第八話
皆様遅くなって申し訳ない、今回は短い上戦闘もスゴくあっさりです、伏線の回収所か増やしてしまうダメ作者です、現在体調を崩してまして中々うまいこと書けてませんがお許しください
いきなりだが簡潔に纏めよう
たまたま護衛依頼を受けていた冒険者達が王都とバミューダ交易都市を結ぶ街道を馬車で移動中に大量の魔物に遭遇しこれを死に物狂いで撃退、しかし一時は凌いだ魔物が草原のど真ん中に出現した洞窟の入り口の様な場所
つまり災害迷宮を視認し冒険者達が半分に別れる事となった
強行突破し王都に向かう組、バミューダ交易都市まで戻る組と別れて行動を開始したのが発端だ
王都とバミューダ交易都市とは大体1000キロ近く離れてはいるが間にいくつかの宿場町や迷宮都市が存在し冒険者ギルドには災害迷宮出現時に緊急対応用の転移魔方陣が用意されている
これを用いてバミューダ交易都市の衛星都市とも呼ばれる古代迷宮都市バーミリオンから大量の高ランク冒険者を呼び集めることに成功するのである
そして王都へと強行突破した商人と冒険者はギルドへと駆け込みテイラーを通じて王へと話が伝わり直ぐ様筆頭騎士団が出撃と相成ったのであった
しかし此処で誤算だったのは集まった冒険者の数でも騎士団の強さでもなく溢れ出る魔物の数であったのだ
冒険者達と騎士団勢揃いし約3000名が包囲するように近付くと万を超えるゴブリンの大群が迷宮から溢れ出し次いでコボルド、オーク、オーガ、ジャイアントスパイダー等々ゴブリンの数には劣るが数千から数百近い数がとどまることなく湧き出したのだ
騎士団も冒険者達も魔法を使えるものは広範囲殲滅魔法や古代語術式魔法を唱えて迎撃はするものの物量には敵わず徐々に押され始め冒険者側には死者、騎士団側にも重傷者多数の被害を出すも魔物の軍勢は勢い衰えず湧き出し続ける事となる
筆頭騎士団総帥ボルク王子が指揮し続け自らも手傷を負いながらも戦い続けた為、これでも被害は抑えられたそうだ
そして今バミューダ交易都市より増援として送り込まれたSSSクラスの冒険者数名が突撃を仕掛け魔物を撹乱し迷宮外に溢れだしていた半数以上を殲滅しているため冒険者、騎士団両方の一部を交代制にして休息を取らせているそうだ
単純に冒険者側は集まった500人の内250が死亡、100が重症、150が軽傷だが疲労困憊
騎士団は2500の内1000が重症、1500が軽傷だが魔力の枯渇と疲労で戦闘不能と言う危機的状況だ
「事情は把握しました、では取り敢えず殲滅に参加しそのまま迷宮へと向かいます」
「……死ぬかもしれないよ…?」
「死んだらその程度です、ですが最大限命は大事にします、ソフィー様とレイラが居ますからね」
「頼もしい限りだよ……では任せたよセイヤ君」
「はい、それではいってきます」
セイヤは話を聞き終えボルク王子と笑顔で会話しまるで散歩でも行くかのように片手を上げて戦場へと足を踏み入れたのだった
「ソフィー、レイラは一度此処で待っててくれ」
「何故ですか……?」
「単純な事だソフィー……無駄に数が多いから減らす、ただそれだけだ」
そう言うとセイヤは返答も聞かずに地を蹴り空中高くへと飛び上がり落下の瞬間に風魔法で自らを更に上昇させつつ無数に蠢く魔物の中で縦横無尽に暴れまわる複数の冒険者達を視認し一気に魔力を練り上げる
「飛べぇぇぇぇぇ!!!!!!」
真下の奮戦する高ランク冒険者達へと叫びつつ自らが管理者と共に考え編み出した魔法と魔法を組み合わせた複合魔法を詠唱を破棄した上で練り上げた魔力を右腕へと一気に集約させ、自らに気合いを入れように雄叫びの如く気合いの声を発し
「メテオォォォ……アァァァァァァァァァス…クラッシュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
自らの体に重力魔法を掛けて落下スピードを増加させ加速した状態で地面に向けて拳を突き出し土と炎の魔法を高速落下しながら混ぜ合わせていく
そしてセイヤに気付いた高ランク冒険者達が一気に魔物を踏み台にして空中高くへと飛び上がった直後にまさにミサイルが着弾したかのような勢いでセイヤが巨大な円形に固まる魔物の軍勢の中心部に着弾する
セイヤの拳が地面に着弾した瞬間に拳で練り上げられた土と炎の魔法が解放され地中に約10メートルの地点へと突き進み一気に爆発を起こす
そしてセイヤの着弾した場所から円形に500メートル近くの地面が一気に崩壊し地中にあった岩は砕け固まっていた無数の魔物をまさに蟻地獄の様に引きずり込んでいく、そうなると後は勝手に魔物同士が折り重なり押し潰され勝手に自滅していくと言う図式が出来上がるのであった
「チッ……魔力がかなり持っていかれたか……」
膨大な魔力を持つセイヤからしてかなりと言ってはいるが数字にして約20万ほどである、これは宮廷魔導師が十人近く集まり一時間に及ぶ集中をした上で初めて発動可能な広域戦略魔法に匹敵する程だ
「土と森の精霊よ、少しだけ力を貸してくれ………プラントテンタクル」
足元に魔力を集約させると木の根の様な触手が地面の中に万を超えるほどの触手を放ち押し潰されて死んだ魔物やまだ辛うじて生きている魔物の首に巻き付き崩壊した地中から引きずりあげてとどめをさしていくのだが見た目ややる行動が容赦も躊躇いも無いため空中に浮遊している高ランク冒険者達と周りを警戒していた騎士団の面々はまさにドン引きしている
例外としてボルク王子、ソフィー第2王女、レイラは別の視点から見て有効だと考えていたのだった
「まぁ……こんなもんだな…」
災害迷宮である草原に出来ている洞窟の入り口を睨み付けつつもまずはボルク王子達と話す方が優先かと冷静に判断し地を蹴って高く飛び上がり待たせているソフィーとレイラの元へと向かうことにしたである
「おかえりなさいセイヤさん!!」
「素晴らしいお力ですわ」
笑顔で飛び付いてきたレイラを抱き留め穏やかに笑みを浮かべるソフィーに出迎えられるも周りには騎士団が顔をひきつらせながらセイヤを待っていたのだった
「君は本当にDランクなのかを疑いたくよ……ソフィーからステータスを聞いていなかったら信じられないほどにね」
「これでも結構無理してるんですよボルク王子……で、これどうします?」
「討伐証明なら必要はないよ……僕達が証言しよう、遠慮なく埋め立ててくれ」
「畏まりました……」
ボルク王子とお互い苦笑いを浮かべたまま言葉を交わし結論が出たと同時に振り返り自らが作り出した崩れ落ちたクレーターを見下ろし片手を真横に振るとクレーターが震動し万を超える樹木の根が蠢いていく
更に上空に飛び上がっていた冒険者達が各々好機と見たか蠢く樹木の根を避けて岩盤や割れた大地に着地すると同時にあれほどの混戦の中戦っていた筈なのに何処にそんな体力があるのか嬉々として洞窟の入り口まで移動し次々に飛び込んでは洞窟の中に消えていくのだがそれを見ながらセイヤは呆れる事よりも元気な奴等だと苦笑いを浮かべるしかなったのである
「精霊、力を貸してくれ……」
セイヤが呼吸を整え穏やかな声を土の精霊と森の精霊達にかけつつ体から大量の魔力を放出していく、その姿を見てレイラ、ソフィー、ボルクはやはりステータスでは量りきれない人物だと考えを新たにし、周囲を固める騎士達は万が一敵に回せば命は無いと怯え、冒険者達はセイヤを取り込めないかと思案を巡らせていた
そして数分もすれば大地は元通りとなりあれだけの破壊があったとは思えないほどに綺麗さっぱり片付けられたのであった、ただし戦闘中に死んだ冒険者の遺品や遺体は樹木の根を動かしていた精霊達によって騎士団の天幕近くに並べられている
これはセイヤが気遣ったのもあるがボルク王子からの要請があったために精霊にお願いしたのであった
ちなみにだがあれだけの魔物や魔獣は樹木の養分となったとだけ言っておく
現在セイヤは騎士団と共に天幕近くにて膨大な魔力にモノを言わせた治癒魔法を行使している真っ最中である
ボルクからは問題ないと言われたがセイヤからは足手まといや万が一の撤退時に邪魔になると容赦なくボルクからの言葉を切って捨てて治癒魔法をかけていたのであった
「…ソフィー…もしかして彼………わざとかい?」
「えぇお兄様……挑発的な言動ですが万が一の時、殿を勤めるおつもりですわ」
「まぁそうだろうね……彼は冷酷ではあるけど以外にお人好しな所があるみたいだ……」
遠慮する騎士達に治癒をかけているセイヤを眺めた王族二人がそんな会話をしつつも軽傷の冒険者達数名と騎士数名を馬車に乗せて王都へと向かわせていた
これはギルドと王に現状報告をするためではあるがこれが後に騒動を起こすことになるのだが王族二人も、その力を発揮したセイヤ自身も気付く事は無かったのである
ごめんなさい(苦笑)今はこんなのでお許しください