202 【挿絵】10月3日(火) 火曜日は、真々美
2023年10月3日(火) 朝7:10
朝ごはんの後で、メラニィがトイレに行っているときに、アリムがみんなを呼び止めた。
アリム
「オルア、真々美、冬香、シュウピン、セーラ。
相談があるんだ。
ボクが王配の権利を濫用したから仕方なく、という形で、あることをお願いできないだろうか?」
冬香
「王配の権利を濫用ね。
アリムの悲鳴を聞く前に、弁明の機会をあげるわ。」
アリム
「メラニィが元気がないように見えて、心配なんだ。」
シュウピン
「アリム様も気付かれていたのですか?
いつからですか?」
アリム
「絶対に間違いないと確信したのは昨日の夜です。」
☆ アリム こころの声
☆ 『シュウピンが真々美を見る目が切なそうだな。
☆ メラニィが冬香を見る目は悲痛な気がする。』
☆
☆ 201 10月2日(月) 月曜日は、オルア
アリム
「そして、呪術師を倒したあとで、メラニィが泣きながら言っていたことを思い出しました。」
☆ 冬香
☆ 「メラニィ、もう十分よ。 十分だから。」
☆
☆ メラニィ
☆ 「冬香様、アリム様、シュウピン、セーラと愛し合った大事な大事な痕跡を、こんなやつに、こんなやつに、かき消されてしまった。
☆ その中でも、冬香様とは、2度目の愛情交換ができる可能性がゼロに近いのに・・・」
☆
☆ メラニィは、大粒の涙を流して泣いていた。
☆
☆ 159 マインルーンの【ベルマイル】は、相手の力を
アリム
「だから、ボクが
「王様ゲームをしよう!」
と言い出して、
冬香とメラニィが愛情交換をするしかないという状況を作りたい。
そして、ボクの意図が目立たないように、
「冬香とメラニィ、オルアとセーラ、真々美とシュウピンの組み合わせでの愛情交換を見たい。」
とボクが命令した形にしたい。
ただし、それには、みんなの気持ちを知っておきたい。
いきなり、言い出して、みんなに嫌われたくないからね。
もちろん、
冬香の気持ち、
冬香のハイシスの真々美の気持ち、冬香のサブシスのオルアの気持ち、
メラニィのハイシスのシュウピンの気持ち、メラニィのサブシスのセーラの気持ち
を大事にしたい。
どうだろうか?」
1分間の沈黙が流れた。
冬香はクスッと笑った。
冬香
「アリムはスケベね。」
真々美
「王配の望みはできる限り、聞かなければならないな。」
オルア
「アリムが見たがるなら、しょうがないなあ。」
シュウピン
「アリム様のご命令とあらば。」
セーラ
「良い口実だと思います。
でも、建前としては、ドスケベなアリム様に言われて仕方なく・・・ですね。」
アリム
「ありがとう。
じゃあ、今夜は、ボクと真々美、次に、冬香とメラニィ、オルアとセーラ、真々美とシュウピンの順番で指名するから、よろしくね。」
シュウピン
「真々美様とワタシの順番は最後ですか?」
アリム
「ボクと真々美の愛情交換を一番にしたいからね。
真々美には休憩時間が必要だと思うよ。
シュウピンさんも疲れ切った真々美よりも、休憩して元気になった真々美の方が良いでしょ?」
シュウピン
「あっ、納得しました。
アリム様、ありがとうございます。
真々美様、楽しみにしています。」
シュウピンは、3秒ほど、アリムの目を見てから、真々美の目を10秒ほど見た。
真々美は熱い視線を感じて、少し赤くなった。
メラニィが戻ってきた。
メラニィ
「お待たせしました。」
シュウピンはメラニィの肩に両手を置いて、顔を寄せた。
シュウピン
「じゃあ、真々美様、冬香様、オルア様、メラニィ、セーラ。
行きましょうか?」
アリム
「行ってらっしゃい!」
真々美、冬香、オルア、シュウピン、メラニィ、セーラ
「行ってきます。」
◇
火曜日の夜になった。
アリム
「今夜は、真々美との愛情交換の日だね。」
真々美
「アリム、待ちわびていたぞ。」
アリム
「そうだね。
一週間ぶりだもんね。」
真々美
「うむ、そういう近い時間の意味もあるが、もっと大きい年数での意味もあるぞ。」
アリム
「というと?」
真々美
「この年齢になるまで、
「良し!」
と思える男性には出会えなかったからな。
しかも、私だけでなく、絵美、冬香、オルア、シュウピンさん、メラニィさん、セーラさんからも「OK」をもらえる男性に会えたことが、とても嬉しいと思う。
わたしは途中であきらめて、パートナー探しを辞めてしまったが、結果的に正解だったと思う。
良い御縁というものは探すものではなく、時期が満ちたら、やってくるものかもしれないな。
だから、目の前にある問題解決を優先して良かった。
つまりだな、1週間という短い期間ではなく、人生という長い期間において、
「アリム、待ちわびていたぞ。」」
アリム
「そんな風に言ってもらえるなんて、うれしいよ。」
アリムは泣いていた。
真々美はアリムの涙を口で吸い取った。
真々美
「だからな、アリム。
1週間という時間軸で見れば大丈夫に見えるかもしれないが、
人生という時間軸で見れば、ワタシは飢え死に寸前なんだよ。
という訳でだ。
アリム、いただきます。」
アリム
「真々美、好きだよ。」
真々美は最初の優しいキスが済んだ後は、肉食獣のようにアリムを食い散らかした。
アリムの身体に、真々美の口紅スタンプが洋服のパターン柄のように数えきれないくらい並んでいた。
真々美
「ごちそうさまでした。
アリム、美味だったぞ。」
アリム
「は、恥ずかしいよう。」
真々美
「アリム、その可愛い顔を隠さないでくれ。」
真々美の両手は、アリムの両手首をつかんでいた。
アリムの顔を赤くした恥ずかしい表情を、真々美は満足そうに眺めていた。
◇
真々美からの愛情交換の余波が落ち着いてから、アリムが言った。
アリム
「王様ゲームをします。
みんなには、ボクの言う通りにしてもらいます。
逆らったら、王配の権力を乱用して、生殖刑になってもらいます。」
メラニィ こころの声
『どうしたんだ? 普段なら、アリム様がこんなことを言ったら、オルア様が3秒と待たずに止めるのだが。
それなのに、みんな余裕そうで涼しい顔をしている。
ああ、そうか、私だけが知らない筋書きがあるお芝居なのか?
わたしは、仲間外れにされてしまったのだな。
わたしが何かをしてしまったのだろうか?
泣き面に蜂とは、このことだな。』
アリム
「メラニィ?
ちゃんと聞いていますか?」
メラニィ
「はい、聞いています。
王配のアリム様の仰せのままに致します。
ワタクシは、なにをすればよろしいでしょうか?」
アリム
「メラニィは、王様ゲームの雰囲気を分かってくれてうれしいよ。」
メラニィ こころの声
『結果として、アリム様も他の男性と大差ない性欲の権化だったということか。
わたしの運も尽きてしまったのだろうな。』
メラニィの表情は悲痛そうだった。
アリム
「では、王様の命令です。
今から、わたしが言うペアで、愛情交換をしてもらいます。
逆らった場合は、国家反逆罪で退場してもらいます。」
メラニィ こころの声
『うん? どこかで聞いたようなセリフだな?』
☆ 絵美
☆ 「それでは、組み合わせを発表します。
☆
☆ わたしの独断で決めました。
☆ 逆らった場合は、国家反逆罪で退場してもらいます。」
☆
☆
☆ 114 【挿絵】 初日の組み合わせ発表
アリム
「最初のペアは、冬香が攻めで、メラニィが受けです。
次のペアは、オルアが攻めで、セーラが受けです。
最期のペアは、真々美が攻めで、シュウピンが受けです。
みんなの可愛い姿を見て、可愛い声を聞くことが楽しみです。
では、一組ずつ、ベットの真ん中で愛情交換を始めてください。」
メラニィ
「えっ? アリム様、その組み合わせは?」
アリム
「ボクの独断で決めました。」
メラニィは、夢じゃないかと自分のほほをつねった。痛かった。夢じゃない。
冬香
「メラニィさん、何をやっているの?
さあ、私の手を取りなさい。」
メラニィは、冬香から差し出された右手に左手を載せた。
メラニィ
「は、はい。 冬香様。」
メラニィは冬香に手を引かれて、ベッドの中央で優しく寝かしつけられた。
冬香
「メラニィさん、覚えているかしら?
【はじまりは、いつも」
メラニィ
「キス】です。冬香様。」
メラニィは、目を閉じて、唇を上に向けて、冬香のキスを受け止めた。
☆ 冬香は目を閉じて、メラニィに顔を向けて、やや上向きになった。
☆
☆ 冬香
☆ 「ねえ、わたしに恥をかかせないでね。
☆
☆ 【はじまりはいつもキス】
☆
☆ でしょ!」
☆
☆ メラニィ
☆ 「冬香様の美しい唇に見とれていました。」
☆
☆ メラニィは熱い口づけをした。
☆
☆ 116 冬香とメラニィさんの夜
冬香
「さあ、メラニィさん。
アリムが、メラニィさんの可愛い姿を見たがっているわ。
そして、メラニィさんの可愛い声を聞きたがっている。
よーく見せて、聞かせてあげてね。」
メラニィ
「は、はい、冬香様。」
冬香
「良い返事ね。」
冬香は良い笑顔で、メラニィを見つめてから、メラニィの左の耳元で小さい声でささやいた。
冬香 (小声)
「という口実をアリムが作ってくれたのよ。
メラニィさんが元気がないって、心配していたわ。
そして、呪術師を倒した部屋で、あなたが泣きながら言ったことも、アリムは覚えているわ。」
☆ メラニィ
☆ 「冬香様、アリム様、シュウピン、セーラと愛し合った大事な大事な痕跡を、こんなやつに、こんなやつに、かき消されてしまった。
☆ その中でも、冬香様とは、2度目の愛情交換ができる可能性がゼロに近いのに・・・」
☆
☆ 159 マインルーンの【ベルマイル】は、相手の力を
メラニィ (小声)
「それじゃあ、アリム様が王配の権限を乱用した「王様ゲーム」をしたいと言った理由は?」
冬香 (小声)
「呪術師にかき消された思い出を取り戻すためよ。」
メラニィ こころの声
『アリム様、わたしの判断は間違ってなかったのですね。
あなたを信じられなかったワタシをお許しください。』
☆ アリム様、あなたは、わたしが恋愛感情を持って、愛情交換したいと思える、【最初で最後の男性です。】」
☆
☆ 151 【挿絵】 メラニィが好きと思える唯一の男性
冬香
「さあ、可愛いメラニィ。
こころの準備は、よろしくて?
可愛いあなたの美しい姿と美しい声を、アリムに届けてあげてね。」
メラニィ
「はい、冬香様、アリム様。
ご覧ください。 お聞きください。」
メラニィは冬香に愛情を注がれたあとで、攻めと受けを交代した。
かき消された思い出は取り戻せないけれど、新しい思い出を得たメラニィは、心身ともに満たされたのだった。
◇
その後で、オルアとセーラ、真々美とシュウピンの愛情交換も問題なく、行われた。
アリム
「みんな、ありがとう。
素晴らしかったよ。」
可愛いみんなの姿を見て、可愛いみんなの声を聴いたから、アリムのカタナは素晴らしい輝きを放っていた。
今日は火曜日だったから、真々美が愛情交換の幕を下ろした。
7人とも、こころ安らかに、1つのベットで眠れたのだった。
つづく
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