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鉄の国10


 二十一階層。


 どうやら地下に行くほど広くなる仕様らしい。


 別に困るほどでもないけど。


 ここまで来ると急激に他パーティと出会うことも少なくなった。


 ダンジョンが広くなり、攻略者の数が減ったため、至極真っ当な論理だけどね。


 そんなわけでここからが本番。


 とはいえ特に苦慮する物でも無いけど。


「…………」


 タァンと銃声が鳴ってモンスターが死に至る。


 ハンドカノン。


 旧式の拳銃。


 コルトガバメント。


 その威力がダンジョンの威力を今のところ上回っている。


 概ねツナデが露払いだ。


 時折、


「ウーニャー」


 とウーニャーがドラゴンブレスを吐く。


 一瞬で滅却されるモンスターたち。


「さすが」


 と僕。


「サクサクいけますね」


 とフォトン。


「身も蓋もありませんね」


 とツナデ。


「ウーニャー!」


 ウーニャーは御機嫌に尻尾ペシペシ。


 なんだかんだでドラゴンブレスが強力すぎてある種の例外を除いて今まで戦闘に参加していなかったウーニャー。


 そう云う意味では此度、純粋に僕の力になれることはウーニャーにとっては喜ばしいことらしい。


「ウーニャー!」


 とウーニャー。


「役に立ってる?」


「十分すぎるほどに」


 僕は薬効煙を吸いながらそんな言葉。


 とりあえず天上も床も壁も破壊不能ではあるので指向性のある超戦力は決戦力に相違ない。


 そんな感じ。


 薬効煙をプカプカ。


 それからオーラを広げる。


 反則的ダンジョンマッピング。


 階下への階段を見つけてそちらに向かう。


 途中モンスターが湧くけどツナデが一蹴。


 銃が通用するのだからこの辺りはまだ穏便と言えるだろう。


 ドロップアイテムも出るけど、まぁ要らないね。


 白金のオレイカルコスの採取。


 並びに鉄の国の王子……イオルの救出。


 それがクエストだ。


 白金のオレイカルコスがどの階層で取れるのかは知らないけど、とりあえずは階下にあるのだろう。


 聖剣の材料。


 生半な冒険者に取ってこられるなら僕に依頼もしないだろうし。


 後は王子イオルの生死だけど……、


「何でしょうマサムネ様?」


「何でもにゃー」


 死んでいても無限復元が居るという。


 人材的にはマストだろう。


「キシャア!」


「ギシャア!」


 モンスターが襲ってくる。


「…………」


 タンタンと銃声。


 沈黙して土に還るモンスター。


 そして二十五階層まで降りる。


 オーラでマッピング。


「あー……」


 嫌な予感が的中した。


 階段は見つけた。


 が、その前に荘厳な扉。


 所謂ボスステージ。


 マッピング通りに道を進むと鉄の扉があった。


 そこでは冒険者が並んでいた。


 コレは織り込み済み。


 パーティ一個旅団しかボスステージには参加できないらしい。


 そんなわけで腕に覚えのあるパーティはボスに挑むために順番待ち。


 先のパーティがボスステージをクリアするか全滅すれば次のパーティが挑戦できる。


 なお逃げるのは不可能とのこと。


 僕が察知するにボスはトロールだ。


 回復力の高い亜人で脳をやらない限り銃撃でも殺害は難しい。


 筋肉が膨れあがっており、生半な剣では出血にも至らない。


 実際に挑むパーティの二割くらいは全滅していた。


「あんたらも挑むのか?」


 冒険者がこっちに興味を割いた。


 順番待ちの四方山話。


「それにしては……なよっちぃが……」


 まぁね。


 ソレね。


 頭のドラゴンはともあれ、僕とフォトンとツナデはスーツ姿だ。


 鎧も剣も携えていない。


「まぁ色々ありまして」


「まぁここまで来るくらいだから実力は買うけどよ」


 中々理解のある冒険者さんだった。


 比較的常識的なことを口にしてくれる。


 逆に新鮮だ。


 今まで絡んでくる連中ばかりだったから実は珍しい。


「おっと。次は俺らの番か。じゃあな。幸運を祈る」


 そう云って冒険者はボスステージに足を踏み入れた。


 ガコンと音がして重量のある扉が閉まる。


 そしてボスステージでの戦闘が開始されるのだった。


 ジーザスクライスト。


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