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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
ある意味異世界観光
385/512

005 湯豆腐


「いただきます」


 とのことで、夕飯に。


「美味しいですね。このキノコ」


 フォトンは椎茸を気に入ったらしい。


 スーパーで売ってる原木椎茸だ。


 香りも大きさも値段相応。


「この豆腐……? 美味しい……」


 リリアもご満悦の様子で。


「キッチンの勉強もしないとねぇ」


「です」


 フィリア。


 ジャンヌ。


「ネギが大きい」


 イナフは其処に戦慄していた。


 しばらくよそって食べる。


「結局ツナデ様は何をしていたので?」


 ジャンヌが問うた。


「お仕事です」


「その若さで?」


「そう言いますよね」


 実際、あまり年齢は関係ない。


 実力の過不足が物をいう。


 そんな世界だ。


「ま、何とかなりますよ。実際に今までも肩代わり程度はしてきましたし。給金も良いので生活費には困りません」


「私たちに手伝えることはありませんか?」


「火力発電所にでも就職してはいかが?」


「かりょくはつでんしょ……」


 たしかにね。


 燃料なしで炎を生み出せるのだ。


 これ以上無い永久機関。


「それはフィリアにも言えるんじゃない?」


「かもしれませんね。実際のところ、トライデントの威力は破格を極めます。砂漠を緑に変えることも出来るでしょう」


「あー……」


 フィリアも考えているようだ。


 湯豆腐もぐもぐ。


「この国は平和なの?」


「前にも話した通り」


 ニュースを見ると戦慄するけど。


「なんだかなぁ」


 椎茸もぐもぐ。


「学校も行かなくて良いとなればどうしろと?」


「大学に行ってください」


「えー」


「お兄様なら大丈夫です」


 き、期待が重い。


「ところでコレ何?」


「白菜です」


 イナフの疑問にサラリとツナデ。


「シャクシャクして美味しいんだけど?」


「光栄に存じます」


 そのような問題でもなかろうもん。


 いいんですけどね。


「夕食後は?」


「ゲームでもしますか?」


「できます?」


「それはまぁ」


 僕も同意。


「というか全員分のスマホって用意できる?」


「たしかに必要ですよね」


「スマホってコレ?」


 フォトンが差し出した。


 解約されているスマホ。


「通話電話の手段は持っていないと不便ですし」


 はふはふと湯豆腐を食べながらツナデ。


「出来るかな?」


 イナフも疑心暗鬼を生じる。


 シャクシャク。


 白菜が気に入ったらしい。


「慣れれば然程でもないよ」


 別に気遣うわけでもないけども。


 それにしても、


「はあ」


 後で確かめることがある。


「人参。豚肉」


「何でも……揃いますね……」


 科学の勝利ですよ、君。


「店でかっさばいてるの?」


「流石にソレは」


 非効率的ですな。


「その内行くこともあるでしょうけど、色々揃っていますよ。食品から家庭品まで。ぶっちゃけ必要ない物まである始末です」


「コーラだっけ? アレは美味しかった!」


「炭酸飲料ですか」


「どゆ理屈?」


「二酸化炭素を封じただけですよ」


 ソレで伝わるなら苦労は無いわけで。


「ウーニャー?」


 僕の頭に乗っているウーニャーが、首を傾げた。


 ま、そうなるよね。


 白菜をシャクリ。


「お兄ちゃんたちにギャップはないの?」


「ちょこっと世界情勢は変わって申しますけど」


「だよねー」


「おかげで仕事に困らないのは助かるかと」


「政治家のスキャンダルも握っているし」


「屋敷内で言えば無法地帯ですよね」


 全く以て。


「ウーニャー!」


 税関無視も此処まで来れば腹筋崩壊。


 笑うしかない……とは正にこの事で。


「なにかお兄ちゃんが悪い顔になってる……。大丈夫? 何か企んでるの? ぶっちゃけた話……」


「誠心誠意の塊だよ」


 はい嘘一つ。


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