029 ちょっとアウトな展開
「というわけで」
何が?
「今日はお姉さんとお風呂に入りましょう」
「うーん。犯罪の香り」
「いつもお風呂入れてあげてるからいいじゃない!」
確かに助かってるけどね。
世界を滅ぼすトライデントで湯を沸かしているのだ。
正確にはお湯を直接注ぎ込む。
電気代も水道代も掛からない。
ついで時間もかからない。
便利。
「南無三」
「こっちの文明も便利だけど、やはりお姉さんたちの文明の方が勝っている部分もありますね。トライデントはその証左です。尊敬して良いですよ?」
「すごいですねー」
「棒読み止めてよ」
「褒めるとつけ上がるし」
「いいじゃん。お姉さんだってマサムネちゃんに良く思われたいの」
「じゃあおっぱい見せて」
「おーきーどーきー」
「それを冗談と捉えられないから危惧してるんだけど」
「そんな意地悪問題提出しないでよ!」
おっぱいを見たいのは本当だけどね。
フィリアの身体は売れきっている。
自分を「お姉さん」と呼ぶ様に、肉体の成形はあまりに魅力的だった。
「うー……」
ジトッと半眼。
「マサムネちゃんゲイじゃないよね?」
「まぁ」
忌避するしないという以前に、事前知識を持っていない。
同性愛については疎い僕でした。
「なら興奮しないの? お姉さんのおっぱいを見て」
ムニョンと揺れる大きな房。
「禁断の果実だね」
「もぎ取って良いのよ?」
それはグロ画像になりはしまいか?
「既にシャドーボクシングで一仕事終えていますので」
だいたいヒロインと接するときは、性欲を事前に処理している。
「お姉さんなら幾らでも相手してあげるわよ?」
「その内ね」
一応、互いに水着姿です。
異世界からの伝統。
「夜も一緒に寝ましょうね?」
「構わないけど、何かした?」
「何が?」
「妙に積極的というか」
「ちょっとした嫉妬」
「にゃ?」
「んーと。お姉さんは他の女の子たちより、マサムネちゃんとのスキンシップが少ないなって思って。年上だから、コッチから甘えるのも悪手かな……って思ったんだけど、このままでいいはずもないじゃん? だから勇気を出して甘えてるの」
ギュッ。
抱きつかれた。
胸板に、フィリアのパイオツが押し付けられる。
禁断の果実。
「えい」
抱きついて密着したフィリアの背面に腕を回す。
抱き返そうかと思ったけど、予定変更。
お尻を揉みしだいた。
もみもみもみもみ。
ふっくらしていて、張りと弾力があり、けれど柔らかで、刺激的。
「あん。上手ねマサムネちゃん」
「自覚は無いけどね」
もみもみもみもみ。
「ちょっと癖になりそう」
「幾らでも揉んで良い……っていうかこのままじゃお姉さん……性欲昂ぶってマサムネちゃんを襲いそう」
「ソレは勘弁」
名残惜しいけど、お尻を揉むのを止めた。
さすがにアール十八指定は厳禁だ。
「あー、あったかい」
「風呂が?」
「マサムネちゃんが」
「体温はございますので」
「そう言う問題じゃなくて」
知ってる。
「僕もあったかいよ。心が」
「そうよね。そうよね」
嬉しそうなフィリア。
こんなところは年上ぶってない乙女顔で、すこし惚れ込みそうにも為る。
「ほら」
とフィリアは僕の手を取ると、おっぱいに持っていった。
ギュッ。
あまりにも柔らかい、マシュマロみたいな弾力。
「ドキドキしてるでしょ?」
心臓に辿り着く前に、性欲に溺れそうなんですけど。
もみもみもみもみ。
なんかオート煩悩で自動的に手が動く。
柔らかい。
温かい。
けれど幸せで、女性のおっぱいには夢が詰まっている。
「うふふ。お姉さんのおっぱいは気持ちいい?」
「正直なところ殺人的だね。童貞には鮮烈な感触」
頬を赤く染めて上気しているフィリアお姉さんの表情は蠱惑的で、肉食獣のように爛々と瞳は燃え上がっている。
その熱量は――もみもみもみもみ――僕がおっぱいを揉む数に比例して過激に炎を彩る。
「静まれ! 我が呪われし手よ!」
中二病の如く、おっぱいという魔に犯された手を鎮めようと腐心する。
そうでもしなければアール十八指定だ。
水着越しでもこの破壊力。
実戦だとどれほどの威力を放つのか?
「挟んで良いのよ?」
「顔?」
「それもいいわね」
いいのか~。




