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神の国14

「空間破却にて光の国に行ってもらえますね?」


「正直面倒です」


 あっさり言うな~。


 まぁ真実だけど。


「ライト王はフォトン様に会いたがっていましたぞ?」


 そんなゴッド王の言葉に、僕が追従する。


「まぁ別に減るもんじゃないし行けば? こっちには僕とツナデとイナフとウーニャーとフィリアがいるんだ。一国を相手にして勝ちきれる戦力だしね」


「ああ、それは困ります。ライト王はフォトン様とマサムネ様だけを召喚するように言っていた。他の人物はその間こちらで歓迎させてもらいます」


「それが通じるとでも?」


 切れるような眼差しでツナデが言った。


「お兄ちゃんとフォトンお姉ちゃんだけって……どう考えても不穏当でしょ!」


 イナフが言う。


「ウーニャー!」


 ウーニャーはペシペシと尻尾で僕の後頭部を叩く。


「マサムネちゃんやフォトンちゃんだけって云うのも……ねぇ?」


 フィリアも納得しかねるようだった。


「じゃあこうしよう。」


 僕が提案する。


「僕とフォトンが空間破却で光の国に戻る。僕の連続活動時間は一週間だ。つまり何かしらの思惑があってライト王が僕とフォトンをはめたとしても一週間は抵抗できる。もし一週間経っても僕とフォトンが再び神の国の王城に戻らなかったら……その時はツナデとイナフとウーニャーとフィリアで光の国に進行……というか進攻……というか進軍……というか攻め入る……というかともあれ光の国に喧嘩を売ればいいんじゃない?」


「つまり一週間でケリをつけると?」


「そういうことだね」


 ツナデの疑問に僕は首肯する。


「というわけでウーニャー」


「ウーニャー?」


「僕の頭から離れる」


 諭すように言うと、


「ウーニャー! や!」


 拒絶された。


 あらら。


「お兄様……せめてツナデだけでも護衛に連れていってくださいませんか?」


「ツナデは僕の強さを知ってるでしょ?」


「じゃあイナフ!」


「足手纏い」


「私ほどなら問題ないわよねぇマサムネちゃん?」


「フィリアは攻撃の規模が大きすぎるから却下」


 三者三様にお断りさせてもらう。


「「「むう……」」」


 ツナデとイナフとフィリアは不満げだった。


 実際のところ良くも悪くも足を引っ張るメンツだ。


 一人の方がよほど気楽に危機に対処できる。


 少なくともツナデはそのことを知っているはずなのだ。


 言いふらすことでもないけどさ。


「はい。ウーニャーも聞き分ける」


「ウーニャー!」


 絶対僕の頭から離れないと力を込めて僕の後頭部を尻尾でペチペチ。


「困ったなぁ」


 いや、対処できないわけじゃないんだけど。


 仮に危機に陥ったとして、ウーニャーが頭に乗っていては全力を出しづらい。


 光の国の王都は大陸最西端だ。


 あまり戦争の危機を知らない空気である。


 僕の見たところ、ね。


 害意を持つ人間に対して殺戮で返答することに異議は唱えないけど、ウーニャーがいなくてもソレは可能だ。


 少なくとも僕には。


 むしろ気がかりを作る方が問題。


 ウーニャーのドラゴンスケイルが木火土金水光闇の全てを弾く強固な鱗であることに反論の隙はないけど、さりとて連れていくメリットを感じるほどでもない。


「どうしたものか……」


「ウーニャーも連れてって!」


 どうしたものか……。


「やれやれ」


 と呟く。


 まぁ強硬手段に出ればいいだろう。


 それよりも、もう一つ案件がある。


「ああ、そうだゴッド王……」


 わざとらしく僕は話題を変える。


「何でしょうか?」


「ブラッディレインがこの国にいるかどうか僕とフォトンが帰ってくるまでに調べておいてくれませんか?」


「ブラッディレインを……ですか?」


「はい」


「何ゆえ?」


「まぁ色々ありまして」


 言葉を濁す。


 ベラベラと喋ることじゃない。


「私からもお願いします」


 フォトンが頭を下げた。


 ゴッド王は、


「うむ」


 と小気味よく頷いてくれた。


「神の国でのブラッディレインの動向を調べておきましょう」


「お手間かけます」


「ありがとうございます」


 僕とフォトンは感謝を述べる。


 そして僕は想像創造をすると、


「闇を以て命ず。空間破却」


 世界宣言。


 僕の頭に乗っているウーニャーがツナデの頭に移る。


「ウーニャー?」


 それを見届けてからポンとフォトンの肩に手を置き、


「闇を以て命ず。空間破却」


 僕は想像創造および世界宣言によってフォトン共々空間破壊性結果論転移をした。


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