065 13日目 空を割るいかづち、キュワールサ
アリムについての話が再開しようとしていた・・・
◇
13日目 PM17:30 夜
《2日に一度の会議: なし、
第3回襲撃: 本日の昼 300名は、殲滅済み。
一番権利者:
真々美。
ただし、アリムが意識を取り戻す《20日目予定》までは、お預け状態。》
◇
真々美の司令室に、絵美、真々美、冬香、オルアが集まっていた。
アリムは、医療用AI Einsが見守っている。《看病中》
カセイダード王国本星の伍姫 No.1《1st, First》 白沢絵美
「さてと、アリムさんも7日後には意識を取り戻す予定よね。
本当に良かったわ。」
司令《カセイダード王国チータマルム支国王》 中路真々美
「絵美?
【怒気当て】を抑えてくれないか?」
医師 白石冬香
「絵美様、お願いします。」
オルア サーパース
「絵美様。」
オルアは少し震えていた。
オルア こころの声
『真々美と冬香よりも美しく、恐ろしいと感じる相手は初めてだわ。』
絵美
「そうねえ、ちょっと待ってくれる。
・・・
これで、どうお?」
真々美
「ありがとう、絵美。」
冬香
「ありがとうございます。 絵美様。」
オルア
「ありがとうございます。 白沢絵美様。」
絵美
「まずは、アリムさんが、正性知識 Sixteen hundred 《1600》を使った経緯を教えてくれる?」
真々美
「敵の技術者が、正性知識 1200 を無効化する防御服を開発していたからだ。」
絵美
「そうなると、アリムさんの判断は正しいわね。
正性知識 1600 は、精神波による攻撃というか物語提供だから、防御服の性能を超えられる。
それにしても、アリムさんの判断は正しすぎるわね。
カセイダード大学 人文系を卒業した者でも、何人が同じ判断をできるか?
ほぼいないと言ってもいいわ。
アリムさんの前世について話していたけれど、くわしく聞かせてくれる?」
真々美
「アリムは、
サークから、【正性知識 2000】を学び、
ナームから、【正性知識 2000】の使い方、
特に、1800 について鍛えられたそうです。」
☆ アリム
☆ 「サーク=バル=ルビエライン《Sark-Bar-RUBIELINE》です。
☆ 正性知識だけでなく、本能学、超心理学という
☆ 【カセイダード大学 人文基本3学問】
☆ を教えてくれました。」
☆
☆ アリム
☆ 「いいえ、コールの方法は、ナーム=トゥ=マミ《Naam-to-Mami》に教えてもらいました。」
☆
☆ 059 12日目 アリム正性知識1200
絵美
「どこかで聞いた名前よね。」
真々美
「そうです。
カセイダード大学の卒業式の時の二人と同じ名前です。」
☆ サークを連れて行った女性
☆ 「あなたが、サーク=バル=ルビエライン《Sark-Bar-RUBIELINE》君くんね。
☆ わたしは、ナーム=トゥ=マミ《Naam-to-Mami》。
☆ 5年間、わたしの言いなりになってくれませんか?」
☆
☆ 015 白沢絵美様は、お見通し
絵美
「名前は一致しているけれど、時間軸が合わないわよね。
アリムさんは未来から転生したのかなあ?」
真々美
「そうなりますね。」
絵美
「とすると、アリムさんは、カセイダード王国の移民審査船に乗る前から、正性知識を覚えていたの?」
オルア
「それはないと思います。
習ったということは覚えているけれど、中身は残っていないそうです。」
☆ 習ったという記憶があるだけで、なにを習ったのか思い出せないんだ。」
☆
☆ 062 13日目 冬香、一番大事な女性
冬香
「そして、遺伝子治療を受けた日から3日間で、201から1800までを読み進めたようです。」
☆ アリムは 【正性知識 2000】を 600まで
☆ 読み進めることが出来たのだった。
☆ 054 10日目 天祥遺伝子
絵美
「サークが指導したのなら、出来ないことも無いけれど、まさかね。」
真々美
「そうですね。」
冬香
「真々美、サークって、そんなにすごいひとなの?」
真々美
「ああ、すごい。
カセイダード大学の人文系を首席で卒業したからな。
その年の第2位が絵美だった。」
冬香
「そうだったの。
初めて聞いた気がする。」
絵美
「そして、第3位が真々美だったのよ。」
オルア
「ふたりともすごい優秀なのね。
それを鼻に掛けたり自慢したりしないところは、もっとすごいわ。」
真々美
「絵美と冬香との姉妹関係が成立していることと比べたら、たいしたことないさ。」
絵美
「その通りね。」
冬香
「確かにね。」
筆者の解説
「カセイダード大学を3位で卒業したことよりも、
絵美をハイシスに持ち、
冬香をサブシスに持つことの方が、
はるかに価値があることだ!
と真々美は考えています。」
真々美
「そして、効率的なコール方法である、
Twelve hundred (1,200)
防御 Twelve hundred (1,200)
を、アリムから教わったくらいです。
それまでは、One thousand and two hundred とコールしていました。」
絵美
「そんなことないでしょ?
性魔力を4番目までしか使えないことでも意外だったのに。
そう言えば、わたしがレバーラでワープしてきたと話したとき、驚かなかったわよね。
本当は知っていたのでしょ。」
真々美
「受伝台の予言文書に出てきた3名は、アリムの小説の登場人物と同じだったんだ。」
絵美
「そんな偶然ってあるの?」
冬香
「しかも、コモンルーンについての説明も、アリムから聞きました。」
絵美
「チータマルム星人のアリムさんがなぜ知っているの?
いえ、その小説を見せてください。」
真々美は、小説のデータを絵美にメールした。
絵美
「正性知識については書かれていないけれど、性魔力については正しく記述されているわね。」
オルア
「アリムさんを起こして聞けば良いですよね。
「アリムさん、起きてください。
それとも、目覚めのキスが必要ですか?」
って言って起きないか試しましょうか?」
絵美
「無駄よ。
アリムさんの脳に再びエネルギーが満ちるまで、7日間かかるという話だからね。
わたしの残り魔力は、たった2ポイントだけよ。」
冬香
「じゃあ、真々美が絵美様に性魔力を補充すれば大丈夫ですよね。」
絵美
「サブシスからハイシスへの魔力補給は、1回あたり5ポイントが限度ね。
真々美から7回愛情を注いでもらえば足りる計算だけれど、時間的猶予は無いわ。
それに、性魔力が残り少なくなると
頭が働かないし、
汚い言葉が頭に浮かび続けるし、
スリーカーを使用した後でも、30ポイントは残したいわ。
ということは、7+6=13回も掛かるわ。
体力的にも無理よね。
それとも、13連続で受けを続ける体力があなたたちには有るの?」
オルア
「無いです。
そんな、じゃあ、じゃあ、アリムさんは7日後まで意識を取り戻さないのですか?」
絵美
「安全を確保できたあとで、もう一度、スリーカーを使用したい所だけれど、わたしの性魔力が回復する可能性は極めて少ないわ。」
冬香
「すると、アリムさんが目を覚ますまで、7日間が必要なまま《変化なし》ですね?」
絵美
「そうなるわね。 あなたたちの誰が責任をとって、アリムさんのお世話をするのか決めなさいね。」
オルア
「わたしが、アリムさんを世話します。
真々美、冬香、足りない分は手伝ってくれますか?」
真々美、冬香
「「当然。」」
絵美
「ところで、これで、敵の掃討は完了したと思って良いのよね?
敵の残存兵力についての情報は?」
真々美
「敵のせん滅は完了したはず・・・なのですが?」
冬香
「最新の情報は分かりません。
というか知る方法が有りません。」
絵美
「待って、ちょっと待ってね。」
絵美が腰に下げているシルバーソード
「警告!
警告!
警告します!
『空を割るいかづち、キュワールサ』
を使用するためのエネルギー補充を推奨します。」
絵美は、シルバーソードのレッドコンバーターを見た。
絵美
「 エネルギー残量は、のこり1。
補充しなきゃ。
竜くんと真々美への愛情は注いでしまったから、しばらく待たないとね。
ということは・・・
サークへの愛を込めて。」
シルバーソードのレッドコンバーター《愛情変換機能》が働いて、シルバーソードの柄が5マス分赤くなった。」
真々美
「絵美、いまの
サークへの愛を込めて!
とは、どういう意味だ?」
絵美
「あれ?
真々美には話したわよね。
3つの一流品を集めているって!」
☆ 司会《中路真々美》
☆ 「たしか、3種類のトップをコンプすると言って、なにかを集めていましたね。
☆ それがなにだったか思い出せませんが・・・」
☆
☆ 015 白沢絵美様は、お見通し
真々美
「それって、まさか?」
絵美
「そうよ、
女の人のトップは、真々美。
男の人のトップは、竜くん。
男の子というか少年のトップが、サークよ。
ナームがさらっていかなければ、コレクションがコンプリートしたんだけどなあ。
あ、そうそう、冬香さん。
滞在中は、真々美との夜を多めに譲ってね。
真々美、ピアノの調律は済んでいるわよね。」
絵美は、優しく微笑んだ。
☆ 白沢絵美
☆ 「ピアノの調律わすれないでね。」
☆
☆ なんだか色っぽい目をしていたような気がするな。
☆
☆ 015 白沢絵美様は、お見通し
真々美
「ああ、冬香が手伝ってくれたからな。
ばっちり完了している。」
真々美は、とても赤い顔をした。
オルア
「ねえ、真々美、ピアノの調律ってなんのこと?
ピアノなんて、持ってないわよね?」
真々美
「・・・」
冬香
「また今度、オルアに教えるわ。
楽しみにしていてね。」
オルア
「よく分からないけれど、お願いね。 冬香。」
冬香
「ええ、たっぷりと時間をかけて教えてあげるわ。」
冬香はニンマリしていたが、真々美は顔を赤くして、静かだった。
絵美
「さてと、真々美、冬香さん、オルアさん。
まだ戦いは終わっていないわ。
応戦するわよ。
ついてきて。」
絵美たちは、真々美の司令室を出て、船尾に向かった。
◇
船尾に着くと、はるか後方に、多数の白い点が見えた。
オルア
「カモメかなあ?」
冬香
「もしかして!」
真々美
「ミサイルだ。
この船を沈める気だ。
少なくとも、エンジンを破壊して漂流させる気か?
カセイダード王国まで、あと1日の距離まで来たのに。」
絵美
「あわてなくても大丈夫よ。
ほとんどは近づく前に、私が撃ち落とすからね。
打ち損じが有った時に備えて、迎撃準備を整えて。」
真々美、冬香、オルアは、武器を構えた。
絵美
「まあ、たくさんね。
掛かった費用は、数億バーシルかしら。」
真々美
「システムで自動迎撃したかった。」
冬香
「無いもの強請りは駄目よ。
あるもので戦うしかないわ。」
オルア
「アリムのそばにいてあげたかった。」
絵美
「まあ、どの程度の効果があるか試すしかないわね。
4マス分のエネルギーのみ使用します。
『空を割るいかづち、キュワールサ』」
絵美は、シルバーソードの剣先を空に向けた。
ゴロゴロと暗雲が立ち込めた、
空が光った ピカッ!
ドン、ドカーン
無数のいかづちが、ミサイルを破壊していった。
絵美
「竜くん、すばらしい武器を作ってくれてありがとう。
帰ったら、ごほうびをあげるわ。
チュ」
絵美がシルバーソードの柄にキスをすると、剣の柄が赤く染まった。
4つ分の愛情エネルギーがチャージされた。
5つ分のマスが赤く光った満タン給油《a full tank of gas》状態になった。
真々美、冬香、オルア
「「「すごい武器だ。」」」
こうして、絵美は、迫りくるミサイルをすべて撃ち落とした。
ついでに、接舷してきた船は制圧して、乗組員全員を捕虜とした。
絵美が振るうシルバーソードの前には、海賊を装った敵の武器は試し切りの丸太に過ぎなかった。
絵美
「真々美、こっちに来てくれる?
もうダメ、くたくた、身体を預けてもいいかしら?」
真々美
「ああ、もちろんだ。
来てくれてありがとう、絵美。」
絵美
「元気になったら、ピアノ鑑賞しましょうね。」
絵美は眠ってしまった。
真々美は赤くなった。
冬香 こころの声
『真々美のピアノよね?
わたしも一緒に鑑賞したいけれど、遠慮しなきゃね。
えっ、でも、一緒にいるように言われたわね。
どういうことかしら?』
◇
敵の迎撃完了ですね。
ばんざーい、万歳、バンザーイ。
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