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怖くなんかないもん

作者: Zero

夕暮れ時に男の子が一人でお留守番。

徐々に暗くなる空と聞こえてくる色々な音。

でも、怖くなんかないもん。

もうお兄ちゃんなんだから。


※ホラーとして書いたつもりはありませんが、内容的に怖く感じる可能性もある作品となっています。

 そのため、子供への読み聞かせ等の場合は時間帯等にご注意ください。

夕方頃に、一人でお留守番。外は少し暗くなってきた。

でも、怖くなんかないもん。

だって僕はもうお兄ちゃんなんだから。

ママが帰ってくるまでの少しの間、一人でお留守番しているだけ。

リビングで遊んで待っているだけなんだから。


そしたら突然、他の部屋からガタガタ ギイギイって音が聞こえる。

でも怖くなんかないもん。きっと窓が揺れている音だろう。

僕はそのまま遊び続けた。


そしたら今度は、ピチョン ピチョンって音が聞こえる。

でも怖くなんかないもん。どこかの蛇口を閉め忘れただけだろう。

僕はまた遊び続けた。


そしたら今度は、ブーン ブンブンブンって大きな音が聞こえる。

でも怖くなんかないもん。外でバイクが走っていた音だろう。

でももう外は真っ暗。ママ、早く帰ってこないかなぁ。


そしたら今度は、カツン カツンって誰かの足音が聞こえる。

更に、どんどん大きな音になって近づいてくる。

でも怖くなんかないもん。僕はお兄ちゃんだから。

そう思いながら近くにあった人形を抱きしめた。


しばらくしたら、カツン カツンって足音が止まった。

でもそれは僕の家の前でだった。

抱きしめていた人形をもっと強く、ぎゅっと抱きしめた。

そして『ママ、早く帰ってきて!!』って心の中で叫んでた。


そしたらガチャって玄関のドアが開いた。

ママが帰ってきたんだ!

僕は人形を放り投げて急いでママのもとにいき、抱き着いた。

さっきの足音はママの足音だったんだ。

すぐにママに抱き着きに行ったのだって、別に怖かったからじゃないもん。

だって僕は、もうお兄ちゃんなんだから。

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