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忍術師と魔術師の異世界観光日和  作者: 揚羽常時
エピローグにしてプロローグ
380/512

こういう未来もあったらいい:後


「ん……」


 眼が覚めた。


 ダブルベッドに僕は寝ていた。


 一人では無い。


 隣にはツナデ。


 一応、道徳的配慮によって、いかがわしいことはしていない。


 神に誓って。


 ていうか『こっちの世界』に神は居ないけど。




『神を観測した世界』


『神を観測しなかった世界』




 エヴェレット解釈で、世界は、この二つに分けられた。


 そして今、僕らは後者に居る。


 巫女が神を観測しなかった世界。


 無神論を旨とする国民性の国家。


 色々としがらみも引っ張ってきたけど、その誰もが後悔はしていないらしい。


 とはいえ文明の進み具合が違うので、ある種の驚きは当初はあった。


 慣れれば対応も早かったけど。


 寝室のドアが開かれる。


「マサムネ様?」


 日本人では有り得ない深緑の髪。


 フォトンが入ってきた。


「朝食が出来ましたが……」


「ごめん。今起きる」


 欠伸をしながらベッドを抜ける。


「ツナデは起こさなくても?」


「まぁ別にベッタリする必要もないんじゃない?」


「コーヒーで良かったでしょうか?」


「感謝」


 言って僕はダイニングに顔を出す。


 既にヒロインたちは、顔を揃えていた。


 後刻ツナデもソレに混じる。


「マサムネ様」


 とフォトン。


「あう……マサムネ……」


 とリリア。


「お兄様」


 とツナデ。


「お兄ちゃん」


 とイナフ。


「パパ」


 とウーニャー。


「マサムネちゃん」


 とフィリア。


「マサムネ様」


 とジャンヌ。


「……………………おはよ」


 疲労の嘆息。


 とりあえず目覚ましのコーヒーを飲む。


 ところでウーニャーは、こちらの世界でもドラゴン魔術を使えるらしい。


 フィリアのトライデント。


 ジャンヌのパイロキネシス。


 皆々、神のいない世界でも……だ。


 何某かの理屈が在るはず。


「何故?」


 とは思う。


 幾つか仮説は持っているけど、此処で議論する必要も無いだろう。


 とりあえず、人間社会に適応させるために人化して貰っているけど、虹色の髪と瞳はどうしても悪目立ちする。


 ま、加当のお家は広いから、あまり対応に苦慮することもないけど。


 今はツナデが加当の後継者で家主だ。


 僕は、正当性がないけど、血が繋がっていないため、有力なツナデのつがいと目されている。


 というかツナデに限らず(ウーニャーを除く)ヒロインたちは、僕と関係を持とうと策略を巡らせているんだけどねん。


 嘆息。


 本音を語れば(a)ならまだ許容できる。


 けれども(b)や(c)の懇願は、僕の形而上における疲労を呼ぶ。


「なら(d)じゃなくて(e)なら良いのでは?」


 そんな提案をしてくるヒロインたち。


 頭の頭痛を痛めるのもしょうがない。


 ことほど左様に僕らは歪だ。


 義父と義兄?


 いわゆる(f)に旅立たれました。


 その後の手順も滞りなく。


 結果として、先述したようにツナデが家督を継いだのだけど。


 元が裏社会の管轄だ。


 実力があれば纏め上げることは苦にしない。


 僕の本気も、また加当の家のメリットとデメリットの判断に於いて、秤のこちら側へ傾かせる一因だ。


 まぁ光の国で色々とやらかした前科もあるしね。


 こっちの関係者には、意図不明だろうけど。


 朝食をあぐあぐと食べる。


 ヒロインたちが交代で食事当番を担ってくれる。


 収入の方も問題なし。


 というか忍の家系として、僕の能力は有益を超えていた。


 収支に於ける収入過多の状況だ。


 何せオーラの半径が十キロ。


 こと、


「その手の作業」


 においては抜群の成果を収める。


 異世界に行く前は義父と義兄の手前、全力を見せることはなかったけれども。


 一応確認はしたけど、フォトンは無限復元を失っていた。


 その一点に置いては喜ぶべきことだ。


 神の干渉の無い世界故、さもあらん。


 そしてツナデと僕の憂慮していたお家事情も……ご覧の通り。


 まさか失踪した不逞の息子が、ハーレムを連れて戻って来るとは、義父も義兄も思ってなどいなかっただろう。


 南無八幡大菩薩。


「お兄様?」


「何でしょ?」


「愛しています」


 不意にキスされた。


「「「「「あーっ!」」」」」


 他のヒロインたちが驚愕に声を震わせる。


 何とかならんかね……この状況。


 『幸せ』か『不幸せ』かなら、間違いなく前者なんだけど。


そんなわけで一旦ここで筆を擱かせて貰います。

完全に終了したわけではなく、此処から「元の世界でハーレムラブコメ」も面白いかなと思っていたりいなかったり。

ただ他に完結させるべき作品があるので「元の世界偏」の連載には時間をください。

ここまで読んでくださった読者の皆様。

賞賛、応援、叱咤、訂正、忠告の御言葉をくださった皆様。

ブックマークならびに評価をくださった皆様。

心からの「ありがとうございます!」で二重の謝辞表明とさせていただきます。

これらの喜びがあったおかげで、此処まで書ききることが出来ました。

もしよろしければ別の作品で再会できれば幸いです。


それではノシ

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