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17輪目 白き日の決戦(前編)

お久しぶりです。連絡もなしにまたも休んでしまい、申し訳ありません…書くのをやめるつもりは一切ないので、暖かい目で見守っていただけると嬉しいです

ハナの体調不良もすっかり治り、今年の終わりが近づいてきた。季節は冬真っ只中。外にはしんしんと雪が降っており、窓を覗くと一面に雪景色が広がっている。雪自体はすっかり見慣れてしまっているため、なんの特別感もない。けれどもここ数年でこんなに積もったのは、今年が初めてだったと思う。

「あるじあるじ、真っ白だよ!外で遊ぼうよっ」

シロは窓の外を眺めながら、目を輝かせている。雪なんて、雨となんら変わりないのに、どうしてこれで遊ぼうという思考になるのか。しかし尻尾をぶんぶんと振っていて、どうしても遊びたそうだ。

「......たまにはハナと遊んでくれば?」

「私とですか?いいですよっ、行きましょうか」

「ううん、あるじと一緒に遊びたいのっ!」

ハナがおいでと言わんばかりに手を差し出したのを、シロはあっさりと断った。

「そうですよね、わかってましたよ......どうせ私なんて......」

シロと住み始めてからだろうか、ハナの落ち込み方が段々とめんどくさくなってきている。しかし当然、私もこういうことにはすっかり慣れていた。

「......わかった、ならハナも一緒に行こう」

「ご機嫌取ろうとしなくていいです、別にっ!」

「......そういうのじゃなくて。私がハナと一緒がいいだけだから」

大体こういうふうに言っておけば、機嫌を取り戻してくれる。否定こそしたものの、やっていることはご機嫌取りとそんなに変わらない。しかし私の言ったことが嘘というわけじゃない。私は確かにハナと一緒がいいし、その方が落ち着くのだ。私も変わったな、と思う。

「そ、そうですかっ?ヨミノさんがそう言うなら......」

私の予想通り、ハナは顔を赤くしてもじもじとしている。

「......単純」

思わず小さな声が漏れてしまった。

「え?なにか言いました?」

きょとんとしている顔を見るに、聞かれてはいなかったようだ。そのことにほっとし、胸を撫で下ろす。

「......別に、なんでもない」

「はなも一緒に遊ぶんだよねっ、早く外行こうよ!」

今か今かと待ちきれなさそうにしているシロを横目に、ハナに手を差し出す。

「......ほら、行こう」

「......!はいっ」

そうして外に出て、雪の積もった地面を歩く。一歩、また一歩と進むたびに、雪が音を立てる。

「わぁ、すごいよあるじっ、ざくざくなの!」

シロはそれが楽しいのか、意気揚々と足踏みをしている。私には、何が楽しいのかさっぱりわからないが。

「ふふっ、シロが楽しそうでよかったです。というか、これだけ着込んでもやっぱり寒いですね......」

そんなハナの服装はというと、かなり厚着をしている。コートにマフラーに手袋、ありとあらゆる防寒着なるものを身につけているような気がする。私はあまり感じないが、その格好を見るに、相当寒いのだろう。

「ヨミノさんもシロも、よくそんな格好でいられますね......」

「シロは知らないけど......私はあんまり感じないから」

そうは言ったものの、私の体は昔より寒さを感じるようになってきていた。それでも少ししか感じないし、支障はないが。

「ダメですよ、風邪ひいちゃいます」

「......前にも言ったけど、別に私は風邪なんてひかないから」

「それでも、です!気持ちの問題ですよっ」

ハナはそう言うと、自分が身につけていたマフラーを取って、私の首に巻きつけた。ハナの細く綺麗な首があらわになる。

「いや......何してるの?」

「ふふ、どうですか?少しは暖かいですか?」

そのマフラーは、先ほどまでハナがつけていたため、少しだけ温もりが残っている。だからだろうか、ほんのちょっとだけ暖かくなったような気がした。

「......少しだけ」

「えっ、ほんとですかっ!?よかったですっ!」

その心底嬉しそうな笑顔に、気がついたら目を奪われている。うまく言い表せないこの気持ちは、なんなんだろうか。

「ねーねーなんのはなし?ボクも混ぜてほしいのっ」

「ヨミノさんとシロが寒そうな格好をしてるって話です。ほら、シロもどうぞっ」

「わっ、手袋?はな、ありがとうなの!」

「どういたしまして。二人が暖まってくれれば嬉しいです!」

シロが渡されたのは、もこもことした手袋。こんなものまで用意していたとは。さすが、用意周到なだけある。

「......そういえば、遊ぶって言っても、何するの?」

「ボクは楽しかったらなんでもいいよっ」

「それなら、雪合戦しましょう!」

「「雪合戦?」」

シロと声が重なる。雪合戦という言葉を初めて聞いたため、それがどんな遊びなのかは見当もつかない。おそらくシロも同じなのであろう。

「雪合戦というのは、こうやって......えいっ!」

突然かがみ込んで何をするかと思えば、雪を握って投げてきた。

「わふっ!?」

すかさず避けると、すぐ後ろにいたシロの顔に直撃した。

「こういう風に、雪玉を作って投げて遊ぶんです!当たったら負け、みたいな感じでっ。簡単でしょう?」

「面白そうっ!ボクやりたいの!」

「じゃあ、ヨミノさん対私とシロのチームでやりましょうか!流石にヨミノさんは強すぎるので、それくらいがちょうどいいですよね?」

チーム戦と言うなら、確かに私一人が妥当だろう。シロがいつも通りのままだという前提はあるが......

「......わかった、それでいいよ」

「シロもそれでいいですか?」

「あるじに当てればいいの?わかった!」

うまく話がまとまり、ハナの言ったチーム分けで雪合戦をすることになった。そもそも玉を投げることなんてないから、ちゃんと当てられるかわからない。

「そうだ、せっかくですし、負けた方は何か罰ゲームをしましょう!」

「「罰ゲーム?」」

またもや初めて聞く言葉が出てきた。『罰』という単語が入っている時点であまり良い言葉じゃないことは予想できるが、どうなんだろう。

「はいっ、罰ゲームっていうのは、負けた方が何かペナルティを受けるってことです」

「ねぇあるじ、ぺなるてぃ?ってなに?」

「......ペナルティっていうのは、なんというか......いわば悪いことをした時の罰ってこと」

「ばつ!?遊びに負けるのって悪いことなの......?」

それは確かにその通りだ。しかし私が言ったような重いものじゃないだろう。ハナにも考えがあってのその提案だと、私は踏んでいる。

「ふふっ、悪いことじゃないですよ。でもせっかくなら、何かあったほうがスリルがあって面白いだろうなって思ったんです!」

「......その罰ゲーム、内容は決まってるの?」

私がそう言った途端、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの表情をした。

「もちろんですっ、罰ゲームの内容は——『負けた人が勝った人の言うことをなんでも聞く』なんてどうでしょうか!」

......その言葉に、私は嫌な予感しかしなかった。

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― 新着の感想 ―
ヨミノちゃんがだんだん感覚を取り戻しておじさん嬉しいよ❤️雪合戦はヨミノちゃん1人は可哀想だからおじさんが入るね❤️もちろん罰ゲームはおじさんのいうこと聞いてもらうよ❤️
ヨミノちゃん❤に感覚が戻ってきてよかった❤ハナちゃん❤と一緒が良かったり目を奪われたりしてるヨミノちゃん❤を見て息子も大変喜んでいます❤罰ゲームで何をさせるのか気になる❤
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