなったので、ある意味で一番無力……かもしれない。
フォトンでも、もうちょっとは自衛できるはず。
ま、別に問題も無いけども。
日本でそんなにトラブルには見舞われないだろう。
いや、まぁ、絶対とは言えないけど……何しろリリアは自覚が無いことと正比例して美少女だから……ナンパの一つや二つは有るかもしれない。
髪と身体を清めて、風呂に入る。
「本当に悟ってるの……?」
「何が?」
「一応……その……女の子として……」
「魅力的だよ?」
食べたくらいに。
まぁ言ってしまえば、ヒロイン全員が魅力的ではあるのだけど。
「えと……」
何か?
「キスしない……?」
「してもいいさ」
「頂いて……?」
「責任が取れるなら」
「じゃあ頂きます……」
唇に唇が重なった。
この文化は、世界が違っても同じらしい。
淫靡な音がした。
唾液の混ざり合う音。
口の端から零れる吐息。
チュ。
唇が離れた。
唾液が糸を引いていた。
その糸を、リリアが舐め取る。
性的な興奮。
欲情と呼ばれる本能。
「ドキドキしてる……」
うっとりとして、リリアは僕を眺めた。
オスを求めるメスの顔。
色々と思うところもあるのだろう。
「はあ……幸せ……」
それは重畳。
「安いね。リリアは」
「マサムネが……大好きだから……」
そして手を取られた。
ムニュッ。
フニュン。
脂肪の塊に、手を押し付けられた。
いや、さすがにリリアからセクハラを受けるとは。
「ドキドキしてるでしょ……?」
色んな意味で。
心臓の鼓動は伝わってくるけど。
こっちに自意はないんだけど、他のヒロインに見つかった場合はお百度参りのレベル。
「リリアは……抱かれたいんだけど……」
「成人するまで待って」
「したらいいの……?」
「この場合どう応えれば正解なの?」
「それは……」
他のヒロインについて考えているのだろう。
こう言うところはお人好し。
「リリアの心臓じゃ……ダメ……?」
「心臓っていうか……」
ほとんどノリは浅漬けの揉み具合。
柔らかで。
張りがあり。
弾力もあり。
手が幸せ。
何がとは言わないけども。
「マサムネが……好きにして……いいんだよ……」
「マジで恋する五年前」
「五年……」
いや。
冗談の類ですよ?
けれどこの心臓アーマーを諦めるのは、青春男子的には……放棄能わざる煩悩のカルマに綺麗に重なる。
「ダメ……?」
「その気になったらね」
「マサムネの……ヘタレ……」
「異論はありませんな」
はっはっは。
「他の女の子とも……?」
「今のところはね」
なんとか理性が勝っている状況だけど……こいつらの態度を見ていると、本気で襲っても大丈夫なんじゃないかと思わせる。
多分ヒロイン側にすれば、
「大丈夫」
と言うんだろうけども。
「なんだかなぁ」
「エロスの翼を揉みながら嘆息……? そんなにダメ?」
揉みしだくぞこの野郎。
ギュッと握力をかける。
「あん……っ!」
強く――を揉まれて、切なげな艶声が風呂に響いた。
うーん……イリーガル。




