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武の国22


 次の日。


 朝食および昼食を城で食べた。


 和食だ。


 中々有り難い体験。


 武の国は一々僕にピントを当てる。


 今日は予選三試合。


 僕の出番は三試合目。


 これはくじの結果だ。


 別に運で勝ち残ろうとは思っていないためこれは宜しい。


 とりあえずゴロゴロ。


「選手の手合いを見なくても?」


 とはフォトン。


「まぁ勝てなかったら降参するまでだし」


「大丈夫なのお兄ちゃん?」


「どうだろ?」


 あまり自信に溢れているわけでもない。


「お姉さんが暗殺してあげましょうか?」


「止めてください」


 なんつー物騒なことを。


「でもトライデントなら物証を残さないわよ?」


 でしょうけど。


「ま、正々堂々戦うよ」


「むぅ」


「最悪フォトンがいるし」


「仮にマサムネ様が致死に届けば抑えきれないと思いますよ」


 何が?


 大怪獣の暴走に決まっている。


 フォトン。


 ウーニャー。


 フィリア。


 ジャンヌもここに加えるべきか。


 暴れ出したら誰も止められない特級戦力。


 マサムネ旅団が政略的な戦力を持つ基板となるヒロイン。


 別に武の国が滅ぶことはどうでもいいんだけどヒロインに悲しい思いをさせないためには僕は生き残らなければならないらしい。


 大鬼殺し相手に?


 そんな疑念が湧く。


 ゴロゴロ。


「ウーニャー!」


 とウーニャー。


「パパは頑張るよ!」


 さいです。


「なら大丈夫でしょうか?」


 首を傾げるフォトン。


「特に懸念すべきでは無いかと」


 これはジャンヌ。


 とりあえずある一定で僕を見切ってはいるらしい。


「精神的勲一等をあげよう」


 赤い髪を撫でてあげる。


 ジャンヌの赤い瞳が柔和に細められた。


「あう……」


 頬も同色に染まる。


「なんだか提案して申し訳ない気持ちだったのですけど……」


 今更なフォトン。


「ジャンヌを可愛がるなら少し後ろめたい感情も持ちますね」


 それも今更。


「まぁ暇潰しくらいにはなるよ」


 僕は目だけで苦笑した。


「なんならお兄様をツナデが援護しましょうか?」


「遁術で?」


「然りです」


「断頭台が近くなるなぁ」


「場合によっては首都ごと殲滅すれば良いでしょう」


「…………」


 本当に出来るから洒落になっていない。


 頬が引きつる。


「イナフも! イナフも!」


 万歳三唱。


 この場合は自己主張だろう。


「まぁ安心して見てらっさい」


 そもそも遁術が使えるなら苦労は無い。


 良いんだけどね~。


 もはや賽は振られたのだから、


「あーだこーだ」


 と云うには遅すぎる。


 戦って勝つことに意味があるかは置いといて、


「武の国を楽しむために武を以てする」


 はたしかにフォトンの云うとおり正しい観光の仕方なのだろう。


 そうも思う。


 別に痛い思いをしたいわけじゃないけど何事もなくというのも味気ないのは……まぁ事実だったり違ったり。


 閑話休題。


「マサムネ様はお強いですし」


 ジャンヌの言葉には確たるモノが。


 何が信頼の元かはちょっとわからない。


 単純に戦闘になればジャンヌの方が巧者なんだけど……。


 ここが武の国じゃなければね。


 剣による一騎打ち。


「なんだかなぁ」


 は既に言った。


「無病息災であれば良い」


 結局其処に終始するのだろう。


 ウーニャーとも約束したため、


「頑張る」


 ということに異論は無いけど。


 ゴロゴロ。


 畳を転がる。


「上がりです」


 大貧民はジャンヌが大富豪と相成った。


 世はなべて事も無し。


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