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武の国07


 次の日の朝。


 宿でもむもむと朝食を取る。


 とりあえず宿代が商人持ちであるため助かった。


「あー……」


 朝の訓練を終えて魚を食べ茶を飲む。


 この辺りは和の国の文化らしい。


 別に良いんだけど。


 とりあえずは馬車の護衛だ。


 食事を終えた商人は薬効煙を吸っていた。


 鎮静剤のようなモノだ。


 別に体に害はない。


 それについては語ったけど。


「異国の方ですか?」


 宿の店員が聞いてくる。


 僕とフォトンとツナデはスーツ姿。


 和服の多い武の国では珍しいだろう。


「ええ」


 とフォトン。


「旅をしていらっしゃるので?」


「ですね」


 ツナデが答える。


「何処かで見ましたね?」


「気のせいでしょ」


 これは僕。


 まさか賞金首とも言えない。


 別にバレたところでどうにもこうにもだけど。


 それからまた馬車に乗る。


 薬効煙を吸いながらホケーッと。


「ウーニャー!」


 尻尾ペシペシ。


「何?」


「パパは強いよ」


「今更だけどね」


「大鬼殺ししないの?」


「面倒」


「御前試合は?」


「まぁフォトンに頼まれれば出るしかないけど」


 薬効煙を吸う。


 フーッと煙を吐く。


「勝てるよね?」


「いやぁどうだろ?」


 これは本音だ。


 遠慮


 憂慮。


 謙遜。


 それらとは繋がっていない。


「何で!?」


「大鬼殺しと魔術や忍術抜きで殺し合ってもにゃ~」


 そういうことである。


 パッカラパッカラ。


 馬車は進む。


「ウーニャー……」


 凹むウーニャー。


 僕は薬効煙をプカプカ。


「どうするの?」


「温和に解決」


 超嘘つき。


 らしいっちゃらしいんだけど。


「痛い思いはしたくないしね」


 それは心底本音だった。


「パパは最強じゃないの?」


「ウーニャーが言う?」


「むぅ」


 唸るウーニャー。


「ウーニャー!」


 尻尾ペシペシ。


 後頭部が尻尾で叩かれる。


「ウーニャーはパパの味方だから」


「心強いよ」


「ピンチになったら吹き飛ばす」


「…………」


 仮にそうなったら僕の立場が無いんだけど。


 ま、いいか。


 馬車は進む。


 僕は薬効煙を吸う。


 特に立身出世に興味は無いけど、


「フォトンに言われちゃね」


 そういうことだった。


 最初から最後まで僕の味方であり続けた存在。


 何となくそんな気持ち。


「とりあえず残念には成らないように微力を尽くすよ」


「ウーニャー!」


 ウーニャーの声に喜色が混じる。


 尻尾ペシペシ。


 御機嫌の証だ。


「ウーニャーは可愛いね」


「ウーニャー!」


 まんざらでも無いらしい。


「何時でも何処でもパパの味方」


 先述したけど、


「偏に心強い」


 ソレは確かだ。


「ウーニャー」


 ウーニャーは人型になった。


 そして僕の胸の中に飛び込んでくる。


「えへへぇ。パパ……」


 頬をスリスリ。


 無論、他のヒロインが不機嫌になる。


 まぁ好きにしてくれ。


 心中そう思ってウーニャーの虹色の髪を撫でる僕であった。


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