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066 14日目 その玉座にすわる者は誰か?

 3度の襲撃を跳ね返した真々美たちは、カセイダード王国に帰国した。



14日目 AM10:00  朝


《2日に一度の会議: 偶数日の予定、

 一番権利者:

  真々美。

  ただし、アリムが意識を取り戻す《20日目予定》までは、お預け状態。》





 移民審査船が着いた翌日、王城からの招集があり、関係者が登城した。


 玉座に、支国王である中路真々美の姿は無かった。

 中路真々美、白石冬香は、臣下が並ぶ位置に立っていた。


 しばらくして、身なりの良い男性が入ってきた。

 民衆側の最有力者であるモンテハート大公爵だった。


モンテハート大公爵 こころの声

『おお、玉座(ぎょくざ)が空いているぞ、中路司令はようやく身の程を理解したようだな。』


 モンテハート大公爵は、迷うことなく玉座に進み、当然のように玉座に腰を下ろした。


モンテハート大公爵

「うむ、良い座り心地だ。

 眺めも最高だな。

 ハハハハハハハ。」


 玉座に歩いて近づいてくる美しい女性の姿があった。

 長く美しい黄色の髪をしたスタイルが良い長身の女性だった。

 ヒーローアニメに出てくる戦闘服で、コスプレイヤーが好むデザインの衣装を着ていた。


白沢絵美

「そこは、わたしの席だ。

 真々美は、わたしのために席をゆずったのだ。

 どけ、無礼者。」


モンテハート大公爵

「なにを偉そうに、このコスプレ女が。

 ここは、王宮だぞ。

 わかっているのか?」


白沢絵美

「わかっていないのは、そちらの方だ。

 わたしの顔を知らないとは言わせないぞ。」


 モンテハート大公爵は、玉座を降りて、片膝(かたひざ)をついた。


 その間に、絵美は、玉座に除菌(じょきん)消臭(しょうしゅう)スプレーを散布(さんぷ)した。

 それから、玉座に座った。


モンテハート大公爵

「し、白沢絵美様、お、お越しになられていたのですか?

 存じませず、お許しください。

 し、知らなかったのです。」


白沢絵美

「ほう、なにを知らなかったというのか?」


モンテハート大公爵

「で、ですから、白沢絵美様が、お越しになられていたことをです。」


白沢絵美

「そうか、では、中路真々美が、カセイダード王国チータマルム支国王であることは知っているのだな。」


モンテハート大公爵

「そ、それは、もちろんでございます。」


白沢絵美

「その上で、玉座に座るとは、反逆の意思ありとみなすぞ。」


モンテハート大公爵

「とんでもございません。

 それにしても、すばらしい衣装で良くお似合いでございます。」


白沢絵美

「この服か?

 これはカセイダードスーツという戦闘服の試作品だ。

 どこぞの思い上がりの愚物(ぐぶつ)のおかげで着る羽目(はめ)になってしまってな。


 わたしの機嫌は最高潮だぞ。」


モンテハート大公爵

「それは、重畳(ちょうじょう)にございます。

 お喜び申し上げます。」


白沢絵美

「ああ、ありがとう、礼を言わせてもらおう。

 気分が良いおかげで、素手でゴキブリを叩き(つぶ)しても良いと思える。」


 白沢絵美様は、「ゴキブリとはお前のことだぞ!」というような目で、モンテハート大公爵をにらみつけた。


モンテハート大公爵

「こちらが下手に出ておれば、いい気になりおって。

 わたしは、民衆側の最上位貢献者(こうけんしゃ)であるモンテハート大公爵だぞ。

 わたしに無礼を働いてゆるされると思うのか?」


中路真々美

「だから、今まで泳がせておくしかなかったのだ。

 はらわたが()えくりかえる思いに耐えながらな。」


モンテハート大公爵

「白沢絵美様を語る偽物(にせもの)を用意するとは、中路司令は血迷ったか?」


 モンテハート大公爵は、中路司令の後ろに控えている、温 秀平とメラニィ オネスティに気付いて、ふたりに声を掛けた。


モンテハート大公爵

「ウェン シュウピンよ、メラニィ オネスティよ、王族側の代表にして、支国王であらせられる中路支国王は、ご乱心(らんしん)なされた。

 民衆側のナンバー1とナンバー2として、拘束(こうそく)を指示してくれ。」


温 秀平とメラニィ オネスティ

「「・・・」」


モンテハート大公爵

「なにをしておるか? ()ようせぬか?」


メラニィ

「玉座におわす白沢絵美様は本物です。

 わかりませんか?

 そこまで、目が(くも)りましたか?」


モンテハート大公爵

「ウェン、オネスティまで気がおかしくなったようだ。

 衛兵たち、やつらを捕まえてくれ!」


シュウピン

「あなたは、妹の命と、わたしの感情をうばった。」


白石冬香

「まだ、わからないのかしら?

 ふたりは、すでに私たちの側についたわ。」


モンテハート大公爵

「なにを言っているか分かっているのか?

 冗談では済まされないぞ。」


シュウピン

「3度も襲撃して失敗したあなたと、3度も防衛に成功した真々美様。

 どちらに付くことが正解でしょうか?」


モンテハート大公爵

「王族側の御方を名前呼びするとは無礼千万だぞ。」


真々美

「どのくちが無礼などと言っているのかな?

 それに、シュウピンさん、メラニィさん、冬香、オルアとわたしは、すでに名前で呼び合えるほど親しい仲になっている。

 モンテハート大公爵には、名前呼びすることを、ゆるさないがな。」


冬香

「モンテハート大公爵は、錯乱(さくらん)されましたね。

 正常な精神状態に回復されることは無理である。

と医師として結論付けします。」


モンテハート大公爵

「真々美様、冬香様、わたしは、」


 真々美は、【怒気(どき)()て】を放った。


 モンテハート大公爵は、(ふる)えて(ちぢ)こまった。


冬香

「王族側の御方を名前呼びするとは無礼千万(ぶれいせんばん)とおっしゃったことを、もうお忘れになったのですか?

 かなり病状が進行していますね。」


 モンテハート大公爵は、冬香のうしろにいるオルアに気付いた。


モンテハート大公爵

「おお、オルア、わたしのもとに来る気になったか、そうか、そうか、可愛がってやるぞ。」


オルア

「その汚い口を閉じろ、わたしの名が(けが)れる。

 わたしの名を呼んでよい男性は、アリムだけだ。」


モンテハート大公爵

「そうか、そのアリムを殺せばわしのものになるのだな。

 しばし待たれい。」


 オルアは、【圧殺(あっさつ)】を死なない程度に加減して放った。


 モンテハート大公爵は、こおり付いたように身動き一つしなかった。


白沢絵美

「冬香さんの診断を待つ必要がないほどに、狂っていますね。


 真々美、冬香さん、確認します。


 わたしは、モンテハート大公爵に弁明(べんめい)の機会を十分に与えたと判断します。

 異論(いろん)は、ございますか?」


真々美、冬香

「ございません。」


白沢絵美様

「ありがとう。


 人の心をもてあそぶ、モンテハート大公爵、あなたの爵位を没収(ぼっしゅう)します。

 あなたの親族は3親等まで生殖刑または生体部品刑となります。


 本来であれば、

  真々美、いいえ、中路支国王の裁可(さいか)どころか、

  民衆側の代表である、ウェンさんやオネスティさんの決裁(けっさい)

で済む話でした。


 それを、わたしが、わざわざカセイダード本星から来て、処断(しょだん)したのです。


 地獄で、自慢すれば良いでしょう。


 オルアさん、成敗(せいばい)!」


オルア

「白沢絵美様、シルバーソードをお借りします。」


オルア こころの声

『アリム、あなたへの愛を込めて』


 レッドコンバーター《愛情をエネルギーに変える装置》が(ひかり)(かがや)いた。


オルア

「 『シルバーソード 真空導波(しんくうどうは)』 」


 モンテハート大公爵は、サイコロステーキのように(こま)かく切り(きざ)まれた。


オルア

「Tegutosu 《テグトス》」


 モンテハート大公爵は、燃え上がり(はい)になった。


真々美

「長かった。 アリム、ありがとう。」


冬香

「アリムがいなかったら、今頃、どうなっていたか。」


オルア

「アリム。」


王城内のどこにも、アリムの姿は見えなかった。

いつもなら、オルアのとなりにいるはずなのに・・・




王国側

 白沢絵美、中路真々美、白石冬香、オルア サーパース、


民衆側

 温 秀平(ウェン シュウピン)、メラニィ オネスティ


 彼らは全員が花を買った。


オルア

「みなさん、アリムに会いに行きましょう。」


 声を掛けられた5人は、無言で首を縦に振った。



 アリムは?

 入院中だよね?


【読者様へ】


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