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054 10日目 天祥(てんしょう)遺伝子

 ようやく書けます。

 ヒットしたかったら、1話で書くべき内容かもしれませんね。



10日目 PM 13:00

《2日に一度の会議: あり、

 第2回襲撃予測日: 2日後の夜 PM20:00》





 アリムは自室で本を読んでいた。


アリム

「次の襲撃のときはボクも戦えるようにしておきたい。


 その唯一の方法がこれなのに、なんて難しいんだ。」


 アリムが手にしている本のタイトルは

  正性知識 2000

だった。


筆者の解説

「正性知識 2000 は、美女以上の女性が生と性をまもるために女神さまが勝ち取って与えたものです。

 つまり、非力な女性でも自分の身を守ることができます。

 弱いアリムが戦う手段として覚えようとすることは極めて正しいです。


 現在、アリムが習得した正性知識は、200までです。

 これは、男の人や美女が習得しているレベルです。


 アリムさんは、200では足りないと考えて、必死で習得しようとして、あがいています。

 脳を酷使(こくし)して痛くなりながらです。


 少しは休憩しないと(のう)()ききれますよ。

 休み休み読みましょうね、と言ってあげたいですね。」





 真々美、冬香、オルアは、冬香の医務室にいた。


冬香

「真々美とオルアも出してくれる?」


 冬香は、黄色いビニールのような細い袋に入った液体を手に持っている。

 そして、それを机の上に出した。


 オルアは、青いビニールのような細い袋に入った液体を机の上に出した。

 真々美は、赤いビニールのような細い袋に入った液体を机の上に出した。


冬香

「古い順に見ていきましょうか?

 真々美もオルアも冷蔵庫で保管していたわよね。」


オルア

「うん、大丈夫よ。

 鮮度が落ちないように、冷蔵庫の開け閉め時間は最短にしたわ。」


真々美

「わたしも冷蔵庫で保管していた。」


冬香

「では、見ていきましょうか?」


 冬香は3つのビニール袋を手元の小型冷蔵庫に入れた。

 そして、少しずつ、シャーレにスポイドで移した。


 冬香は、医療用AI に解析を始めさせた。


冬香

「詳しい解析はAIの判定待ちね。

 でも、3つとも中身は良好ね。

 元気に泳いでいるし、形状にも問題は無い。

 けれど・・・」


オルア

「内容の問題ね。」


冬香

「そうよ、先日のシミュレーションとは元が変化しているかもしれない。」


 10分ほど待つと、ピーっと、解析終了音が鳴った。


医療用AI

「冬香様、お待たせしました。

 3つの検体を解析終わりました。


 検体 青、赤、黄の順にだんだんと鮮度だけでなく、内容も良くなっていました。

 同じ人物の精神的な健康状態が改善されているようです。

 幸せレベルがだんだんと上がっています。


 そして、前回と同じように、アリム様の遺伝子の再組立て補修を実行しました。」


☆ 医療用AI

☆ 「中路真々美様の遺伝子を仮想の完成予定図として、

☆  アリム様の遺伝子の再組立て補修を実行します。 《Y/N》」

☆ 

☆ 医療用AI

☆ 「白石冬香様の遺伝子を仮想の完成予定図として、

☆ アリム様の遺伝子の再組立て補修を実行します。 《Y/N》」

☆ 

☆   017 5日目 アリムさんの訓練 「2 記憶」


医療用AI

「今回は、オルア様の遺伝子を仮想の完成予定図として使用したことにより、新たな事実が判明しました。


 おそらく、この遺伝子は、

   天祥(てんしょう)遺伝子

です。」


真々美

天祥(てんしょう)遺伝子だと、まさか?」


冬香

天祥(てんしょう)遺伝子って、なんのこと?」


真々美

天祥(てんしょう)とは、こういう文字を書く。

 医療用AI 、見てくれ。」


 真々美は、冬香とオルアに見せてから、医療用AI のカメラに見せた。


医療用AI

「その通りです。

 大事なことなので、画面にも表示します。」


<<< 天祥(てんしょう)遺伝子(いでんし) >>>


 天の神に愛された人間を指す。

 (しょう)は、神へのいけにえの(ひつじ)という意味です。

 神様と同じ容姿(ようし)、つまりルックスを()(あたえ)えられているという(せつ)もあります。


医療用AI

「この世は、神様が(きそ)うゲーム(ばん)のようなものです。

 自分の神様の天祥てんしょうを守りながら、敵対する神様の天祥てんしょうを消すことが”最重要事項(さいじゅうようじこう)”です。


 そして、アリム様は天祥(てんしょう)だからこそ、多くのひとたちに攻撃され続けたと予想されます。

 心身共に傷つけられたため、天祥(てんしょう)だった遺伝子の残骸(ざんがい)でしかありません。


 そして、年齢的(ねんれいてき)にも子孫(しそん)(のこ)せずに消えるところでした。」


冬香

「それを私たちが(ひろ)えたということね。」


真々美

「アリムは、本当に稀有(けう)なるクラスターだったのだな。」


☆ 紅姫、黄花、青紫の3名がそろえば、稀有なクラスターを得ることができるであろう。

☆ 

☆   015 白沢絵美様は、お見通し


オルア

「わたしたちが、アリムに()かれた理由の本当の答えは、天祥(てんしょう)遺伝子だったのね。」


医療用AI

「この遺伝子を持った男性は、まだご存命(ぞんめい)ですか?


 わたしが存在することになった理由は、この方を治療するためだったのですね。

 冬香様、貴方様のお役に立つために生まれてきた私に、この役目をいただけませんか。」


冬香

「それが、ここにはいないのよね。」


医療用AI

「そんな?

 遅かったのですね。

 それなら、この検体に残された遺伝子を修正させてくださいませんか?

 どうか、お命じください。」


真々美

「オルア、アリムを連れてきてくれ!」


医療用AI

「ご存命なのですね。

 間に合ったのですね。


 昨日の襲撃によるダメージは幸いにしてありませんでした。


 しかし、次回の襲撃で私は破壊されるかもしれません。

 急いでください。」


オルア

「すぐに連れてくる。」


10日目 PM 13:50





 オルアがアリムを連れて戻ってきた。


アリム

「お待たせしました。」


冬香

「アリム、あなたの遺伝子を治療します。

 これは、チータマルム星にはない技術です。」


☆ 医師:

☆ 「主に、赤緑色盲(red-green color blindness)と聴覚情報処理障害(APD,

☆ auditory processing disorder)ですね。」

☆ 

☆   005 オルアさんと、わたしの新しい名前


冬香《医師 白石冬香》

「大変お待たせしてしまいましたが、ようやく実施できる準備が整いました。

 ただし、チータマルム星のひとたちに公開する予定はありません。

 ですから、遺伝子治療(いでんしちりょう)したことは秘密にしてくださいね。」


アリム

「治療前と治療後では、なにか変わってしまう可能性が高いですよね。」


冬香《医師 白石冬香》

「そうですね。

 だから、私たちとのナイトバインドを先に実施させてもらいました。


 アリムがわたしたちを好きでいてくれる気持ちは残るはずです。


 もちろん、バックアップも残します。


 ただし、次の襲撃で、医療用AI が破壊されたら、遺伝子治療《遺伝子書き換え》ができなくなってしまいます。」


アリム

「わかりました。

 初めて説明していただいた日から数えて、9日も待って頂いたのです。

 お願いしたいです。


 ただ、前にも言ったように、私は対価を支払いできません。」


冬香

「アリムは、カセイダード本国の国益に尽力できるはずです。

 少なくとも、わたしたち3人はそう信じています。」


☆ 司会:

☆ 「あなたが、カセイダード本国の国益に尽力してくれれば大丈夫です。」

☆ 

☆   005 オルアさんと、わたしの新しい名前


真々美《司会 中路真々美》

「わたしたち3人とナイトバインドできた男性は、アリムだけだ。

 自信を持っていい。」


オルア

「アリム、おはようからおやすみまで、わたしはあなたと一緒にいたでしょ。

 これからも、いっしょよ。」


☆ オルア:

☆ 「おはようからおやすみまで、いっしょにいますから大丈夫です。

☆  それとも、わたしが一緒にいることで、あなたのやる気というか活力になりませんか?

☆  わたしには魅力を感じませんか?」

☆ 

☆   005 オルアさんと、わたしの新しい名前


挿絵(By みてみん)


アリム

「ありがとう。

 オルア、真々美、冬香。


 遺伝子治療、よろしくお願いいたします。」


医療用AI

「お任せください。

 冬香様に作られた私が責任をもって、成功させます。


 所要時間は、1時間程度です。


 精巣や卵巣の生殖細胞《精子と卵子を生成する細胞》は、すべての内容を修復した内容に書き換えます。

 ただし、その他の部位については、関係する部分のみの書き換えになります。


 これは、現在のチータマルム星の医療技術と大きなレベル差があるため、説明が難しいです。


 パソコンのハードディスクの内容を書き換えるイメージを持っていただければ幸いです。」


アリム

「すごい!


 SFに出てくるような高い技術力の(かたまり)なのですね。


 よろしくお願いいたします。」


医療用AI

「冬香様、アリム様を医療台(いりょうだい)にセットお願いします。」


冬香

「ええ、もちろんよ。

 アリム、なにか希望が有ったら、言ってね。」


アリム

「お休みのキスと、おはようのキスを オルア、真々美、冬香 全員にして欲しい。」


オルア

「欲張りね。

 わたしたち全員に望むなんてね。」


 オルアはアリムに、お休みのキスをした。


真々美

「勝って戻ってこい、アリム。」


 真々美は、アリムに、熱く、お休みのキスをした。


冬香

「大丈夫よ。

 シクぺリア、つまり、チータマルム星の大銀河を含む大宇宙の オリガスト銀河で1番と言われるカセイダードの医療技術を信じなさい。」


 冬香は、アリムに長い長いキスをした。


オルア

「あー、もっと長いキスをすれば良かった。」


アリム

「おはようのキスの時に、お願いするね。」


オルア

「まかせて!

 私の眠り姫、アリム。」


冬香

「では、私たちは部屋を出るわ。

 医療用AI よろしくね。」


医療用AI

「お任せください。」


 冬香がアリムを眠らせた後で、わたしたち3人は、部屋を出た。




 PM15:15

 つまり、1時間後・・・


医療用AI

「お待たせしました。

 成功です。」


冬香

「お疲れ様。

 じゃあ、おはようのキスは逆の順番の私からね。」


冬香

「アリム、起きて!」


 冬香は、目覚めのキスをした。

 しかし、アリムは起きなかった。


真々美

「アリム、起きるんだ!」


 真々美は、目覚めのキスをした。

 しかし、アリムは起きなかった。


オルア

「わたしにキスされるのを待っているのね。

 アリム、起きて。

 無事に終わったよ。」


 オルアは、目覚めのキスをした。

 しかし、アリムは起きなかった。


 10分経過した。


オルア

「どういうこと?

 成功したのよね。」


医療用AI

「アリム様は疲労がたまっているご様子です。

 睡眠不足かもしれませんね。」


真々美

「冬香、アリムさんの容態は?」


冬香

「呼吸正常、瞳孔正常、脈拍正常。

 ただ眠っているだけのようね。」


オルア

「びっくりさせないでよ。」


医療用AI

「その足を下ろしてくれませんか?」


真々美

「オルア?」


冬香

「オルア、足を下ろしてくれるかしら?」


オルア

「はあい。」


真々美、冬香

「「 アリムが(から)むとオルアは冷静から思いっきり遠くなるな。

   それだけ、愛情が深いということだろうか。 」」


オルア

「どれくらい、待てばいいの?」


医療用AI

「睡眠サイクルの90分ごとに、声を掛けて起こしてみるしかないですね。

 目覚めのキスのし過ぎで、唇が腫れる前には目覚めるでしょう。


 もし、目覚めなかったら、私を破壊してください。」


オルア

「冬香? そのときは、止めないでね。」


冬香

「わかったわ。

 でも、わたしの目の前でやってね。」





10日目 PM 18:15


 90分ごとに目覚めのキスをしていた冬香、真々美、オルアだった。


アリム

「オルア、長い目覚めのキスをありがとう。」


オルア

「アリム、良かった。 起きたのね。」


 オルアは泣いていた。


アリム

「おはよう、おおげさに喜んでくれて、うれしいよ。

 そうだ!

 真々美と冬香も、目覚めのキスをお願いしていいかな。」


真々美

「ああ、アリム、お()よう。」


冬香

「ええ、アリム、とっても(おそ)よう。」


アリム

「どうしたの? ふたりとも?

 なにがあったの?

 機嫌が悪そうだけど?」


真々美

「冬香、説明よろしく。」


冬香

「PM15:15に遺伝子書き換えは完了したの。

 だけど、今は、PM18:20よ。


 つまり、予定よりも3時間も多く寝ていたのよ。


 アリム! 寝不足みたいね。


 今日からは、21時に寝て、22時に眠るという規則正しい生活リズムを守ってもらうわ。」


オルア

「早速、今夜からね。

 寝室も一緒にしましょう。」


真々美

「姉妹関係の儀式で使用した部屋を私たちの寝室として使うことにしようか?」


☆ 司会《中路真々美》は、姉妹関係成立のための場を整えていた。

☆ 

☆   022 5日目 冬香とオルアの姉妹関係の儀式


冬香

「それが良いわね。

 あの部屋なら、4人並んで眠れるわ。


 真々美、晩御飯4人分の料理お願いするわ。


 わたしは、寝室を整えてくる。


 オルアはお風呂掃除お願い。


 晩御飯の後で、お風呂に入りましょう。

 4人一緒にね。」


真々美

「了解した。」


オルア

「OK」


冬香

「アリムは、夜更(よふ)かししてまでしたいことを、(いま)のうちに、してね。

 今夜からは夜更かしを、ゆるしません。


 アリム、お返事。」


アリム

「はい、冬香。」


 冬香は念押しするような目でアリムを(にら)みながら、寝室を(ととの)えに行った。





アリム

「それじゃあ、晩御飯まで本を読ませてもらおうか?


 そう言えば、真々美と冬香の髪の毛の色って、ちがう色だったんだな。

 そうか、これが色が判別できるということなのか・・・」


ナレーション

「アリムは赤緑色盲(せきりょくしきもう)だったため、赤も緑も黄色に見えていました。

 黄色と青色の2色だけを使った雑誌をイメージしてください。」


挿絵(By みてみん)


☆ アリム

☆ 「この写真を見るかぎり、無事に姉妹関係が成立したと解釈していいですか?」

☆ 

☆   023 6日目 AM8時 サイコロステーキの感想





 アリムは、【正性知識 2000】を読み続けていた。


アリム

「わかる、わかるぞ、いままで分からなかったことが不思議なくらいだ。」


 アリムは 【正性知識 2000】を 600まで読み進めることが出来たのだった。


 さっそく、遺伝子(いでんし)治療(ちりょう)の成果が出ました。


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

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