195 メラニィの投資術
正義団結国では、カセイダード王国を経済力の面から崩せないかと検討していた。
株式市場の責任者
「カセイダード王国の投資担当者は、今まで出会った投資者の誰よりも強力です。
まったく、隙がありません。」
大統領
「市場を操作して、価格を上げ下げしてやれば、安いときに買って、高いときに売るだろう。
そこで、裏を書いてやれば、瞬殺だろう。」
株式市場の責任者は、首を大きく左右に振った。
大統領
「違うのか?」
株式市場の責任者
「違います。
カセイダード王国の投資方針を決定している者は、あらゆるテクニカル分析を熟知しています。
そして、買い時や売り時には、普段よりも多めの取引をしますが、取引量に大きな差がないのです。
まるで、2年から5年計画で毎日少しずつ一定額を買えば良いと判断しているようです。
しかも、個別株、信用取引やFXには手を出してこないので、ワナにハメてやれません。」
☆ メラニィ
☆ 「株式というか投資信託を買います。
☆ 個別は難しいので、経済指標と連動する投資信託を毎日少しずつ2年計画で買います。
☆ すべての日に買えば、値動きや為替の動きを気にしなくて済みます。
☆ また、どうせ丸の使い道がないことから、長期で運用できます。」
☆
☆ 040【挿絵】 8日目 真々美とアリム(ナイトバインド)
大統領
「敵ながら、あっぱれだな。
名前と顔くらいは、知りたいものだな。」
株式市場の責任者
「残念ながら、それも分からないです。」
大統領
「どうするべきか?」
株式市場の責任者
「なにもしない方が良いでしょう。」
大統領
「なぜだ。 我が国の利益になるのか?」
株式市場の責任者
「なります。 我が国の市場に投資してくれているので、我が国にとっては都合が良いのです。」
大統領
「そうか。
そうなると、我が国の紙幣の技術レベルをあげる法案か、
クレジットカードの限度額をカセイダード王国への取引限定で1万倍にする法案
をあげる方が良さそうだな。」
株式市場の責任者
「おっしゃる通りです。」
◇
メラニィの投資術は、世界一と認められたのだった。
そして、カセイダード王国に入った非常に多額の
光元国《Land of Luminia》の通貨 丸《Maru》丸は、
世界団結国《Unity of Justice》の通貨 ゴル《Gorl》
または、
文明気品同盟《Civilization Elegance Alliance》の通貨 ユーア《Yure》
に両替された。
株式市場への投資、インデックス指数に連動した手数料ゼロの投資信託を経由して、事実上の両替となった。
☆ 081 バーシル換算レート 絵美とメラニィ 参照
◇
光元国の通貨安が進み、経済的なダメージを受けた。
この状況を打開するため、花売りを国営化しようとしたのだが、カセイダード王国の花売りの足元にも及ばなかった。
光元国は、現状を打開するため、カセイダード王国との交渉を希望したが、テーブルに着くことはできなかった。
☆ アリムさんに長年にわたって続けてきた仕打ちが非常に無礼で許されないことだということを、カセイダード王国に対してもした結果、返ってくる報いを、痛みとして理解してもらいましょう。
☆
☆ 081 バーシル換算レート 絵美とメラニィ
◇
カセイダード王国を満足させる書類を作成できる可能性がある唯一の光元国の人間は、アリムだけだった。 つらい人生を経験したから、人の痛みを理解できて、バランスを考える「幸せ半分こ」の精神をもっていたからだ。
彼のホームページには、つぎの言葉が書かれていた。
「幸せ半分こ」とは、
1.金と愛を同じ身に宿し、自分と他人の幸せを共に考えること
2.達成感と満足を感じる「覚え方」を分かりやすく説明すること
3.情報発信を通じて、成功して幸せになる知識を共有すること
力なき正義は無力(役に立たない)、力愛不二(ちからとあいは、ふたつとも必要です)という言葉が有ります。
その言葉を分かりやすくしたものが、サーロフィアの金愛同身です。
(かねあい どうしん 同身よりも同心かも? でも、こころは見えません。)
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「ちからの象徴は、現代社会ではお金です。
お金と愛を両方とも持っている人しか、自分自身と他人を助けることができません。」
☆ 名前の由来 https://www.surlofia.com/naming-reason/
しかし、光元国ではアリムの評価は非常に低かったので、その事実に気付くものは誰もいなかった。
残念ながら、彼が書いたホームページの検索順位は圏外だったので、気付いた者たちは少なかった。
そして、アリムは会議に参加していないので、カセイダード王国と光元国の経済戦争のことを知らなかった。
誰かを見下して、いじめ抜いて、社交の集団コミュニティから追い出すことが運んで来る結果は何か?
それは、【集団コミュニティの生存確率】を下げて、【対抗手段の選択肢】を減らすことだった。
それに気付かない場合、集団コミュニティが、たとえ国という巨体を誇っていても、損をすると歴史に刻まれたのだった。
第30章 おわり
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