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廃屋に潜む、闇の中  作者: 秋原かざや
第1部 本編
1/11

一人ぼっちになりました

 じめっと暑苦しい夜。

 こんな夜は、クーラーをつけて、アイスを食べて、涼むのが一番だ。

 だけど……私達はそうはしなかった。


「ちょ、ちょっとーっ!! これ、マジないんだけどっ!!」

 気が付けば、私は懐中電灯片手に、一人だった。

 真っ暗な通路。

 崩れたコンクリートの壁。

 そして、目に入る落書き。


『死ね』


「きゃあああああああっ!!」

 しかも赤い字でだよっ!!

 マジですか? マジですかっ!?

 ばたたたっと駆けながら、奥へ向かう。

「みんな、何処なのーっ!!」

 泣きながら、頼りになる懐中電灯を握り締める。

 本当、一番大きくて、明るい懐中電灯、買っておいてよかった。


 そう、私達は5人グループでここに来ていた。

 暑苦しいからって、こんな廃屋みたいな……ある意味ムード満点な(私はこんなムードいらない)鉄筋コンクリートで出来た大きな建物の中に入っている。

 そう、いわゆる肝試しってやつだ。

 しかも……ここ、曰くつきらしく……ううう、ぞくぞくしてきた。今は思い出さないで置こう。

 そんな中、私は……一人はぐれてこんなところに、いる。

 ここに来る前に、メンバー人数分の懐中電灯を途中のホームセンターで買っておいたのだ。

 みんなは意外とコンパクトなものを選んでいたけど、私は違う。

 電池がなくなれば、手回しで充電できるし、ライトも強い。ついでいうと、蛍光灯もついてたりする。

 みんなが大げさだって言ってたけど、今はこれが頼りだ。

 かなり明るくて、一人でも……うん、一応……平気、たぶん。

 でも、それでもやっぱり。


「誰かー助けてよーっ!!」


 叫ばずにはいられない。

 だって、私……こういうの苦手なんだものっ!!

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