073 絵美、真々美と再会した喜び
ここまで続けて読んでくださっている方々、ありがとうございます。
また、2024年1月13日(土)に、1話から72話を一気読みしてくれた読者様、ありがとうございます。
ぜいたくを言えば、ブックマークもお願いします。
過労で寝込んだ真々美を、絵美と冬香が見つめている。
冬香
「絵美様、私が付いていますから、おやすみになってください。」
絵美
「冬香さん、お気遣いありがとう。
わたしが付いているから、オルアさんの様子を見に行ってあげて欲しいわ。」
冬香
「ですが、お疲れの絵美様に、真々美の世話を押し付けるわけには参りません。」
絵美
「うふふ、冬香さんは本当に最高のサブシスね。
真々美は幸せものね。
そうね、理由というか、冬香さんの気が楽になるようにしますね。
1つ
わたしにとって、真々美のそばに居る時間は至福のとき、もっとも幸せな瞬間です。
たとえ、看病という大変なことでも、
目の前に真々美がいる、
触れられるところに真々美がいる、
これは、この10年間、待ち続けた場面なの。
2つ
オルアさんは、今頃、泣いているかもね。
わたしが行けば、肩を抱いて励まして、慰めるために、気晴らしを提供するかもね?
そういう場面を見たとき、冬香さんは冷静でいられるかな?
わたしを基準として考えた場合、真々美とサアがそのような雰囲気になっていたら、サアを蹴り飛ばすわ。
3つ
冬香さんは、真々美ともオルアさんとも仲良くしても問題ない立場よね。
真々美のサブシスで、オルアさんのハイシスなんだから。
以上、3つの理由から、わたしが真々美に付いて、冬香さんがオルアさんに付くという組み合わせが最も平和だと思うわ。」
冬香
「よく分かりました。
でも、真々美もわたしも、絵美様がオルアの肩を抱いて励ましていても、焼きもちを焼いて冷静さを失ったりしませんわ。」
絵美
「それはそれで寂しいわね。
希望としては、真々美に激しく焼かれたいわ。
「絵美!
私というものが居ながら、他の女性に手を出すなんて!
私のこと以外考えられないように、たっぷりと愛情を注ぐから、覚悟しろ!
しばらくは、お布団の中から出られると思うな!」
という展開を希望するわ。」
冬香
「ありえそうですね。」
絵美
「そうね。
もし、わたしが冬香さんに手を出したら、真々美はわたしをどうするかしら?
いらない誤解を招かないためにも、夜は別々に過ごした方がいいわ。
もちろん、真々美が起きていたら問題無いけれどね。」
冬香
「状況が飲み込めました。
それでは私は気に病むことなく、オルアのところに行けますね。
絵美様、おやすみなさい。
また明日。」
絵美
「ええ、冬香さん、おやすみなさい。
良い夢を!」
◇
冬香は、アリムが寝ている病室に着いた。
オルアはアリムの横で寝ていた。
オルアが座っていた椅子には、オルアの服が脱ぎ棄ててあった。
冬香 こころの声
『アリムの服も下の方にあるわね。』
冬香は、掛け布団をめくって確認した。
ふたりは裸で抱き合っていた。
アリムの胸に書かれた文字を見て、冬香は微笑んだ。
冬香
「オルアらしいわね。
この前は、扉に書いて、今回は直接書いたのね。」
☆ メラニィとシュウピンは、司令室の手前にある来客室の扉を見て、おどろいた。
☆ 「Allrounah SURPASS」《読み方: オルア サーパース》という右上がりの青い文字が大きく書かれていた。
☆
☆ 025 6日目 AM10時 面接担当たちの反応
冬香
「オルアがアリムのもとを離れない決心をした証だから、良しというところかな。
でも、羨ましいわね。 わたしもしようかな?
あれ? オルアの胸にも文字が書いてあるわね。
これは、オルアの筆跡ね。 なるほどね。」
☆ オルアは、アリムの服を脱がせて、胸の中央、鎖骨のすぐ下あたりに、
☆ 口紅で自分の名前を書いた。
☆
☆ Allrounah
☆
☆ そして、オルアは服を脱いで、アリムの右手に口紅を持たせて、自分の胸の中央、鎖骨のすぐ下あたりに、
☆ 口紅でアリムの名前を書いた。
☆
☆ Alim
☆
☆ オルアは口紅を枕元に置いて、アリムの右腕を抱き寄せた。
☆
☆ 072 オルアの想い、オルアの過去
冬香は、二人の胸に書かれた文字を交互に、しばらく書かれた文字を眺めていた。
冬香
「よし、わたしも書こう。
わたしだって、アリムとナイトバインド済みだから書く権利は有るわよね。
でも、真々美が書くスペースは空けておいた方がいいから、わたしは右端に書くべきね。」
冬香は枕元に置いてあった口紅をもって、アリムの胸に
「冬香」
と自分の名前を書いた。
Allrounahの文字の右下あたりに書いた。
Allrounahの文字の左下には、真々美と書く余裕、つまり、空白を設けた。
冬香
「来て良かったわ。
絵美様ありがとうございます。
さて、私の胸にも書かなきゃね。」
冬香はアリムの手に口紅を持たせて、
「アリム」
とアリムの名前を書いた。
冬香
「これで良し。」
冬香は掛け布団の上に服を脱ぎ散らかして、空いているアリムの左腕を自分の胸の間に挟むようにして、抱きしめた。
掛け布団を、オルア、アリム、冬香の3人で被れるように位置調整をして、眠りについた。
冬香
「オルア、アリム、おやすみなさい。」
◇
絵美は寝ている真々美の顔を眺めていた。
絵美
「ねえ、真々美、本当に久しぶりね。
カセイダード大学での3年間は、いつもわたしのそばに真々美がいて、その気になれば、キスすることも簡単だった。 それくらい、近くにいたわよね。」
作者の注釈
「カセイダード大学は3年制です。
光元国の4年次で行う卒業研究は有りません。
授業もありません。
3年間は大学の設備を使って、各自が好きなことをします。
ただし、大学の教授陣は存在します。
自由に質問できます。
さぼるひとは無意味に過ごします。
極めるひとは目指す道を行きます。
卒業の順位は、成果物の評価で決まります。
必修単位や所属研究室などという制度が無いため、大学教授によるハラスメントも起こしにくくなっています。
しかも、大学教授たちは殿堂入りしていますので、競争する必要がありません。
特定の生徒が出した成果はカセイダード大学全体の成果となります。
足の引っ張り合いや、各自の努力の邪魔さえしなければ、寝ていても不利益はありません。
他人を落とし入れるウソをつく者や、
他人の名誉を棄損する作り話をするような者
を排除する最後の機会であることを理解した者たちが
大学教授として在籍しています。
このような背景から、他の星々からもカセイダード大学に留学する者が増え続けています。
サークも留学生の一人です。」
絵美
「あのころは、ぜいたくにも私のそばから離れようとしない真々美を煩わしく感じたこともあったけれど・・・
ウザいと思えるなんて、とても幸せなことだったんだね。
今はね、真々美。
冬香さんに焼きもちを焼いている私がいるわ。
真々美のハイシスとして、模範的に振舞う努力はするけれど、真々美を独り占めしたくて自分を止められないわ。
ふたりきりになったから続きをしたいところだけれど、真々美の体調が優先よ。
だって、わたしは1回でも多く、真々美と愛し合いたい。
男性遺伝子を出すことが目的の男風情のように1回で満足したりしないわ。
だから、3日間はお預けね。
でも、キスとハグまではしましょうね。」
絵美は、真々美の服を脱がせた。
絵美
「さてと、胸の中央、鎖骨の下あたりに・・・」
絵美は優しく口づけをして、激しく吸い続けた。
真々美
「うっ、い、痛い。」
真々美が目を覚ますことはなかったが、声を上げていた。
絵美
「強すぎたかな?
ごめんね。
でもね。
愛のマーキングをしたくて我慢できないのよ。」
真々美にできたキスマーク、吸引性皮下出血を見て、絵美は満足した。
そして、絵美の唇に口紅を塗った。
絵美の唇をスタンプ印にして押された赤い図形が、真々美のキスマークの上に輝いていた。
絵美
「真々美、あなたは私の物だからね。
そのキスマークと口紅スタンプを鏡で見るたびに理解を深めてね。」
絵美は服を脱いで、真々美を抱きしめながらキスして眠りについた。
◇
これぐらい深く愛されたいものです。
でも、吸引性皮下出血のキスマークは1回限りにして欲しい。
口紅のキスマークは、何度でも欲しいかも?
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。