【完結】理想の美女７人に愛される生活。ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。《書籍化》

第１６章 主人公をロックオンした美女たち

096 メラニィさんとセーラさんの関係

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　１８日目　ＡＭ　１０：００　朝

《２日に一度の会議：　偶数日の予定、本日。

　一番権利者：　冬香。》

　真々美の執務室で会議が行われていた。

　　　　　　［モニター］

　　　真々美　　　　　　　シュウピン

　冬香　（まるいテーブル）　メラニィ

　　　オルア　　　　　　　　セーラ

のように座っていた。

真々美

「えー、さっそく聞きにくいことを聞きたいのだがな？」

　真々美は、メラニィとセーラを交互(こうご)に見た。

　セーラは意見を言えない、聞く権利(けんり)を得(え)ただけの立場なので、メラニィが答えた。

メラニィ

「真々美様？

　なんでしょうか？

　わたしとセーラに関係するようですが？」

真々美

「あ、ああ。　その、な。

　シュウピンさんとメラニィさんが仲良くしていることは分かるのだが、メラニィさんとセーラさんが、どれくらい仲が良いのかが気になってな。」

メラニィ

「セーラは後輩(こうはい)ですから、先輩(せんぱい)として面倒(めんどう)を見るために、助言(じょげん)を聞き入れてもらえる程度(ていど)には仲良くしているつもりです。」

真々美

「そうなのか？　それは良いのだが？」

　真々美は、冬香を見て助けを求めた。

　シュウピンは、真々美の様子を見て、ピンときた。

シュウピン　こころの声

『わたしとメラニィのように、お布団の中で仲良くするくらい仲が良いかどうかを聞きたいみたいね。』

メラニィ　こころの声

『質問の意味が分からないな。

　まあ、冬香様の解説(かいせつ)を待てばいいか。』

セーラ　こころの声

『仕事の関係としては仲良くしてくださっているけれど。

　プライベートでの交流(こうりゅう)はないわね。

　職場(しょくば)を出たら他人(たにん)という関係が心地(ここち)良いけれど。』

冬香

「真々美？　わたしだって聞きにくいわよ。

　ねえ、オルア？」

オルア

「真々美の質問って、

　　　職場を出た後に食事に行ったことはあるかな？

ですか？」

真々美

「ああ、かなり近いぞ。　オルア。」

メラニィ

「セーラは職場で、かなり私に気を遣(つか)って疲(つか)れているはずです。

　だから、プライベートまで干渉(かんしょう)するべきではないと考えています。」

セーラ　こころの声

『仕事以外での交流がなくても大丈夫と思うのだけれど、ちがうのかな？』

冬香

「メラニィさん。

　それも１つの正解なのだけれど、真々美が聞きたいことは、ね。

　うーん、どう言うべきかなあ？」

冬香　こころの声

『姉妹関係の儀式の中身については、機密事項(きみつじこう)だから言えないわね。

　そもそも姉妹関係の儀式って、セクハラ（性的な嫌がらせ）に近いわよね。

　オルアが受けてくれて、本当に良かったわ。

　アリムには、感謝(かんしゃ)しても感謝(かんしゃ)しきれないわね。』

シュウピン

「発言してもいいですか？」

真々美

「よろしく頼(たの)む。シュウピンさん。」

メラニィ

「シュウピンは、わかったのか？」

シュウピン

「ええ、わかったわ。

　真々美様と冬香様のように仲良くしているか？

　冬香様とオルア様のように仲良くしているか？

　つまり、メラニィとセーラの姉妹関係が成立しているか？

を真々美様は聞かれているのよ。」

メラニィ

「セーラのことは、妹分(いもうとぶん)として仲良くしているぞ。

　なあ、セーラ。」

セーラ

「ええ、メラニィさんは、お姉ちゃんのように良くしてくださいます。」

真々美

「そうか、それは良かった。」

　真々美は、冬香を見ていた。

冬香　こころの声

『たしかに、困(こま)るわね。

　どうしようかしら。』

シュウピン

「真々美様、冬香様、わたしたちは姉妹関係の儀式というものがあることは知っております。

　しかし、儀式の内容については知らされていません。

　ですから、冬香様とオルア様の姉妹関係の儀式が、長年成立しなかった理由も見当(けんとう)がつきません。

　ご存知(ぞんじ)のように、メラニィはわたしと非常に仲良くしてくれています。

　メラニィとセーラも、おなじように仲良くして欲しいという意味でしょうか？」

冬香

「そのとおりよ。

　ただ、希望であって、強制(きょうせい)はできないのよ。」

真々美

「シュウピンさんの推理力(すいりりょく)には、助(たす)けられているな。」

オルア

「そういう意味なの？　真々美？」

真々美

「そういう意味なんだ。　オルア。」

メラニィ

「いくら真々美様でも、それは過干渉(かかんしょう)ではありませんか？

　簡単に言えば、余計なお世話です。

　余計(よけい)な口出(くちだ)しをするなです。

　セーラとわたしは、職場の人間関係としては良好です。

　同じ職位(しょくい)の同期ならば気をつかわないで済むから仲良くするべきでしょう。

　しかし、職場の上下関係を、プライベートまで持ち込むことは賛成(さんせい)できません。」

セーラ　こころの声

『うんうん、その通りです。

　メラニィ様。もっと言ってください。』

真々美

「うーん、どこから説明を始めようか？」

　真々美は、しばらく考え込んだ。

◇

真々美

「たとえば、冬香の場合、わたしが一番大事にする女性は冬香だということを分かってくれている。

　２番目に大事にする女性は、オルアだ。」

冬香

「そして、オルアの場合、わたしが一番大事にする女性はオルアだということを分かってくれているわ。

　２番目に大事にする女性は、オルアがサブシスを決めたときね？」

オルア

「ということは、メラニィさんが一番大事にする女性がセーラさんだと思える証拠(しょうこ)のような、なにかが必要(ひつよう)ってことですか？」

真々美

「その通りだ。

　そして、シュウピンさんとメラニィさんの間にも、証拠のようなものが存在(そんざい)しているように思っている。」

シュウピン

「それがなにかは言えませんが存在します。」

メラニィ

「わたしがセーラを一番大事に思っていると信じられる【なにか】を、セーラにプレゼントしろということか？

　それは構わないが、1回限りか？　それとも継続的(けいぞくてき)にか？」

冬香

「継続的にです。

　美味(おい)しい食事を提供(ていきょう)するようなものと考えてください。」

シュウピン

「真々美様は、冬香様に、どれくらいの回数をプレゼントされていますか？」

真々美

「少なくとも２日に１回かな？」

冬香　こころの声

『最近は、ね。

　１８日前までは、ゼロだったわよね。』

真々美　こころの声

『埋(う)め合わせしていきますので、おゆるしください。

　冬香様。』

冬香　こころの声

『今夜はアリムから愛情をもらうから、明日の夜を楽しみにしているわ。』

メラニィ

「とすると、わたしの場合は、シュウピンとセーラに交代(こうたい)でプレゼントする必要があるのですね。

　セーラは、わたしからプレゼントをもらいたいか？」

セーラ

「もらえるなら、よろこんでもらいます。

　ですが、２日に１回は大変ですね。」

オルア

「一番の目的は、メラニィさんとセーラさんの間に割り込もうとするひとたちを排除(はいじょ)することよね。

　わたしだって、冬香とわたしの間にだれかが入ってきたら、腹が立ってくるわ。

　セーラさんは、メラニィさんとセーラさんの間に誰かが割り込んできたり、仲たがいをさせようと作り話を言いふらしたりしても耐(た)えられますか？」

セーラ

「こころ穏(おだ)やかではいられませんね。

　わたしは、シュウピン様とメラニィ様に守られているような状況(じょうきょう)ですから。」

冬香

「セーラさん、分かっていないようだから念押しするけれど、セーラさんも対価(たいか)をメラニィさんに払(はら)う必要があるからね。もらうだけの Taker(テイカー)になったら駄目(だめ)だからね。」

シュウピン

「プレゼントと対価がなにか分かりましたが、セーラは立場的には拒否(きょひ)できませんから、事実上の強制(きょうせい)になってしまいます。」

セーラ

「わたしが継続的に差し上げられるもので、メラニィ様が欲しいと思われるものがあるのなら差し上げます。

　ですが、金銭的な負担(ふたん)でしたら、シュウピン様とメラニィ様に対する尊敬(そんけい)の気持ちは消えてしまいそうです。」

メラニィ

「シュウピン、なんとなく分かった。

　冬香様、わたしとセーラの関係は、冬香様とオルア様の関係と似ている気がします。

　合っていますか？」

冬香

「正しいわ。」

メラニィ

「冬香様とオルア様の場合は、どちらから求められたのですか？」

冬香

「わたしがオルアを求めたわ。

　口説(くど)き落とすのが大変だったわ。

　かなり強引(ごういん)だったかもしれない。」

オルア

「強引だったわ。」

メラニィ

「セーラとわたしの間に誰も割り込めないように、セーラのなにかを求めて、セーラから対価を受け取る必要があるのですね。

　そして、それは、カセイダード王国の国益(こくえき)に関係しますか？」

真々美

「国益に関係する。

　もし、冬香とわたしがケンカしたり、シュウピンさんとメラニィさんがケンカしたら、カセイダード王国チータマルム支国(しこく)は、壊滅(かいめつ)して、滅(ほろ)びるだろうな。

　冬香とオルア、メラニィさんとセーラさんがケンカした場合、支国が滅(ほろ)びることは無くても、機能不全(きのうふぜん)になって、国民の生活に悪い影響(えいきょう)がでるだろう。」

シュウピン

「そうでしょうね。

　だからこそ、わたしたちを仲たがいさせて、めちゃくちゃにしようと考える連中に見せつける必要があるのですね。

　絶対に入り込む隙間(すきま)がないと分からせる雰囲気(ふんいき)づくりが、メラニィとセーラに必要なのですね。」

真々美

「その通りだ。」

メラニィ

「このような大事(だいじ)な議題(ぎだい)があるときに、絵美様はどうされていますか？

　なぜ、欠席(けっせき)されていますか？」

真々美

「絵美は、ほかに用事があってな。

　ただ、メラニィさんとセーラさんの仲については気に掛(か)けていた。」

メラニィ

「そうですか？

　この件は、シュウピンとセーラに相談(そうだん)してから返事したいです。

　日数をもらえますか？

　それでいいよな、シュウピン。」

シュウピン

「ええ、そうするべきね。

　セーラも、こころの準備が必要だから、日数があるほうが良いはずよね。」

セーラ

「はい、その方が助かります。

　そして、プレゼントの内容についても相談(そうだん)に乗って欲しいです。」

メラニィ

「ああ、それでいい。

　セーラには拒否権(きょひけん)がある。

　拒否されたからと言って、わたしは態度(たいど)を変えたりはしない。

　ただし、安全防御壁欠陥(セキュリティホール)になってしまうことが不安だな。」

セーラ

「わたしが拒否しそうな内容ですか？」

メラニィ

「わからない。

　ただし、わたしが冬香様からプレゼントをもらって対価を返すときが来たら、迷(まよ)わない。」

シュウピン

「わたしも、真々美様が相手なら、迷わないわ。」

メラニィ

「ただし、わたしは真々美様や冬香様のように素敵(すてき)な女性ではないから、セーラは迷うだろう。」

セーラ

「ますます分からなくなりました。

　会議が終わってから、お時間を割(さ)いて頂けますか？」

メラニィ

「もちろんだ。

　なあ、シュウピン。」

シュウピン

「そうね。　ゆっくりと時間を掛けましょう。」

真々美

「では、よろしく頼(たの)む。

　ほかの議題(ぎだい)に移(うつ)るとしよう。」

１０：４５

◇

　いろいろと大変ですね。

　それでも、出世競争が激しい光元国(ひかりもとこく)と比べたら、暗躍(あんやく)や悪(わる)だくみを未然(みぜん)に防(ふせ)ぐ仕組(しく)みが出来(でき)ていますね。

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