080 16日目 モンテハート大公爵の遺品
今回は会議回です。
事後処理が面倒くさいです。
◇
16日目 AM 7:20 朝
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、16日目の分を本日実施予定
一番権利者: 真々美。
ただし、アリムが意識を取り戻す《20日目予定》までは、お預け状態。》
◇
オルア
「アリム、おはよう。
今日は雨だよ。」
アリム
「・・・」
アリムは意識不明のままだった。
オルア
「あと、4日待つのかあ。
待ち遠しいわ。」
オルアは、アリムをはさんで反対側に寝ている真々美に気付いた。
オルア
「真々美、来ていたのね。
あれ? 胸になにか書いてある。
漢字で、有夢 ね。
ということは、アリムの胸にも・・・
うん、真々美と書いているわ。
真々美も私と同じくらいアリムを所有したいと思っているのね。
うれしいわ。
これで、アリムの胸に三人の名前が揃ったわね。」
アリムの胸には、
Allrounah
真々美 冬香
と赤い口紅文字が書かれていた。
オルアは起きて、着替えを済ませて、朝食の準備を済ませた。
絵美様と冬香が一緒にリビングに入ってきた。
あとから、真々美もリビングに入ってきた。
「おはよう!」のあいさつを済ませた後で・・・
真々美
「絵美、冬香、 その昨日の夜は?」
絵美
「大丈夫よ。 理性が勝ったから。」
冬香
「少し残念な気もするわ。」
絵美
「わたしも。」
真々美
「そ、そうなのか?」
絵美
「冬香さんは真々美が選んだサブシスだからね。」
冬香
「絵美様は、真々美のハイシスだからね。」
真々美
「とても魅力的な女性だから、理性が勝ったことは奇跡ということか?」
絵美、冬香
「「その通り。」」
オルア
「ということは、絵美様と冬香は一緒に眠ったのですか?」
絵美
「そうよ。 眠っただけで、寝てないわ。
今夜は、オルアさんといっしょに眠りましょうね。」
オルア
「でも、アリムのそばにいないと。」
絵美
「気を張りすぎると伸びきったゴムのように切れてしまうわ。
アリムが目覚めたときに安心した反動で倒れてしまわないように、少し離れた方がいいわ。
意識できない疲れ、自覚できない疲れがたまっているはずだから。
今夜は真々美と冬香に付いていてもらいましょうね。」
オルア
「絵美様が、そうおっしゃるなら。
話を変えますが、真々美?
性魔力の5番目は、その?」
真々美
「ああ、無事に習得できた。」
冬香
「今日はわたしが挑戦するわ。
姉妹関係の儀式 第4段階にね。」
絵美
「今夜は、オルアさんも座学、私の解説授業に参加してもらうわ。
解説の後で、
攻め手 真々美、
受け手 冬香さん、
見学と性魔力値の読み上げ オルアさん
の3人で実施してもらいます。
わたしは、冬香さんの儀式は見れないので、立ち会えません。」
オルア
「絵美様は立ち会ってくださらないのですか?」
絵美
「そうよ。
冬香さんの美しい裸と色っぽい姿を見ても良いひとは、
ハイシスの真々美と
サブシスのオルアさん
だけだからね。
ナイトバインドしているアリムさんが起きていたとしても、姉妹関係の儀式からは閉め出されるわね。」
オルア
「上下関係が明確になっているのですね。」
絵美
「というか嫉妬関係が明確になっているのよ。
見たい気持ちは有りますから、遠く離れた別室で私は待機します。」
オルア
「この中では絵美様が最高位なのですから、立ち会う義務があることにされたら良いのでは?」
絵美
「そういうズルをすると、来世の査定に響くからしないわ。」
オルア
「来世の査定ですか?
ということは、アリムさんの前世での行いは素晴らしいものだったのでしょうね。
真々美、冬香、わたしの3人とナイトバインドできたのだから。」
絵美
「たしかに。
どんな素晴らしい善行を前世で積めば、あなたたち3人とナイトバインドできるのかしらね。
ああ、うらやましい。」
真々美
「絵美、よだれが垂れているぞ。
絵美と過ごす次の夜は、私のこと以外考えられないようにしてあげよう。
覚悟しておくんだな。」
真々美は、そう言いながら、絵美のよだれをタオルで拭いてあげた。
絵美
「それは楽しみね。
でも、それは、攻め手として、受け手として。
ねえ、どっち?」
絵美は真々美に後ろから抱きついて、真々美の耳に優しい声で問いかけた。
真々美
「両方ともに決まっているだろう。
身体の手入れをして待っていてくれ。」
絵美
「真々美、とっても男前ね。
ええ、期待していてね。」
オルア
「それじゃあ、席についてくださいな。
朝ごはんにしましょう。」
台所を見ると、皿洗いが手つかずで残っていた。
少し視点をずらずと、洗濯物もたまっている。
片付けと言うかゴミ捨てもできていないようだ。
4人は食卓に着いた。
絵美、真々美
[ テーブル ]
オルア、冬香
の並び方で席に着いた。
4人は朝ごはんを食べることにした。
オルア
「いただきます。」
絵美、真々美、冬香
「「「いただきます。」」」
◇
AM10:00 会議開始
丸いテーブルを囲むように、7人が席についた。
12時: 絵美
10時: 真々美、 2時: シュウピン
8時: 冬香、 4時: メラニィ
7時: オルア、 5時: セーラ
6時: 大型ディスプレイ
の位置に座っている。
絵美
「今日はわたしも議論に参加したいので、ここに座ります。
いつもなら、離れた席で寝たふりをするのですが、今日は起きます。
セーラさんは行政庁の話以外は聞くだけで意見も言えなくて退屈で眠くなってしまうと思うわ。
真々美、セーラさんの集中力が切れる前に質問タイムを取ってあげてね。
じゃあ、真々美、よろしくね。」
真々美
「ああ、ありがとう絵美。
オルアも会議に参加して日が浅いから質問タイムを振らせてもらう。
改善するべき点が目につくとは思うが、まずは、現状を把握して、あるがままを理解することに挑戦して欲しい。」
オルア
「わかったわ。」
真々美
「セーラさん、こういう形で進めるがなにか質問は?」
セーラ
「わたしに議決権はないことは理解しています。
意見があればオルア様を通せばよいですか?」
真々美
「意見はそうしてほしい。
オルアがセーラさんの直接の上司になるからな。
ただし、困りごとは、この場で直接言って欲しい。
上下関係を示すための伝言ゲームや直答避けは、時間が無駄になるからな。
そして、希望の処置を言うことは意見を言うことになるからやめて欲しい。
問題点を上手に伝えることで、セーラさんが希望する解決策をわたしたちが指示しやすいように誘導する形を目指して欲しい。」
オルア
「それでも面倒くさいわね。」
冬香
「仕方ないわ。
そういう形にしないと、セーラさんに負担が掛かってセーラさんがつぶされてしまうからね。」
オルア
「どういうこと?」
メラニィ
「セーラに決定権があると周囲が誤解することを避けるためです。
そのように誤解されると、セーラを攻撃すれば、自分の意図通りに国策を操縦できるとカン違いする馬鹿が出てくるからです。」
シュウピン
「あくまで決定権は王家側の真々美様、冬香様、オルア様にあって、わたしたち民衆側は補佐でしかないと関係者に知らしめるためです。
そうしないと、人質を取って操ろうとする賢い馬鹿が余計な手を張り巡らせますから。」
オルア
「むずかしいのね。」
真々美
「結局のところ、女の人のクラスターとは言え、まだまだピンからキリまで差があるのが現状だ。
自身の利益のためにズルすることを選ぶ習性が人間にはある。
わたしだって、絵美と冬香がいるからこそ、自分を律することができると前に言ったとおりだ。」
オルア
「人間はより良いことよりも、より得をする方を選ぶのね。」
真々美
「その通りだ。
そして、そのような欲望を配慮した政治を行う方が、上手く進めることができる。」
セーラがなにか言いたそうにしている様子を、絵美と真々美が感じ取った。
真々美
「セーラさん、どうぞ。」
セーラ
「いま、おっしゃったことは衆愚政治において、多数派が進めようとしていることを少数派が足を引っ張ることに時間と労力を注ぐということですか?」
真々美
「その通りだな。
そうならないために、実績による貢献度を配慮して、利益を適正に分配するようにしている。
多数派が6割、少数派が4割の利益受領を設定している。
こうすることで、大多数の者は、誰の手柄になるにせよ、まずは儲けることだと協力してくれる。
この条件でも納得せずに、あら探しをして邪魔してくる連中は自宅封印になる。
ベーシックインカム様様だ。
ベーシックインカムを導入することは国としては損しているように見えるが、差し引き計算をすれば大きく得している。
そして、男性を要職から排除しているから、無用な争いの多くを発生させずに済んでいる。」
セーラ
「わたしは見かけ上、なんの権限もないように振舞うことが大事なのですね。
しかし、実態は身の程を超えた権限があるということですか?」
真々美
「そうなるな。
オルアをシンボルとして、実務を行うひとはセーラさんだ。
とは言え、気負う必要はない。
シュウピンさんとメラニィさんという心強い相談相手がいるのだからな。」
シュウピン
「メラニィは厳しいように見えるけれど、かなり面倒見が良いから頼ればいいわ。」
メラニィ
「わたしは自分のことで手一杯だから、それほど構ってやれない。
当てにされたら、迷惑だ。」
セーラ
「そんな。」
冬香
「セーラさん、メラニィのような言い方をする人の方が信用できるわよ。
私たちの前でいい顔する連中は含みがあって信用できないわ。
ただし、メラニィさんが言うように、メラニィはメラニィの業務で余裕がないから、セーラさんの期待に100%答えることは無理ね。
それでも、困らないように最低限度のことは助けてくれるわ。
そのような人柄だからこそ、わたしは副官にメラニィさんを選んだのだから。」
セーラ
「つまり、頼っても良いけれど、頼りすぎないようにですか?」
真々美
「その通りだ。
シュウピンさんやメラニィさんのように変な劣等感が無い上司を持てて、セーラさんは幸せだぞ。
セーラさんのように若くて美しい可愛い女の子に嫉妬する先輩女子は少なくない、いや非常に多い。
しかし、シュウピンさんやメラニィさんが嫉妬するほど魅力的な女性は、絵美、わたし、冬香、オルアくらいだから安心できるぞ。」
セーラ
「真々美様は、ご自分のことを魅力的な女性と自信を持っておられるのですね。」
真々美
「ああ、もちろんだ。
自分に自信がある上司は非常に気が楽だ。
どれだけ大きな成果を上げても嫉妬されないから、全力で仕事を進めることができる。
上司の顔色を窺って、成果の大きさを調整しなくて済むからな。
絵美、わたしはあなたが上司でとても幸運だと思っている。」
絵美
「まあ、お上手ね、真々美。
もっと誉めてくれてもいいのよ。」
真々美
「そうか、1時間くらい掛かるが続けようか?」
絵美
「真々美の気持ちだけで十分よ。
続きはベッドの上で聞くわ。
会議を進めてね。」
真々美
「ああ、そうしよう。
セーラさんは異例の大出世をしたから周囲のねたみが激しいだろう。
議決権が無いことを気にしないでいてくれるなら、この会議を傍聴して聞いて学んでくれた方が身の安全を計ることが出来るだろう。
情報の断絶や情報の欠落を防ぐためにも、この会議には参加した方が良いだろう。」
セーラ
「御厚意ありがとうございます。
お言葉に甘えて、参加したいです。
よろしくお願いいたします。」
真々美
「ああ、よろしく。
シュウピンさんとメラニィさんも、それで良いか?」
シュウピン
「真々美様のご配慮に感謝します。」
メラニィ
「わたしの目が届くところにいてくれた方が楽ですね。
助かります。」
絵美
「流石ね、真々美。
本題に入りましょうか?」
真々美
「ああ、そうしよう。
まずは、シュウピンさんの課題から始めよう。」
☆ シュウピン
☆ 「モンテハート大公爵から押収したものについて、
☆ 保護したひとたちについて、
☆ 明日の議題でお願いいたします。」
☆
☆ 075 オルアの名誉回復と行政長就任
◇
シュウピン
「まずは、宝物倉庫の準備室にお越しください。」
7人が宝物倉庫の準備室に行くと、モンテハート大公爵の遺品コレクションが並べられていた。
真々美
「はあ、よくぞ集めたものだな。」
真々美たちは、品数の多くに圧倒されていた。
シュウピン
「諸外国の美術品については所属の国に買い取らせる予定です。
ただ、出自がその盗品に近いようなものについては、無料で引き渡すことになりそうです。
ただし、現地の警察が地道な努力で取り戻した形に持っていくことで、恩だけでも売りたいところです。」
冬香
「恩を仇で返されるかもしれないわね。」
メラニィ
「そういう性格の国については返却せずに、美術館の休憩スペースで監視カメラが無いところに置き忘れてこようとも考えています。」
シュウピン
「場合によっては、その国の近くの海に沈めてもいいわ。
文句を言いそうな国については、特にね。
まともに相手をしていられない。」
冬香
「たしかに返してもらって喜べばいいのに、
過去の賠償金を寄越せ!
などという国は、誰も返す気にならないわね。」
メラニィ
「誘拐した子供を五体満足で返すと言っているのに、余罪を追及していたら、天の気まぐれで改心する悪者もいなくなるな。」
真々美
「言いたい文句は山のようにあっても取り返すこと、取り戻すことが大事だからな。
それ以外の点については、感情を抑えるべきだな。
恨み言を言いたくても、取り戻すことを優先するべきだ。
美術品の話から、広い話題になってしまったな。
お宝の話に戻そう。
わたしたちには不要の物に見えても、価値が分かる者には宝物に見えるだろうからな。
欲しいと思う者に届けてやりたいな。」
シュウピン
「困るものは、どう見てもゴミにしか見えないガラクタです。
目利きが出来る者がいれば買い取らせたいのですが・・・」
真々美
「とりあえず、全員で順番に眺めていくか?
7人がかりで見れば誰か一人は価値が分かるかもしれない。」
という訳で、7人はすべてのお宝を見回ることにした。
絵美
「うーん。 場所ふさぎにしか思えないわ。」
真々美
「基本、物を溜めないからコレクションという物を収集する気持ちが分からないのだよなあ。」
冬香
「実用的な部品でもあれば良かったのですが。」
オルア
「わたしの趣味と重なるものがないわね。」
シュウピン
「男性って、どうして無意味なものを集めるのかしら?」
メラニィ
「自分の価値を武装する意味が有るのかもな?
割れたり壊れたり燃えたりするものに価値を感じてどうするのか?」
セーラ
「欲しいと思えなくも無いですが、置き場所を確保できるほど成功してからですね。」
??? 思念波
『紅姫! 紅姫!
さっきから呼んでるのに聞こえないのか?
魔力が残り少なくて、声を出すことが出来ない。
思念波を飛ばすことが精一杯だ。
紅姫が力強く握りしめてくれれば、魔力が蘇って、声を出せるのに。
触れてもくれないなんて、剣に興味をなくしてしまったのか?
ここには黄花の小さな糸電話や、青紫の音色のそろばんもあるのだぞ。』
シュウピン
「それでは、どうします?
値打ちがない大多数は箱に入れて残しますか?
それとも、燃えるゴミにしますか?」
??? 思念波
『ば、ばかな止めてくれ!
われらを燃やすなんて、とんでもない!』
真々美
「うーん、わからないな。
アリムが目覚めたら見てもらおうか?
前世の記憶が・・・なんて言い出して価値を教えてくれるかもしれない。」
シュウピン
「アリム様のお目覚め予定は、いつごろですか?」
オルア
「4日後です。シュウピンさん。」
メラニィ
「それくらいなら、待った方がいいな。
そうだろう? シュウピン。」
シュウピン
「ええ、燃やすことはいつでもできるからね。」
メラニィ
「ところで、冬香様は、宝物倉庫にまで医療用の聴診器を持ち込まれるのですね。」
冬香
「そうね。
手元に無いと落ち着かないのよ。」
オルア
「パンティを履き忘れても、聴診器は忘れない気がするわ。」
冬香
「何で知っているの?
その通りよ。」
オルア
「そうなの?
お医者様の鑑、御手本みたいね。」
冬香
「そうなのかもしれないわね。」
??? 思念波
『そう言えば、黄花も小さい糸電話をいつも持っていたな。』
セーラ
「こんなことなら、モンテハート大公爵の脳だけでも残しておけばよかったですね。」
真々美
「まさか、こんなお荷物を残しているとは思わなかったからなあ。」
◇
シュウピン
「次は保護したひとたちです。」
真々美
「内訳は?」
シュウピン
「美しい女性たちだけです。
ただ、美人ばっかりです。」
冬香
「それは面倒ね。」
オルア
「どうして、美人だったら引く手は数多でしょ。
美人が欲しい男性は多くいるはずだわ。」
冬香
「容姿と色気に全振りしている女性たちよ。
表の仕事に就けても続かないわ。」
真々美
「若いうちは良いのだが、花の命は短いからな。
容姿を売りに出来る健全な水着モデルとか、
婚期を逃した男性に割り当てることはできないか?」
メラニィ
「胸は小さいし、腹が出てますから、需要が無いですね。」
真々美
「もしかして、出身国では美人でもカセイダード王国では並以下ということか?」
メラニィ
「その通りです。」
シュウピン
「強制送還しますか?」
真々美
「送り返しても、受け取り拒否されそうだな。」
オルア
「あなたが要らない者は、わたしも要らない。 ね。」
冬香
「きつい話だけれど、その通りね。」
セーラ
「独身男性なら、のどから手が出るほど欲しいはずですが、そうじゃないのですか?」
メラニィ
「容姿がたまたま美しいだけの女性で、思考方法に問題があってな。
相手男性の精神が病むか、出来た子供がいじめっ子になるか。
どちらにしても国益には、ほど遠い。」
オルア
「それでも、中には身も心も清らかなひとたちもいるはずよね。」
シュウピン
「そういう男性は拷問に近い虐待で、心身ともに重傷なため安楽死を提供しました。
そういう女性はこころに傷を負いすぎて精神が崩壊していましたので安楽死を提供しました。」
真々美
「仕方ない。
厳しいが、そのような女性は記憶を消して、出身国の港近くで漂流させよう。
出身国の判断に任せよう。
宗教的弾圧や政治的弾圧で亡命者として配慮するべき者たちはいるか?」
シュウピン
「いません。
そういう知識層は、カセイダード王国がバリアに囲まれていて侵入できないことを知っているようです。」
冬香
「モンテハート大公爵は、彼なりに厳選して拉致監禁していたのね。」
メラニィ
「シュウピンと私がいるときは、奴隷収集は休止していたようだが、わたしたちが移民審査船に乗船した7日後辺りから寂しくなったのかもしれないな。」
オルア
「彼に恋人ができなかったのが不思議よね。」
メラニィ
「彼は、美しくて気立てが良い女性が好みだったのだが、そのような女性は選択肢が多いから、選んでもらえなかったようだ。」
セーラ
「お金と権力が有れば、愛も買えそうですけどね。」
シュウピン
「男性と女性では検討期間の差が大きいから、彼は待てなかったのでしょうね。」
オルア
「どういうことですか?」
シュウピン
「男性は、ひと目見て好きになるけれど、女性は長く観察してから好きになるから。
ガツガツしている男性はモテないわね。
店に入ったと同時に接客を開始して、買わせようとする店員がいる店からは客が逃げるようなものね。」
メラニィ
「アリム様は、どうだったんだ。」
オルア
「物欲しそうな目で私の胸を見ていたけれど、すぐに視線をわたしの目に移して、わたしが良いと言うまで、胸に視線を移動しないように必死で耐えていたわ。
お預け! と言われた子犬のようで可愛かったわ。」
メラニィ
「ふむふむ、アリム様はなかなか良さそうだな。」
オルア
「もしかして、アリムのことを狙っているの?」
メラニィ
「遺伝子獲得権の相手として、指名しようと考えている。」
オルア
「そうなの? もしかして?」
シュウピン
「わたしもアリム様を遺伝子獲得権の相手として、指名する予定です。」
オルア
「ということは、セーラさんも。」
セーラ
「わたしは未定です。
アリム様のことを、よく知りませんので。」
真々美
「シュウピンさんがアリムを指名したい理由はなんだ?」
シュウピン
「真々美様のお子様と血縁関係がある子供を生みたいからです。」
冬香
「メラニィさんも、同じですか?」
メラニィ
「わたしは、もともと男性と愛し合ってできる子供が欲しいんだ。
ただし、男性は基本的に嫌いだ。
しかし、アリム様は、オルア様、真々美様、冬香様、シュウピンが良いという男性だから、選ぶならアリム様だろうと考えた。」
オルア
「真々美?
冬香?
ナイトバインドできる3人の女性で、満席ではなかったの?」
真々美
「まさかなあ。」
冬香
「そうね。
シュウピンさんとメラニィさんにまで、アリムが良いと思われるとは予想できなかったわ。」
シュウピン
「オルア様におかれましては、お嫌かもしれませんが、わたしたち5人がアリム様と関係を持てば、伍姫が成立するから、カセイダード王国としては万々歳ですね。」
オルア
「伍姫って、なにですか?」
絵美
「カセイダード王国での国事決定の議決をする5人の女性のことよ。
本星では、わたしと4名の女性が、女王様の伍姫に選ばれているわ。」
オルア
「この調子で行けば、さらに2人増えて、七曜まで行きそうね。」
絵美
「月曜日 オルアさん
火曜日 真々美
水曜日 冬香さん
木曜日 シュウピンさん
金曜日 メラニィさん
土曜日 セーラさん
日曜日 わたし 絵美
って、
ところかしらね。
光栄だけれど、わたしは竜くんの相手をしたいので、日曜日はお休みの日になるわね。」
オルア
「ふーん、そうですか?」
真々美と冬香は不機嫌なオルアを、必死でなだめている。
オルア
「アリムの魅力がみなさんに理解されたことはうれしいけれど、わたしにも独占欲はあるわ。
7日に一度になる日が1日でも遅くなるように、アリムの心を釘付けにする努力をするわ。
とは言っても、アリムが目覚める予定日は4日後なのよね。」
シュウピン こころの声
『予想外ね。 もっと荒れると思ったけれど。』
メラニィ こころの声
『あきらめムードで投げやりになっている気がするな。
わたしだけでも、ほかの男性を探す方が良いのかもしれないな。
あっ、でも、その場合はシュウピンが邪魔をすると言っていたな。』
セーラ こころの声
『まだ男性を選ぶ気にはなれないわ。
女性として着飾りたい気持ちもあるし。
男性に束縛されたくないわ。
でも、アリム様が相手なら、7日間のうち6日は自由に過ごせるのよね。』
◇
真々美
「ところで、シュウピンさんとメラニィさんに、悪霊を取りつかせて、眠り姫の呪いをかけた呪術者は見つからないのか?」
シュウピン
「申し訳ありません。
追跡できませんでした。」
メラニィ
「モンテハート大公爵の屋敷の隠し部屋にもいませんでした。」
冬香
「あやうく大惨事になるところだったので、お礼参りをしたかったのですが。」
オルア
「アリムが居てくれて本当に助かったわよね。」
真々美
「そうだな。
それでは、まとめとして、
1.
モンテハート大公爵のコレクションは、アリムにも確認してもらうということで保留。
2.
保護した人たちは、出身国の港近くで漂流させる。
ただし、強姦などの被害に遭わないように、出身国の安全な場所で、昼間の人が多い時間帯に送還する。
3.
シュウピンさんとメラニィさんの遺伝子獲得権については、アリムが目覚めた1週間後以降に再度申請してくれ。 そのころには気が変わるかもしれないからな。 そのときに考えよう。
4.
休憩に入る前に、オルア なにか質問はあるか?」
オルア
「アリムを私、真々美、冬香の3人で独占する方法を知りたいです。」
真々美
「無いな。
シュウピンさんとメラニィさんの遺伝子獲得権は妨害できない。
伍姫として、カセイダード王国チータマルム支国の国益を支えたいと言われたら、拒否する理由がない。」
オルア
「がーん。」
冬香
「だからと言って、実力行使はしないでね。
オルア。」
オルア
「こうなったら、こころだけでも独占したいわね。」
真々美
「オルア、それは心配しなくていい。
アリムの一番はオルアだ。
はっきり言って、わたしと冬香は、オルアと一緒にいるための税金のように思われていると思う。」
オルア
「アリムは、そんな風に、真々美と冬香のことを思わないはずだわ。」
冬香
「そう願っているわ。
それでも、アリムはオルアが一緒にいてくれる条件として・・・
真々美と私のことも愛してくれるだけよ。
だから、焼きもちを焼いてもいいけれど、自信は無くさないでね。」
シュウピン
「オルア様がアリム様から受け取る愛のおこぼれを恵んでもらいたいのです。」
メラニィ
「オルア様とアリム様の間に割り込めるとは思っていませんので、ご安心ください。」
セーラ
「アリムさん、モテモテですね。」
絵美
「わたしとしては、伍姫が成立したら万歳だけれど、オルアさんの気持ちを考えるとね。
そもそも5人の女性から認められることなんて、レア中のレアだからね。」
真々美
「セーラさんは、質問があるか?」
セーラ
「わたしも遺伝子獲得権を行使できますか?」
真々美
「まだ無理だな。
行政庁の副官として、1年以上できれば3年以上の実績が欲しいな。」
セーラ
「今は分かりませんが、将来そういう気持ちになったときに備えて、がんばります。」
オルア
「セーラさんもアリムが好きになるでしょうね。
もしかすると、絵美様も。」
絵美
「わたしは、竜くんを優先するわ。
竜くんに振られたら、アリムさんに近づくわ。」
オルア
「絵美様に迫られて断る男性なんていませんわ。
アリムもそうなるでしょうね。」
絵美
「万が一、アリムさんに好かれたとしても、
オルアさんは、1番目。
わたしは、7番目よ。
それは忘れないでね。」
オルア
「お気遣い、ありがとうございます。」
真々美
「それでは、休憩にしたい。
今は、AM10:50だ。
続きは、11:00から。
お疲れ様。」
7人は休憩に入った。
◇
問題の呪術師
「うう、うう。」
実は、シュウピンとメラニィに秘密の場所で拘束されていた。
拘束を解かれたところで、逃亡される可能性はゼロにしてある。
この呪術師の呪いの結果、
シュウピンさんは真々美とキスすることになった。
メラニィさんは冬香とキスすることになった。
今後も、そのような機会を作る可能性があるなら、呪術師を利用したいと二人は考えていた。
◇
移民受付をする体制があっても、移民として受け入れられるかは別問題ですね。
自分磨きが大事ですね。
とくに、お腹周りを気にしています。
わたしは、【AB SLIM】という電気で刺激する機械を当てて、腹筋を鍛えています。
腹筋運動するよりも楽で成果も大きいです。
それとダイエット《食事制限》は、栄養のバランス《肉魚、野菜、穀物》を保ったうえで、合計量を減らすことがお薦めです。
10歳代、20歳代のような食事量をやめて、年を取るごとに食事量を減らすことが体型維持に重要です。
現在のウエストはメタボ判定値 引く 12cmです。
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
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