表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/512

鬼の国23


 そして朝食。


 質素なモノだった。


 まぁ朝にステーキを出されても困るので順当ではあるのだけど。


「あ、あの……」


 言わずと知れたドール王。


「今日もまた……」


「鬼の国のマッピング」


 他に予定は無い。


「だ、大丈夫……なんですか?」


「特に問題も無いね」


「ふえ……」


 規格外については承知している。


 朝食をもむもむ。


「強い……ですね」


「何が?」


 ついでに誰が?


「う、ウーニャー様や……他にも……」


「業が深いだけだよ」


 別段、必要の無い能力でもある。


 生まれが生まれでなければ持つ必要の無い能力だ。


 すると今度は、


「フォトンに召喚されなかった」


 という未来もあるのだけど、


「あー……」


 まぁソレについての考察はしない。


「こ、今夜も……私の城に?」


「駄目なら別の場所を見繕うけど?」


「だ、駄目じゃ……ありません」


「なら良し」


「良いのですか?」


 とフォトン。


「ま、リップサービスだよ」


「十全に実行性が伴っていますが?」


 皮肉るツナデ。


「良いでしょ別に」


「お兄ちゃんは幼子に甘いね」


「可愛いイナフだしね」


「はぅあ!」


 イナフがキュンキュンした。


「マサムネ様?」


「お兄様?」


「マサムネちゃん?」


「マサムネ様?」


「…………」


 ガックリ。


 僕が何をしたよ?


 朝食をもむもむ。


「むぅ」


 とヒロインの総論。


「なんだかなぁ」


 僕はぼんやりと惚けた。


「結局お兄様はドール陛下に一定の好意を?」


「持っていないと云えば嘘になるけど」


 桃色の髪。


 桜色の瞳。


 愛らしく。


 オドオドしていて。


 自分に自信が無く。


 コミュ障。


 小動物的な愛らしさがドール王にはある。


「むぅ」


 とツナデが唸る。


「別にだからって紳士を崩したりしないから」


「あ、あう……」


 ドール王は真っ赤になっていた。


 どうやら色事には初心らしい。


 もちろん察するに難も無いけど。


「男慣れしていない」


 という以前に、


「人慣れしていない」


 が根幹だ。


 そもそも男女のお付き合いというのが夢想妄想の類だろう。


 国民を玩具にすることで心の安寧を得ている限り、コレを治す術は無い。


 悪いって言ってるわけじゃ無いけどね。


 朝食をもむもむ。


「とりあえずマッピングだねぇ」


「ですです」


「ウーニャー!」


「なぁに?」


「ドール王も連れて行けば?」


「足手纏い」


 返答までコンマ単位。


 というかドール王が望まないだろう。


「でしょ?」


「し、失禁する自信が……あります……」


 自分を信じると書いて自信。


 その通りだろう。


 ところでドール王の失禁した下着はオークションで売れると思うのだけど……その辺は皆様どんな意見でしょう?


 言葉にするとドン引きされそうだけど何となく。


 ていうかマサムネ旅団に男がマサムネさんだけってどゆことよ?


 本当に。


 本当ぅぅぅぅに今更だけど。


 朝食をもむもむ。


「とりあえず今夜の宿は此処で良い?」


「と、当然……です」


 はにかむドール王は抱きたいぐらい可愛かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ