〜プロローグ〜
目の前を見ると、暗くて黒くて、少し不気味で、でも可愛いリボンなどがある城がたっていた。 ああ…またか…。毎晩この夢がでてくるから、もう夢だってわかる。それくらい何回も見るこの夢。 私は、白の扉を開け、ただ広い廊下を走る。夢だってわかるのに、なぜか、あの向こうに行きたいと願う自分がいる。廊下の横には無数の扉がある。でも、そんなのどうでもいい。ずっと向こうの扉を…開けるため…。その扉は大きくて、美しい蝶が飛びかう模様が、描かれている扉だ。そして、その扉が近づいてきた。勢いよく開けると…、そのさきには、丸い赤いカーペット、そのさきには、黒色の広くて丸い階段。その上には…ベースが黒くて、ピンクのレースがかかてある椅子がある。それに座っているのは…黒いみつ上げのくつ、とてつもなく美しい夜空色の、蝶とリボンのかかったドレス、顔がよく見えないけどほんのりピンクの、唇とほっぺ。髪は金色のおろしで、先が少しクルンっとなっている。いかにも姫っぽい人。私には関係ないのに、なぜか気になる。あの子を、あの淋しい城から連れ出したい……。いつもそう思うの…。夢の世界の姫を……。
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