第九話
やっとこさ完成しました!!作者の体調と仕事の噛み合わせが悪く中々執筆に時間かかりますが途中では投げませんので皆様優しい気持ちで待ってください( ;∀;)
騎士団の面々と生き残った冒険者の内重傷者を最優先に治癒し続けて二時間が経過しやっと終わったのであった
「ふぅ………流石にかなり魔力使ったな……結構すっからかんだぞ…」
「お疲れ様ですセイヤさん」
治癒魔法の使用にかなりの集中力と魔力を使った為ボルク王子の天幕で休息させてもらっていた
ボルク王子の天幕には俺、レイラ、ソフィーが居る
今レイラがお茶を用意してくれたところだ
「ありがとうレイラ……ボルク王子と災害迷宮の方はどうだ…?」
「はい、ボルク王子は騎士団共々、現在迷宮の入り口に布陣して出てくる魔物を封殺しています……流石は筆頭騎士団ですね、体躯の大きい魔物やジャイアントスパイダー、ジャイアントスコーピオンに対しては魔法、ゴブリン、コボルドには筆頭騎士団自慢の近接戦で仕留めています」
「お兄様の指揮も的確ですわね」
「後は突入したSランク以上の冒険者達の活躍次第か…………」
突入した冒険者達は二時間経過した今でも迷宮からは出てきていない
余程複雑なのかそれとも深いのか……どちらかだろうと言うのがボルク王子とギルドの受け付け担当をやっていたレイラの見解だ
「セイヤ君、大変な事になった……大至急迷宮に潜って貰いたい」
「なにがあったんだ、ボルク王子……?」
「ボルガ公爵の長男…ゲイル・ボルガ殿が第二騎士団約5000を率いてこちらに向かっている……向かっている理由は簡単だよ…セイヤ君を不敬罪で捕らえるんだそうだよ」
「どういう事ですかお兄様!?」
「彼は公爵家……つまり俺が何かしらで倒れた場合には彼が王位継承者だ……そして彼はソフィーを利権と強欲な瞳で見ている、いわば狙っているんだよ…」
「…ギルドでソフィーがゲイルを拒否した時傍に俺が居た…その上アレだけの数の魔物を始末した俺がボルク王子やソフィー第二王女の傍に居れば驚異となる……だから排除する、と言う事か……」
「そう言うことだ……理解が早くて助かる、だから大至急迷宮に入ってほしい……出来ればコアを回収してくれると擁護しやすいね」
「…アンタはしっかり王子だよ……」
邪悪なまでに黒い笑みを浮かべたボルク王子とゲイル・ボルガをどう料理してくれようかと殺気を放つセイヤにセイヤを排除しようとした公爵家にどういう制裁を加えるかとレイラとソフィーが考えていたのだった
そしてゲイル・ボルガの手から逃れる為にソフィー、レイラ、セイヤの三人は装備を確認しボルク王子と共に迷宮の入り口へと向かったのだった
「此処からだよ、ゲイルは俺が一時間は止めておく……後は功績を挙げてくれよ?」
「了解した……頑張って取ってくるよ」
「それではお兄様、行って参ります」
迷宮の入り口に布陣している騎士団の方々に頭を下げボルクと軽く挨拶を交わし俺達三人は災害迷宮へと突入したのだった
災害迷宮:第一階層
入り口から入った時は洞窟の壁ではあったのだが今はまさに迷宮的な壁で内部はそこそこ明るいのだ、50メートル先が見えるほどにはっきりと明るい
出てきている魔物はゴブリンとコボルドが大体6〜7匹で固まって動いている奴等だ、それをソフィーは腰に掲げていたレイピアを抜いてまるで舞うようにスピード感ある戦い方で殲滅、レイラは魔物を視認と同時にファイヤーボール、ウォーターカッター等魔力を抑えながらも威力ある魔法を放ち撹乱し俺がコンヴィクトを振るい一気に殲滅していくのだった
テンポ良く魔物を倒しながらも先に進み現在第三階層に到着している
景色はまるで変わらないが階層を一つ降りるごとに魔物の質が変わってきているのが良く判る
第二階層ではオーク、オークの亜種にあたるブルオーク、オークウィザード等若干面倒だが基本的には変わらないのであっさり片付けれた
しかし第三階層に到達した時に冒険者達と出会ったのだ
オーガはともかく上位種であるレッドオーガや凶暴性に特化したバーサークオーガ等単体でも苦戦必須な奴等に加えミノタウロスが居るのだ
「流石にデカイだけはある…か…ソフィー、レイラ…体力の方はどうだ?」
「私は問題ありません」
「僕も、魔力も体力も充分あるよセイヤさん」
「なら押し通るか……行こう!!」
冒険者達に話を聞いたところ五階層に行けば休む場所があるとの事なので強行突破で行く事に決めたセイヤは戦闘を回避するためにソフィーとレイラを抱えて一気に迷宮内を疾走する
余談ではあるがレイラとソフィーは顔を赤らめながらも嬉しそうに抱えられつつも蹴りだけでオーガをぶっ飛ばすセイヤに若干の呆れと諦めを感じていたのだった
第四階層にはジャイアントスパイダーやジャイアントスコーピオン、更に上位種や亜種にあたる巨大な黒蠍、ブラックスティンガー、ブラックスパイダー等々猛毒を持つ蜘蛛や蠍が出てくるがセイヤはその背中を踏み台にし時にはサッカーの様にブラックスパイダーを蹴り飛ばして離れた場所に居るブラックスティンガーに激突させる離れ業をやってのけつつまさに強行突破をしながら第五階層へと到達することとなる
第五階層
強行突破の末第五階層へと到達したセイヤ達三人が眼にしたのは一面広がる大平原であった
レイラは勿論、ソフィーも一度は迷宮に潜ったことがあるため動じては居ないがセイヤは初めての事である
迷宮と言う閉ざされた空間の中に空があり太陽が照らしそよ風が気持ちの良い見渡す限りの大平原が階段を降りた先にありセイヤは二人を降ろしてしばし呆然となっていたのであった
話には聞いていたがこりゃ凄いな……
気配探知には何も引っ掛からないから休息するなら今しかないと考えたセイヤは直ぐ様野営の準備に取りかかった
テントを張りアイテムボックスに入れた焚き火をする為の枯れ木を組み合わせて火種を魔法で作り焚き火をセット、ソフィーとレイラには先にテントに入ってもらい休むように伝えつつセイヤ自身は水筒と食事の準備をして待機する
だが此処で敢えて言うならばこれはセイヤだから出来た事であり他の冒険者に出来るかと言われればまず不可能である
第一に災害迷宮は災害と言われるだけあって内部はかなり広大であり最短距離で下に降りる階段を見つけ出し到着するまで最速でも一時間はかかる、これは魔物を討伐しながら進む上、常に警戒し個人ならば周囲の索的、警戒、食事の用意、罠の有無の確認等々多岐に渡る内容をこなさねばならない
複数で来る場合は分担が可能だがやはり突破するには迷宮内部で数日から深さによっては数週間かかる状態もありうるのだ
閑話休題
セイヤは現在二人が休息を取っている間に武器の手入れを行う事にした
まず狭い迷宮内でよく使うであろうフルンディングを鞘から抜いてアイテムボックスから研ぎ石と不純物を取り除いた純水を入れたビン、それから不要な布を用意する
桶に純水を入れて研ぎ石をセットし研ぎを開始する
約三十分かけて研ぎ直しを終えて布でフルンディングの刃をを光に照らし刃零れがないのを確認してから鞘に納め、次にアスカロン、バスタードソードよりも肉厚な剣を鞘からゆっくりと肉眼で確認し丁寧に研ぎ直す
それから桶に入った水を捨て研ぎ石と桶をアイテムボックスへと放り込み両腕に着けている冥王の籠手を外し錆が無いか等を点検し整備し直す
同じように鎧とマントも外しほつれがあればアイテムボックスから必要な素材を出して修整を加えて丁寧に直していく
これはあののほほんとした管理者がまさに鬼のごとくセイヤに仕込んだ鍛治スキルであり自分の装備は自分で整備してこそ超一流と言う考えの元へばったセイヤに回復薬を叩き付けて徹底的に仕込んだ成果である
ただしドワーフの様な伝説クラスの武器や防具を作る事も整備する事も不可能だ
ドワーフ固有のスキルがありいくら管理者と言えどベースが人間のセイヤに付与する事は出来なかったのが実情である
ちなみにこの時のセイヤは上半身裸で下は布のズボンのみである、そして用意したテントの入り口から二つの視線がセイヤを見ているのを気付いては居たが敢えて触れないようにしていたのだった
セイヤは決して鈍感な男ではないがはいそうですかとその好意に答えるような貞操観念の薄い男ではなかった為、今は未だ様子見をしておこう、相手は大国の王女と見目麗しい少年だと考えていたのであった
テント側
僕はレイラ、猫人族の巫女をやってる一族の息子です
隣で瞼を見開き武具の整備をしているセイヤさんをガン見しているのは僕が勤めるギルド支部のある国、グラビリアン王国の第二王女様です
僕と第二王女様がずっと見ているのをセイヤさんは気付いてるみたいですけど何も言ってこないのでずっと見てます
「あの腕、背中……ちらりと見える腹筋と胸筋……ただの筋肉の塊じゃなく理想的なまでの鍛え方……」
「はい……羨ましいくらいです…」
「お顔は不細工でもハンサムでもありません……むしろ目付きの怖い普通顔……なのに何故でしょうか……こうもあの腕に抱き締められたいと思うのは……」
「……申し訳ございません第二王女様……僕男なんですけどセイヤさんになら……抱き締められても良いです……」
「……良いわ…レイラ、貴方側室になりなさい……私が正妻よ……あの方の力は一国では収まらないわ……付いていかなければあの方はどんな女を引き寄せてしまうか判らないの……レイラ、私と手を組みなさい」
「…判りました…第二王女様……次に機会が有ればセイヤさんを……」
「ふふふ……そうね……既成事実さえ作ってしまえば……ふふふっ…」
テントの中で二人が黒い笑顔を浮かべて機会が有れば既成事実を作り上げ迷宮突破後の事まで考えているとは流石のセイヤも考え付かなかったのであった
それから約六時間後
アイテムボックスに入れていた肉やら野菜を調理したは良いが何が気に食わなかったか本格的に調理器具を出して料理スキルが無いくせに必死になってなにかを作り上げていた時であった
五階層であるセイヤ達の居る大平原に冒険者達が到達してきたのである
「……お前何者だ……!?」
「俺はDランク冒険者のセイヤ・サカジマだ、ギルドカードを見せるから矢を射たないでくれ」
そう言うと上半身裸のままのセイヤがアイテムボックスからギルドカードを出して降りてきた冒険者達へと投げ渡す
「……確かに、確認出来た……俺達はSランクのクラン流れ者だ」
「流れ者……冒険者らしいな…」
「そうだろ……で、そっちのテントの方は……?」
「ギルド職員と第二王女様だ……済まないが護衛の任がある為一定の距離を保たせてくれると助かる」
「……なんとまぁ大変な……」
何故か同情されるような眼でこちらを見られたが一応は大丈夫だろう
余談ではあるがクラン流れ者はギルドではかなりの実力者集団で人数は六名
大盾と大斧を持つドワーフ
長剣と多彩なスキルを持つ人間の剣士二名
精霊魔法と通常魔法、一部ではあるが古代語魔法を操り弓の腕もかなりのモノと言われるエルフ
更には敵を撹乱し時にはその力でなぎ倒す虎人族
回復や索敵等を平然とこなす完全後衛の人間の魔法使い
計六人で各地の災害迷宮を三つ突破した全員が男性の実力者集団である
休日は全員が酒場か娼館へと行くのも知れ渡っている程に昼も夜も活動的なクランである
はい中途半端(笑)ごめんなさいm(__)m そして1万アクセス突破!!皆様ありがとうございます( ;∀;)
次はもう少し早めに書けるように頑張ります!!