207 【挿絵】10月8日(日) 日曜日は、絵美【最終回】
2023年10月8日(日) 朝
家の外の庭に、絵美、真々美、冬香、オルア、アリム、シュウピン、メラニィ、セーラの8人が集まっていた。
絵美が、竜くんが作ったカセイダードスーツの使用状況を確認したいと言ったからだ。
カセイダード王国チータマルム支国に転送された日から約3週間が過ぎていた。
☆ 199 9月15日(金) 絵美からの手紙と竜くんの御礼 参照
絵美は、左手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
絵美
「カセイダードスーツ」
絵美の身体を、白いボディスーツが包んだ。
「美愛同身」という音声が鳴り響いた。
絵美
「最初は恥ずかしかったけれど、慣れると有る方が良いって、思えるわ。」
☆ 063 【挿絵】 13日目 白沢絵美 見参 参照
☆ 199 9月15日(金) 絵美からの手紙と竜くんの御礼 参照
絵美
「ふう、ボディラインが出て恥ずかしいけれど、自分の体型を客観的に確認できるからいいわね。
真々美、よく見てよね。 わたしは少しも太っていない。」
☆ 015 白沢絵美様は、お見通し 参照
真々美
「絵美、わたしが間違っていた。
絵美は、頭のてっぺんから、つま先まで美しい。」
絵美
「はい、良く出来ました。」
真々美 こころの声
『一生、言われ続けるな。
今後は気を付けよう。
謝ったのは、今回で2回目だったか? 3回目だったか?
いや、もっとだったか?』
絵美 こころの声
『機会あるごとに、美しいと言ってもらわないと気が済まないわ。』
◇
絵美
「じゃあ、真々美、冬香さん、オルアさんも、カセイダードスーツを装着してよ。」
オルアは、左手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
オルア
「カセイダードスーツ」
オルアの身体を、青いボディスーツが包んだ。
「金愛同身」という音声が鳴り響いた。
オルアは、カッコいい決めポーズをしていた。
絵美
「うーん、素敵よ。オルアさん。
決まってるわね。」
オルア
「えへへ、いろいろ考えて、このポーズにしました。」
シュウピン こころの声
『恥ずかしすぎるわね。』
メラニィ こころの声
『誰が得するんだ。 あんな格好。』
セーラ こころの声
『シェイプアップをサボったら、すぐにばれるわね。』
◇
絵美
「さあ、真々美と冬香さんもカセイダードスーツを着て見せてよ。」
真々美と冬香は覚悟を決めた。
真々美は右手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
真々美
「カセイダードスーツ」
ガイド音声
「初期設定を開始します。」
絵美
「真々美、どういうことか説明してくれるかな?」
絵美の目が据わっている。
絵美
「まあ、いいわ。 冬香さん、カセイダードスーツを着て見せてよ。」
冬香は左手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
冬香
「カセイダードスーツ」
ガイド音声
「初期設定を開始します。」
絵美
「冬香さん、どういうことか説明してくれるかな?」
真々美と冬香は、絵美に問い詰められて、たじたじになった。
真々美
「そ、それは、そのう。
いろいろと忙しかったんだ。」
冬香
「え、ええ、そうなのです。 絵美様。
いろいろとありまして、その、時間を取れなかったのです。」
絵美
「そう、なにが忙しかったの? 仕事かな?」
真々美
「あ、ああ、そうなんだ。 仕事が忙しかった。
な、なあ、冬香。」
冬香
「え、ええ。そうなのです。絵美様。」
絵美
「そうなの、ふーん。
理由にならないわね。」
真々美、冬香
「・・・」x2
絵美
「身体が火照って、お互いを求めあってて、時間が足りなかったわけじゃないのでしょ。」
真々美、冬香
「・・・」x2
絵美
「悲しいわ。せっかく、竜くんが私たちのために作ってくれたのに、一度も着ていないなんて。
衣装をプレゼントされたら、すぐに試着することが礼儀よね。」
絵美は、涙を流していた。
シュウピン、メラニィ、セーラ こころの声
『あんな恥ずかしい服を着たくない気持ちの方が分かる。』
◇
絵美
「ねえ、シュウピンさん、メラニィさん、セーラさん。
あなたたちも、カッコいいカセイダードスーツが欲しいわよね。
ごめんなさいね。 まだ試作品の段階で、量産できないのよ。
でも、次回は、貴方たちの分も作ってもらうから、安心してね。」
シュウピン、メラニィ、セーラ
「よ、よろしくお願いします。」
絵美
「大丈夫よ、遠慮しないでね。」
シュウピン、メラニィ、セーラ こころの声
『謹んで、ご辞退申し上げます。』
絵美
「真々美とシュウピンさん、冬香さんとメラニィさん、オルアさんとセーラさんで、ペアルックにしましょうね。」
シュウピン、メラニィ、セーラ
「いつできますか?」x3
3人とも、すごい乗り気だ。
絵美
「うーん、帰ったら聞いてみるね。」
シュウピン、メラニィ、セーラ こころの声
『ペアルックを着る日が待ち遠しい。』
絵美
「ほらね、真々美。
これが正しい反応よ。」
◇
しばらくして、真々美のカセイダードスーツの初期設定が完了した。
真々美は右手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
真々美
「カセイダードスーツ」
真々美の身体を、赤いボディスーツが包んだ。
「力愛同身」という音声が鳴り響いた。
真々美は、仕方なく、カッコいい決めポーズをしたが、恥ずかしくてしょうがない。
シュウピン
「真々美様、よくお似合いですわ。
わたしも早く着たいです。」
真々美
「あ、ああ、ありがとう。」
真々美 こころの声
『シュウピンさんは、わたしとのペアルックなら、ひも水着でも着てくれそうな気がするな。』
◇
しばらくして、冬香のカセイダードスーツの初期設定が完了した。
冬香は左手にカセイダードスーツが収納された腕輪をつけて、胸の前で握りこぶしを合わせた。
冬香
「カセイダードスーツ」
冬香の身体を、黄色いボディスーツが包んだ。
「智愛同身」という音声が鳴り響いた。
冬香は、仕方なく、カッコいい決めポーズをしたが、恥ずかしくてしょうがない。
メラニィ
「冬香様、よくお似合いですわ。
わたしも早く着たいです。」
冬香
「え、ええ、ありがとう。」
冬香 こころの声
『メラニィさんは、わたしとのペアルックなら、ダサい服でも着てくれそうな気がするわ。』
◇
オルア
「セーラさん、わたしたちもペアルックが楽しみね。」
セーラ
「え、ええ、そうですね。」
セーラ こころの声
『完全な良い職場は無いということね。
でも、あんなに嬉しそうなオルア様の顔を見ると、いっしょに楽しまないと損するわね。』
◇
絵美、真々美、冬香、オルアの4人がカセイダードスーツを装着していた。
アリム
「みんな、かっこいいよ。 素晴らしいデザインだ。
良く似合っているよ。」
アリムの輝く目を見て、4人は思った。
絵美、真々美、冬香、オルア こころの声
『アリムは転生体だから、前世と好みが同じなのね。』
絵美
「それじゃあ、真々美、【妖刀斬 紅丸】、ゴールドソードの威力を測ってくれますか?」
真々美
「ああ、分かった。 頼む、紅丸。」
妖刀斬 紅丸
「軽く、触れれば良いでござるな。」
☆ 100 のろいに対抗する手段 シルバー×紅丸=ゴールド 参照
妖刀斬 紅丸
「おお、今度のカタナは手ごたえが有ります。」
真々美と絵美は、3回、紅丸とゴールドソードを触れさせた。
絵美
「真々美、【妖刀斬 紅丸】、ありがとう。
ゴールドソードに記録できたわ。」
妖刀斬 紅丸
「絵美様の竜様は、天才ですな。
まさか、わたしのチカラを解析して再現されるとは、おどろきです。」
絵美
「ふふん、まあね。 竜くんは天才科学者だからね。
あと1つ聞いて欲しいって言われたけれど、強さ的には、どれくらいなの?
紅丸の10分の1くらいですか?」
妖刀斬 紅丸
「それがしの全力の100分の1くらいです。」
絵美
「そお、現実は厳しいわね。」
妖刀斬 紅丸
「いえいえ、0を1にすることが一番難しいのです。
1にできたら、10にも20にも、100にも出来ます。」
絵美
「うふふ、優しいのね。 ありがとう。」
◇
日曜日の夜
大きいベッドに、みんなが集まっていた。
アリム
「日曜日の夜は、絵美だね。」
絵美
「そうよ。アリム。」
絵美は、感謝する表情をアリムに向けた。
アリム
「前世のボクとの愛情交換は、上手く行っただろうか?」
絵美
「ええ、アリムのおかげで、完全勝利だったわ。」
☆ 絵美 こころの声
☆ 『なにもかも! 本当に何もかも! アリムの言う通りだったわ。
☆ それにしても、予習って本当に大事ね。
☆ 予備知識がなかったら、私の目の前にいるのは、愛しい竜くんではなくて、竜くんだったもので出来たタンパク質の塊だったわ。』
☆
☆ 197 9月3日(日) 絵美と竜くんのデート
絵美
「アリムが予習させてくれたおかげで、竜くんを喜ばせることが出来たわ。
本当にありがとう。」
アリム
「上手くリードしてくれて、ありがとう。」
絵美
「【好きになってもらうわ。宣言】を実行出来て、ホッとしているわ。」
☆ 092 【挿絵】 絵美様の決意 参照
アリム
「絵美がボクの話を真剣に聞いてくれたおかげだよ。
こちらこそ、ありがとう。 感謝しています。」
絵美
「竜くんと、竜くんの来世のアリム、ふたりともに好きになってもらえて、最高の気分よ。
さあ、アリム。
愛情交換を始めましょうか?
あなたに教えてもらった成果を、今夜はあなたに3倍にして届けるわ。」
アリム
「うん、じゃあ、絵美。
大好きだよ。」
絵美
「わたしも大好きよ。
竜くんとアリムは求めることが同じだろうから、竜くんに喜んでもらえたことをアリムにもするわね。」
絵美の攻めから始まった愛情交換に、アリムはとろけて溶けてしまった。
かゆい所に手が届くというか、望むポイントに、望む角度で、望む強さ、望むリズムで愛情を届けられたら、誰もが、炎天下に放置されたアイスクリームのようになるだろう。」
アリム
「え、絵美、すごくいい。 ボクは幸せだよ。」
絵美
「そう? うれしいわ。 でもね、まだまだ序の口よ。
夜はまだ始まったばかりだからね。」
絵美の攻めと、絵美の受けを1回ずつ味わったアリムだったが、ものすごい満たされた表情だった。
アリムの声からも非常に満足している様子が、手に取るように分かった。
オルア こころの声
『さすがは、絵美様ね。
月曜日の夜に、真似させてもらうわ。』
◇
翌朝、月曜日の朝。
アリムたちは、テーブルで朝ごはんを食べていた。
真々美、冬香、オルア、アリム
[ テーブル ]
絵美、セーラ、メラニィ、シュウピン
の順に座っている。
アリムは、オルア、真々美、冬香、シュウピン、メラニィ、セーラ、絵美の顔を順番に何度も眺めていた。
その様子を、オルア、真々美、冬香、シュウピン、メラニィ、セーラ、絵美は、温かい目で見守っていた。
アリム こころの声
『こころのコップに愛情が注がれて、みんなの愛情があふれるくらいだ。 心の底から満ち足りていると感じる。
今までの人生において、もっとも心が穏やかで、ボクの精神が安定している。 嫌な記憶も箱の中に閉じ込められて、二度と出てくることは無いだろう。 突然、フラッシュバックして、顔面を苦痛で歪ませることも二度と無いと自信を持って断言できる。
そう、理想の美女7人がボクを愛してくれる限り、ボクはもう嫌な過去を忘れることができるんだ。
この奇跡のような偶然の出会いを、女神サトスさまに、こころから感謝したい。 そして、ボクの現在の天祥であるギアム様にも、こころから感謝したい。
そう思える安らかな気持ちに満足している。』
アリムは、無意識のうちに笑顔になっていることに気付かなかった。
オルア
「アリム、どうしたの?
にやけた顔して?
でも、とっても幸せそうで、こっちも嬉しくなるわ。」
アリム
「ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。」
オルア、真々美、冬香、シュウピン、メラニィ、セーラ、絵美
「いいね!」x7
◇
オルア
「せーの!」
絵美、真々美、冬香、シュウピン、メラニィ、セーラ
「理想の美女7人に」x6
オルア
「愛される生活。」
アリム
「ご愛読ありがとうございました。」
おわり
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