奇妙な受験
食料自給率が10%を切り、人口が1000万人を下回り、国力が低下した日本。
義務教育では9教科の内の、国、理、英、音が除外され、卒業後は高校にも行かずに農場や工場で働くことを強制される。
頭脳明晰だが世間知らずで扁平足のため持久力のない少年、北海 輝月は肉体労働職に就くことが出来ず、協調性も欠けているため、就職することが困難だった。
そんな中、学費が全て免除される私立高校を見つける。筆記試験では見事合格したが、「最終試験」の存在を知らなかった。
試験者同士で戦い、最後に生き残った者だけが合格、という内容の。
北海 輝月は悩んでいた。
今の自分には、就ける職業がなかったからである。
体力もなければ協調性も無い。現在の日本の職業は、90%が肉体労働だ。ほとんどの者は高校には行かず、中学を出たら就職する。
残りの10%の頭脳労働も、主にAIの開発や整備、改良などだ。
人と関わるのが得意ではない北海は、就ける職業が見つからなかった。
今のところは親戚の支援と、残った金などで生活する予定だが、いつ止まるかわからない。
ある日、未来都市を謳う市内の実験都市で新しい高等学校が建てられたと聞いた。ノー勉で受験し、余裕で合格した。
ところが、初めて知ったことがあった。試験はまだこれで終わりではないのだ。最終試験があるというのだ。
北海は、メールで送られた説明書を読んだ。
【全体ルール】
・この試験は、限られたエリアで殺し合い、生き残ることを目的とする。
・受験者は全部で87人である。
・受験者は、闘技ビルまたは鋼の城の中になくてはならない。
・試験は14日で終了とする。
【合否】
・この試験は、生き残った受験者を合格とする。
・「ルールに違反した受験者」および「試験監督を攻撃した受験者」の合格は無効となる。
・誰一人死亡しなかった場合、全員が不合格となる。なお、再募集にてもう一度受験することはできる。
【退場】
参加者は、ルールに違反した場合や、続行不可能なほどの重症を追った場合、退場となる。
退場となった参加者は、治療を受けたのち、自宅に送られる。
【支給品】
・受験者は学校から、食料(7日分、水を含む)と、腕時計と「武器」「首輪」「マップ」を支給される。
・腕時計には、「時刻」と「日付」、必要な情報がホログラムで表示される。
・首輪には、爆弾および麻酔針が内蔵されており、禁止エリアに入った場合や首輪を外そうとした場合、爆破される。また、禁止事項違反を犯した場合、麻酔針が打ち込まれる。
・受験者は、首輪を外してはならない。
・他の受験者から支給品を奪っても構わない。
【支給武器】
・受験者はこれらの武器からランダムで一つ、支給される。
・サバイバルナイフ
刃渡り10cm、鋸刃付き、柄頭はハンマー代わりにもなる。
・ワルサーP38
装弾数8発(支給される弾丸は20発)
・防護盾
銃弾をある程度は防ぐことができる。
・金属バット
重さ約650g
・斧
ステンレス製、約3kg
・防弾チョッキ
銃弾をある程度は防ぐことができる。
・防刃ベスト
刃物による攻撃に耐えることができる。
・ピコピコハンマー
殺傷能力はほぼない。
・フォーク
尖っている
・定規
30cm、プラスチック製。
【禁止事項】
・受験者は建物の設備を壊してはならない。
・受験者は不要物を持ち込んではならない。
・受験者は受験者以外を攻撃してはならない。
・受験者は禁止エリアに指定された場所へ、入ってはならない。
・
※新しく指定された場合は、2分以上いてはならない。
・禁止事項を破った受験者の首輪は爆発する。
ルールを読み終わった北海は、スマホを閉じようとする。が、新しいメールが届く。
追加ルール
【武器注文】
・受験者は以下の条件に従い、武器を注文することができる。
・注文する武器は、「支給武器」および、他の受験者と被ってはならない。
・万が一被った場合、被った受験者の支給武器はなしとなる。
・「毒ガス」、「爆弾」、「核兵器」、「搭乗できるもの」は、無効となる。
これらの条件に従っていなかった場合、なんの武器も配られない。
(これはありがたい・・・)
北海は策を考える。




