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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
419/512

039 服屋巡り


 ガラス張りの壁。


 天井。


 道行く人。


 その様々なファッション。


「ふおぉ」


 フォトンとしては驚かざるを得ないらしい。


 ちなみにちょっと目立っていた。


 深緑の髪は珍しい。


 地毛だけど。


 帽子で隠してはいるも、近付けばバレる。


 なおフォトンは愛らしかった。


 男の目を引く。


「なんだかな」


 ちょっと優越感。


 僕の功績ではないけども。


「こっちの世界は凄いですね」


「この程度ならまだ穏便だよ」


 パリコレとかに比べれば。


「じゃあ、服とか買っていいんですか?」


「構わない」


 僕はハンズアップ。


「ブランド物でも構わないよ。むしろそっちの方が良いかもね。フォトンの髪の色は……ある意味で常識を逸脱しているし」


「しょーがないじゃないですか」


「責めてるつもりはないよ。ただ此方にいるのは日本人が大半で。全員黒髪なんだ。必然フォトンの髪の色は目立つ。それだけで他意はないよ。誓って本当」


「異分子ですか」


「特殊だって事」


 もうちょっと言うなら、


「特別かな?」


「選民思想ですね」


「知ってる」


 けれど事実だ。


 フォトンの緑髪は珍しいけど、フォトンの可愛さは一級品だ。


 男なら誰でも鼻の下を伸ばす。


「そういうマサムネ様は?」


「僕は例外」


 可愛い女子が周りに多すぎる。


 そりゃ胃もたれもする。


「マサムネ様は純情すぎます」


「キープしてるだけだよ」


 それも誓って本当。


「悪役ぶるのはらしいですけどね」


「何か?」


「ぃぃぇぇ。何も」


 ――それで。


 とフォトンは言う。


「どんな服が似合うと思いますか?」


「適当に服屋を巡ろうか」


 そう相成った。


 綺麗。


 可愛い。


 華美装飾。


 服屋ではそんな服が取りそろえてあった。


「これなんてどうでしょう?」


 フォトンが手にしたのは薄手のジャケット。


 毛糸を等間隔で隙間空けた風を通す仕様だ。


「いいんじゃない」


「一万円もしますね」


「向こうなら銀貨五枚ってところ?」


「服一着に?」


「こっちの金銭感覚は加速するから」


 今更言っても始まらぬ。


「じゃあ着替えてきますね」


「ごゆっくり~」


 ヒラヒラと手を振る。


 中略。


「じゃん」


 ジャケットを着たフォトンが現われた。


「おー」


 オベーション。


 拍手喝采。


「可愛いね」


「えへへ……」


 愛らしく赤面するフォトンでした。


 帽子を被って何時もの如し。


「えへへ。マサムネ様」


「何か?」


「大好きです」


「僕もだよ」


「本当ですか?」


「さて、どうでしょう?」


 ちょっと意地悪な僕でした。


「けどこんな手の込んだジャケットを量産するって」


「こっちの世界では普通だけどね」


「凄いです」


「新しい発見でしょ?」


「はい!」


 溌剌とフォトンは笑った。


 それだけで僕は嬉しかった。


 それから服屋を巡って暇を潰し、気に入った服を買うフォトン。


 僕は荷物持ち。


 中々これでデートっぽい。


「僕で良いのかな?」


「何か仰いまして?」


 なんでもにゃー。


「さて、夕餉は何でしょう?」


「ツナデ次第では?」


「それだよね」


 ま、悪いように為らないはずだ。


 ツナデが僕の食事に手を抜くことは有り得ないし。


「他のヒロインにも着せてみたいです」


「ソレも良いかもね」


 いや、本当に。


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