表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
351/512

鉄の国18


 中略。


 やって来ました六十階層。


 いい加減市場の縮小も目に見えて。


 冒険者の数も少なく。


 そろそろウーニャーの出番かな?


 そんなことを思う。


 食事を取りながらふと思う。


「白金のオレイカルコスって何処で取れるんだろね?」


 一応クエストとしてはそれが重要だ。


 クエストそのものを二の次としている僕に言われたくはなかろうけど。


「冒険者に聞いてみますか?」


「だぁねぇ」


 フォトンの意見も真っ当なのでそう首肯した。


 それからオーラで見るに一番強そうなパーティに接触してトランプに興じる。


 なんかトランプで無双している気がする今日この頃。


 ババ抜きを教えてパーティ四人にフォトンとツナデでプレイ。


 ウーニャーは僕の頭の上。


 僕は薬効煙を吸っている。


「白金のオレイカルコスって知ってます?」


 ババ抜きをしながらさりげに話題提起。


「まぁそりゃ知ってるけどよ」


 と冒険者。


「どこら辺で取れるかは?」


「九十階層以下だな。何だ? あんたらも狙ってるのか?」


「ということはそちらも?」


「ああ。繁栄祭の聖剣の材料だしな」


 そういえばそんな依頼でした。


 聖剣を打つための金属。


 それが白金のオレイカルコスだ。


「どんな金属でしょう?」


「見たらわかるぞ。本当に白金色に輝いてるから」


 にゃるほど。


 プカプカ。


「はあ」


 とカードを引くツナデ。


 完全にカードを把握しているためジョーカーはツナデの隣で止まったままだ。


 こうなるとツナデの隣に座っているだけでババ抜きでは多大な不利に陥る。


 説明するのも億劫だけど。


「後は王子の救出か」


 とは冒険者。


「もう死んでるんじゃないですか?」


 これはツナデ。


 不謹慎だが現実的でもある。


「ダンジョンに潜って帰ってこない」


 では論理的にそう捉えることに不思議は無かった。


 その点は他の冒険者も合意できるだろう。


「とはいえ遺体の回収もクエストの内だしな」


 そうだったのか。


 チラリとフォトンを見やる。


「…………」


 苦笑された。


 まぁそうなるよね。


 こちらとしては死んでいようが生きていようが関係ないのだ。


 フォトンの無限復元で幾らでも取り返せる。


 問題は王子の遺体の判別だ。


 薬効煙を吸って吐く。


「で、そのイオルの特徴は?」


「銀色の髪に整ったご尊顔だ」


 銀髪か……。


 それならわかりやすそうではある。


 何でも、


「鉄の国の王族は銀色の髪を王位継承権の一因とする」


 らしい。


 中々に面倒なシステムだ。


 当人らがそれで良いなら差し挟む口も無いけどねぇ。


「しかし王子が九十階層とは……」


 苦笑。


「おかげで仕事にありつけるわけだ」


 冒険者はカラカラと笑った。


 それも一つの事実ではある。


「ということはそちらさんも九十階層を?」


「ああ」


 頷く冒険者。


「ていうかこっちとしては兄ちゃんらがここまで来れた方が驚きなんだがな」


「腕に覚えがあるからね」


 煙をフーッと吐く。


「上がりです」


 早々にツナデがゲームから抜けた。


「強えなぁ」


 冒険者の苦笑。


「それにしてもこの……トランプ? おもしれえな」


「でがしょ?」


「ウーニャー!」


 そんな僕ら。


「本当に貰って良いのか? 然るべき場所で売れば大層な値が付くぞ?」


「まぁ元手がかかってないし商売する気もないしね」


 魔術で作っているので片手間作業だ。


 相も変わらずプラスチックの五行相剋属性がわかんないんだけど。


「太っ腹だな」


「恐悦至極」


 ヒラヒラと手を振る。


 薬効煙を吸う。


 煙が肺を満たす。


 うん。


 心地よい。


 とりあえず今日はこんなところだろう。


 キャンプ場で寝床を確保。


 トランプでパーティと語らい、時間が来れば寝る。


 おやすみなさい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ