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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
424/512

044 スーパーマーケット


「ふお……」


「何か?」


「凄い……ですね……」


「そう映るよね」


 朝食が終わって、着替えた僕ら。


 春用のコーデだ。


 一目で美少女とわかるリリア。


 高原のお嬢様風。


 ワンピースと鍔の広い帽子。


 先日買った服だ。


 見る人全てが振り返る。


 楚々として可憐なリリアだった。


「その……目立ってはいませんか……」


「だね」


「申し訳ありません……」


「リリアは可愛いから」


「えと……」


「髪の色は付属品。ぶっちゃけリリアが注目を集めているのは、それだけ可愛いから。僕なんか美少女の付随するおまけみたいなものだね。いや別に否定的な意味じゃないけども」


「リリアなんか……」


「否定しても客観的事実があるし」


 誰もがリリアに一目惚れ。


「あう……」


「そんなわけで、リリアは美少女だ」


「あう……」


 謙遜。


 卑下。


 リリアの得意技だ。


「それにしても可愛いよ」


 ギュッと手を握る。


 手を繋ぐ。


「あう……」


 だからソレは良いって。


 そして僕らは近場のスーパーに入る。


 ミカン。


 リンゴ。


 メロン。


 まず真っ先に飛び込んできたのは果実だった。


「これらは……?」


「フルーツ。樹の実とも言えるかな?」


 嘘は言ってないけど詭弁だ。


 刺身。


 肉。


 麺に御飯。


「あ……これは……」


 とリリアが興味を示したのはカップ麺だった。


 ズラリと並んでいる。


「こんなにたくさん……」


「買っていく?」


「備蓄は……ありますよね……?」


 それなりにね。


 実際好評だ。


 お湯一つで食事が賄える。


 その有用性は万人の認めるところ。


「このカップ麺……ですか……? 乾燥させた麺と……保存の効く汁……お湯を入れるだけで……元の姿を取り戻す……その意味では……凄い料理だと思います……。こんな高度な技術を……ここまで量産出来る……ものなのですか……?」


「実際にあるし」


 並ぶカップ麺を指し示す。


「そうです……けど……」


「カップ麺は嫌い?」


「いえ……先述の様に……凄いと……想います……」


「クエ鍋と比べればどっち?」


「クエ鍋……です……」


 正直で宜しい。


 というかコレでカップ麺を選ばれたら、


「どうしたものか?」


 のレベルだ。


 また別のフロア。


「野菜がこんなに……」


「珍しい?」


「新鮮な野菜は……向こうの世界では……珍しいですし……」


「運ちゃんに乾杯だ」


「うんちゃん……?」


「トラックの運転手」


「車ですか……」


「実際に見たでしょ?」


「はい……」


 自動車は道路を走っている。


 なら荷運びも出来ると言うことだ。


「何か買っていく?」


「えと……多分余らせてしまうので……」


 それは同感。


 ツナデなら、自分で食材を買って、全員分の御飯を用意するだろう。


 今までもそうだった。


 是からもそうだろう。


「これは何です……?」


 とは扉に閉じられた棚。


「冷凍食品。レンジで温めて食う奴」


「ああ……あのレンジで……」


「そ」


「担々麺とか……ありますよ……?」


「美味しかった?」


「刺激的でした……」


 それは重畳。


 僕としては他に言い様もない。


 ちなみにスーパーでもリリアは目立っていた。


 利休鼠の髪の色は……やはし目立つだろうし……何より純粋無垢な乙女であるリリアの纏う雰囲気も……確かにプラスに作用もするだろう。


「じゃ、次に行こう」


「どこへ?」


「ファミレス」


 僕はニヤッと笑った。


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