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028 6日目 11時40分 命がけの告白

「みなさまをお名前で御呼びする栄誉をいただく前ならば、黙っているつもりでした。」


シュウピンさんは、なにを語ってくれるのか?



シュウピン

「帰国と同時に、冬香様のサブシスを決めていただくために候補者が12人集められています。

 そして、オルア様を欲しがっている金持ちたちも待ち受けています。


 それを拒絶するためにも、以下をすべて完了することを強く強く推奨いたします。


 ・交配届、

 ・交配届前検査、

 ・交配届前全資産一覧届、

 ・交配届前心身健康状態届、

 ・運命共同体パートナー届、


最後に

 ・ナイトバイント 4クローズ届

が必要です。


 オルア様がアリムさんとナイトバイントを済まされても、

 ・オルア様とナイトバインドする残り2名様の男性

  または

 ・アリムさんを共有する2名様の女性

を決めない限り、空席を狙われます。


 なお、その2名様には、メラニィとわたしは入れません。

 民衆側の第一位と第二位の地位があるからです。


 真々美様と冬香様は入れますが、オルア様に気に入られただけでも奇跡のようなものですから、さすがに真々美様と冬香様がアリムさんとナイトバイントされるとは思えません。」


真々美

「それなら、心配ない。

 冬香とわたしも、アリムさんとナイトバイントする予定だ。

 オルアからも頼まれているから、心配ない。」


シュウピン

「アリムさんが受けない場合は、どうされますか?」


冬香

「真々美とわたしを断る男性がいるわけないわ。」


シュウピン

「それなら、考慮するべき点は、アリムさんが交配届前検査を受けてくれるか? だけですね。

 受けてくれそうですか?」


真々美

「それは分からない。」


オルア

「質問いいですか?」


シュウピン

「どうぞ。」


オルア

「交配届前検査の内容を教えてください。」


シュウピン

「女性が妊娠する前に、いいえ、初めての性交前に、男性の精液を採取して精子の状態を確認します。

 光元国では女性が妊娠してから実施することが多いですが、精子に異常がある場合、女性がつらい決断をすることになるため、前もって男性の精液を採取して検査をします。


ただ・・・」


オルア

「なにか問題がありますか?

 とても合理的ですよね。」


シュウピン

「女性が男性の性器を刺激して直接精液を採取します。

 その行為を嫌がって、拒否する男性が多いです。」


シュウピンは、真々美と冬香を見た。


真々美

「うっ。」


冬香

「そうね。」


真々美

「わたしが選んだ男の子は、拒否した。


 『失礼ね。

  わたしにだって、プライドと羞恥心はあるわ。

  そこまでして、あなたに子供を作って欲しいとは思わないわ。』

と言われて断られた。」


冬香

「わたしが選んだ男の人も、拒否したわ。


 『そんな屈辱的な行為をされてまで、お前に子をはらんで欲しいとは思わない。』

と言われて断られた。」


オルア

「拒否した男性たちは、どうなったの?」


真々美

「女の人との交配の権利はなくなり、すべての女の人に接近できなくなった、いや禁止された。」


オルア

「でも、他の人からも同じ要求をされたら、あきらめて受ける可能性が高いわよね?」


真々美

「姉妹関係と同じように、一度断った者に他の者が打診することは無い。

 交配届前検査は、女性の生殖能力を傷つけたり無くしたりしないために極めて重要だ。

 中絶は男性が想像するほど軽いものではないからな。」


冬香

「そうね。

 一度の中絶の結果、妊娠できなくなったり、妊娠しても流産しやすくなるわ。

 そうなったら、女性として無価値になってしまうわ。

 つまり、最大レベルの価値破壊罪になるわ。


 それを理解できない男性は要らないの。

 そして、そんな男性の情報はすべての女の人で共有するの。


 美女以下の女性には共有しないことが唯一の温情ね。


 でも、美女の女性からも同じように交配届前検査を要求されるでしょうね。


 そこでも拒否したら、すべての美女の間で情報共有されるから、美女にも接近禁止されてしまう。


 そうなったら、美人以下の女性を口説くしかないわ。


 どんどん下に落ちていくわね。」


オルア

「もしも、わたしがアリムさんに拒否されても同じことになるの?」


真々美

「もちろん。」


シュウピン

「もちろんです。」


真々美

「だから、拒否されないようにアリムさんとの愛情関係と信頼関係を深めておいて欲しい。」


オルア

「無理やり実行することは駄目なの?」


真々美

「駄目だ。

 男性にも最低限の人権はあるからな。


 交配届前検査の前半はイメージ動画で、アリムさんにも見ていただくことになる。

 それを見たアリムさんの反応次第では、

 つまり明確な受諾の返事YESをもらえない場合、お断りされたとみなす。

 ショックを受けて思考停止して、意思疎通できない場合を想定しているからだ。」


冬香

「そして、交配届前検査の後半のイメージ動画は、女性だけが見るの。

 恥ずかしい行為に耐えてくれた男性へのご褒美を兼ねて、女性がお礼の行為をするの。

 妊娠していない証明を兼ねているわ。」


オルア

「どんな行為をするのですか?」


シュウピン

「イメージ動画で確認しましょうか?」


オルアは、イメージ動画の前半を見た。


オルア

「すごい!

 あんなことするのね。

 アリムさんになら、してもいいけれど、いいえ、したいと思うけれど、他の男性に対しては見るだけでも嫌だわ。」


冬香

「そうよね。

 後半は、もっとすごいわよ。」


オルア

「な、なに、これ、そんな恥ずかしい行為を見てもらうの? 信じられない。」


真々美

「これくらいしないとバランスが取れないからな。


 屈辱的な行為に耐えてくれた礼として、嫌な記憶を幸せな記憶で上書きするべきだ。

 これが無いと男性の精神に悪影響を残すからな。」


オルア

「でも、後半の行為については、事前に教えないのよね。」



真々美

「もちろんだ。見返りのために受けてもらっても無意味だからな。」


冬香

「それにね、交配届前検査を越えられないカップルが成した子供はレベルが低いし、子育てを円満で円滑に完了することはできないわ。」


オルア

「アリムさん、受けてくれるかなあ?」


真々美、冬香、シュウピン、メラニィ

『他の男性に取ってきた、今までの強気と自信は、どこにいったのだろう?』


真々美、冬香

「さあ? 予想がつかないな。」


シュウピン

「こればかりはねえ、」


メラニィ

「お相手のアリムさんに聞かないと分からないだろう。」


シュウピン

「その前に、遺伝子書き換え治療も有りますよね。」


冬香

「そうなのよ。

 書き換え治療後のナイトバイントは無理そうだから、先に3人ともナイトバイントを済ませたい。」


シュウピン

「とすると、

 書き換え効果安定に3日間は掛かるから、

 御三方のデートとナイトバイントに3日間、

 遺伝子書き換え治療に3日間、

 交配届前検査などに1日間、

 合計で7日間掛かるから、その前に船が着いてしまいますね。」


真々美

「時間が足りないか?」


シュウピン

「そうですね。

 海賊に襲われて、船が止まったことにしますか?」


真々美

「要検討だな。」


シュウピン

「大事なことなので繰り返しますが、姉妹関係の成立、誠におめでとうございます。」


冬香

「ありがとう。」


シュウピン

「オルア様、名前呼びの提案ありがとうございます。」


真々美

「もし、この2つが無かったら、どうなっていた?」


シュウピン

「そうですね。

 私たち二人は成り行きまかせの傍観でした。


 報酬が良かったですからね。」


真々美

「何億バーシルだ?」


シュウピン

「お金ではありません。」


真々美

「すると、現物か?

 対価は何だ。」


シュウピン

「真々美様です。」


メラニィ

「冬香様です。」


シュウピン

「私たちのところで軟禁して、名前呼びする仲になるまで調教する機会をもらう約束でした。」


真々美

「オルアは、どうなる?」


シュウピン

「競売されるか共有されるか?

 卵子を採取されるか?

というところですね。」


オルア

「ひどくない?」


シュウピン

「殺されるよりはマシでは?


 防御を固めきれなかったトップは悲惨な目にあうことが通常です。


 オルア様が乗船しなかった場合は、オルア様を人質にした後で、御三方とも同じ運命でした。」



 オルアは、恐怖でぞーっとした。

 真々美と冬香の判断は正しかったことが証明されたからだ。


> 司会(中路真々美)

> 「3つ目は、オルアをひとりにしないことだ。常に私たちの目が届くところに置いておきたい。」


> オルア=サーパース

> 「小さな子供じゃないんだし、心配性が過ぎない?」


> 医師(白石冬香)

> 「Please keep your valuables with you at all times.

> 貴重品は肌身離さずお持ちください。

>って言うでしょ。」


参照:   021 5日目 受伝台の助言の意味は



真々美

「よくも白状する気になれたものだな?

それを聞いた後で、私たちがどうするか考えなかったのか?」


シュウピン

「無理やり名前呼びの仲になるよりも、御三方が自主的に自由意志のもとで、名前呼びの仲になってくださる方が、はるかに価値が有ります。

 その感謝の意を込めて告白しました。」


冬香

「感謝の意と言われると、これ以上は責められないわね。」


オルア

「私たちは、どうすることがベスト最良とお考えですか?」


シュウピン

「わたしたちの後ろにいる連中については、気づかないふりをすれば良いでしょう。

 それよりも、アリムさんとの関係を進めて頂けますか?


 オルア様は交配届けまで、

 真々美と冬香様は、ナイトバインドまでは最低限、必要です。」


冬香

「あなたたちは責められるのではなくて?」


シュウピン

「そうですね。

 責めてくるでしょうね。

 そうなったときは、


『面接のショックで寝込んで3日間休んでいたと言います。

 そして、休み明けで出てきたときには、すでに、冬香様とオルア様の姉妹関係が成立していて、びっくりしました。 6年間、なんの進展もなかったのに、たった3日の間に進むとは予想できませんでした。』


と言うしか無いですね。


『報告しても叱られるだけですから、これ以上、防御が固くなるまえに邪魔する手を尽くしていました。』


と言いますね。


 なにを言っても怒られて怒鳴る上司に報告する部下はいません。


 できることなら、御三方に完全に権力をにぎって頂く方が私たちは楽です。


 そうよね? メラニィ。」


メラニィ

「本当に、その通りだ。

 6年前に姉妹関係を成立させてくださっていれば、わたしたちも苦労しなかったですね。」


オルア

「6年前と言えば、わたしが真々美と冬香にであった日の1年後ね。」


冬香

「真々美とわたしが出会った日の1年後でもあるわ。」


オルア

「そうなの? どこで出会ったの?」


真々美

「同じ場所だよ。 同じ敷地内の待合室で、冬香と私は出会った。」


オルア

「そうだったのね。

 もしかして、シュウピンさんとメラニィさんのおふたりも、ご存じだったのですか?」


メラニィ

「ああ、知っている。

 だから、冬香様は、その時の恩を着せて、オルア様と姉妹関係を結ぶと思っていた。

 そうだよな。 シュウピン。」


シュウピン

「そうね、わたしなら、そうするわ。

 真々美様と冬香様がそうしなかったことが今でも不思議で理解できないけれど。」


冬香

「オルアに、あの事件を思い出させたくなかったし、そのことを持ち出して拒否できないように追い詰めることはしたくなかったの。」


シュウピン

「あまいですね。

 だから、あわい期待を感じて、オルア様にちょっかいを掛けてくる男性が増え続けるのですよ。」


冬香

「その点に関しては、言い訳しないわ。」


メラニィ

「まあまあ、結果として、冬香様とオルア様の姉妹関係は成立したからいいじゃないか?」


冬香とシュウピンが目を細めて、じーっと、メラニィを見ながら言った。

「「なんとなく、あなたにだけは言われたくないわ。

 さっきのあれを思い出せますか?」」


メラニィ

「すみませんでした。」


メラニィ こころの声

『ひえー、黙っていれば良かった。』


シュウピン

「御三方がアリムさんとナイトバインドされるなら、おひとりが2人ずつ産めばいいから、オルア様の身体的負担は軽くできますね。」


真々美

「そうだな。」


冬香

「そうね。」


オルア

「たしかに。」


シュウピン こころの声

『アリムさんが断る可能性があると思うのだけれど・・・

 ボクはライトノベルのようなチート能力がないし、大金持ちでもないから、ハーレムなんて欲張ることは出来ません。

って、言いそうだけれど。

 それを言うと、気を悪くしそうだから、黙っていましょうか。』


シュウピン

「なんとしても、アリムさんとの関係を進めて頂けるようにお願いいたします。

 それと気になることがあります。

 もし、海賊が来て、この移民審査船を襲うとした場合の実行方法についてです。

 メラニィ?

 のどがかれてきたから、あとは、よろしくね。」


メラニィ

「この移民審査船が帰国することが待てない者がいた場合、

  または、

 帰国前に襲うべきという考えの者がいた場合に、

どういう手を打ってくるか?

を考えておいた方が良いと考えます。」


真々美

「たしかに、あらゆる手を考えておいた方がいいな。」


冬香

「今日は、ここまでね。」


オルア

「次は、いつになりますか?」


真々美

「実際に会う予定は、2日後の朝10時。

 ただし、socks (ソックス、靴下) 情報板への書き込みは、いつでも。

 緊急時は、プライベートメッセージ、PMで。」


オルア

「分かりました。」


シュウピン

「真々美様、冬香様、オルア様、お疲れさまでした。

 危機感は忘れないでください。」


メラニィ

「それでは、午後休み、ありがたく頂きます。」


真々美

「シュウピンさん、メラニィさん。 では、また。」


冬香

「シュウピンさん、メラニィさん。 では、またね。」


オルア

「シュウピンさん、メラニィさん。 では、また、お願いします。」


シュウピンとメラニィは、退室して戻って行った。





真々美

「オルアさん、アリムさんと昼ご飯を済ませたら、アリムさんと一緒に、ここに来てくれ。

 PM13:05に来て欲しい。

 冬香も、もちろん同席して欲しい。」


冬香

「わかったわ。 真々美。」


オルア

「分かりました。

 真々美様、冬香様。」


AM12:01


真々美、冬香、オルア

「やったー。 終わった。 これで、いつも通りに呼べる。」



メラニィ

「シュウピン、良かったのか?

 教えすぎじゃないのか?」


シュウピン

「ここまで答えに近いヒントをあげたのに、跳ね返せないようでは、真々美様でも要らないわ。」


メラニィ

「冬香様もいるから、気付くだろう。」


シュウピン

「どうでしょうね。

 そんなことよりも、メラニィ、準備よろしくね。

 晩御飯と、歯を磨いた後に食べるデザートのフルーツを楽しみにしているわ。」


メラニィ

「わかった。 さすがに逃げたりしない。

 それよりも、さっき、わたしのおしりを思いっきり、つねっただろう。

 本当に痛かったんだぞ。」


シュウピン

「わたしの前で、冬香様と抱き合おうとするのだから、当然よね。

 あれは、わたしの心の痛みよ。」


メラニィ

「じゃあ、シュウピンが真々美様と抱き合おうとしたときは、わたしもシュウピンのおしりをつねっていいんだよな?」


シュウピン

「当然よ。 同じくらいの強さで、つねってちょうだいね。」


ふたりは笑いあった。


なんのかんので、独占欲が芽生えたようだ。


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