192 9月1日(金) 近藤美々って、誰よ!
2023年9月1日(金) 朝 10:10
会議室にて
ディスプレイの位置を、時計の12時とすれば、
真々美は9時、
冬香は8時、
オルアは7時、
シュウピンさんは3時、
メラニィさんは4時、
セーラさんは5時
の席に座っている。
真々美
「絵美は、まだ帰っていない。」
みんなはどう答えていいか分からず、シーンとしていた。
真々美のデバイスが鳴った。
真々美は、デバイスを見た。
真々美 こころの声
『誰だ? 知らない名前だな。』
冬香
「どうしたの? 出ればいいじゃない。」
真々美
「知らない名前なんだ。」
ナレーション
「カセイダード王国では、非通知発信はできません。
また、必ずカセイダード隊員番号または国民番号と発信者名が表示されます。」
冬香
「見せてよ!」
真々美がデバイスを見せると、
近藤美々
と表示されていた。
冬香
「どう見ても、女性の名前よね?」
部屋の体感温度が、5度下がった。
部屋の体感温度が、5度下がった。
部屋の体感温度が、合計で10度下がった。
冬香
「真々美?」
真々美
「どうした? 冬香?」
冬香
「男の子あさりは、やめたはずよね。」
真々美
「そうだな。 アリムと出会ったからな。」
冬香
「ふうん、そう? それで、美女あさりを始めたの?」
冬香が殺気立っている。
真々美
「どうして、そうなるんだ。」
冬香
「近藤美々って、誰よ!
絵美様とワタシがいるのに、なにを考えているの?
ああ、そうか、わかったわ。
絵美様がいなくなった空白を埋めようとして?
それなら、わたしに頼むべきよね。」
真々美
「いったい、なにを言っているんだ?」
オルア
「冬香、落ち着いて。
デバイスに応答しましょう。」
冬香
「オルア? なにを言っているの?」
オルア
「浮気と判定できたら、わたしが真々美を押さえてあげるから、気のすむまで、ね。」
冬香
「オルア。 わたしの気持ちを分かってくれて、ありがとう。」
真々美
「あのなあ、誤解もいいところだぞ。」
冬香は、デバイスに応答した。
冬香
「はい、真々美のサブシスである冬香です。」
近藤美々
「中路真々美様のデバイスで間違いありませんね。」
冬香
「そうですわ。 なにか御用でしょうか?」
近藤美々
「白沢絵美のことで、お話したいのですが、アリムさんはいらっしゃいますか?」
冬香
「呼びましょうか?」
近藤美々
「お願いします。
大型ディスプレイに接続します。
そちらも、大型ディスプレイに接続してもらえますか?」
冬香
「構いませんわ。
少々お待ちになって。」
冬香は、真々美のデバイスを大型ディスプレイに接続した。
冬香
「オルア? アリムを呼んできてくれる。」
オルア
「【レバーラ】で行ってくるわ。」
3分後・・・
オルア
「ただいま。」
アリム
「どうしたの? なにかあった?」
オルアは、アリムの頭を両手で押さえて、大型ディスプレイに向けた。
オルア
「近藤美々って、だあれ?
いつのまに、知り合ったの?」
オルアの両手がアリムの頭に圧力を掛けてきた。
アリム
「カセイダード王国の本星との映像通信で、サア女王の後ろに居た伍姫のひとりだよ。
そのとき、絵美、真々美、冬香、オルアも、いっしょにいたよね。
まさか、忘れちゃったの?」
☆ アリム
☆ 「後ろにいらっしゃる方に話しかけてもいいですか?」
☆
☆ サア女王
☆ 「だれと話したいのですか?」
☆
☆ アリム
☆ 「近藤美々さんです。」
☆
☆ 110 女王様からのごほうび アリムの望み
真々美、冬香、オルア
「思い出した。」x3
近藤美々
「思い出してもらえて、良かったです。
後ろには、ミミー、リリー、シドニーに同席してもらいました。
もう話を始めてもいいですか?」
真々美
「ああ、お待たせして申し訳ない。
わたしは、チータマルム支国の女王 中路真々美だ。」
近藤美々
「ええ、存じております。
絵美のサブシスの方ですよね。
絵美の緊急連絡先に登録されていますから。」
真々美
「緊急連絡先?
絵美になにかあったのですか?」
近藤美々
「勝手なお願いで恐縮ですが、ここからは、わたしがアリムさんに話しかけたという形をお願いします。」
真々美
「わたしは、絵美のサブシスですが、いない方が良い話ですか?
まさか、絵美の身になにか起こったのか?」
近藤美々
「いえいえ、そうではありません。
ただ、わたしたち伍姫も嫉妬深くてですね。
モチを焼くくらいなら良いのですが、モチではなく、マチとか国を焼いてしまいますので、その。」
真々美
「話が見えないのですが?」
近藤美々
「つまり、わたしが直接、絵美のサブシスである真々美さんと会話をするとですね。
美々? わたしの可愛いサブシス真々美に、何の話があるのよ!
と問い詰められる訳ですよ。
そうならないために、形式上は、わたしとアリムさんの会話にしたいのです。
まあ、先日のアリムさんからの御礼で言葉を交わしたこともあるということで、わたしが連絡することになりました。 後ろの3人は、わたしが真々美さんを口説いたりしていないという証人です。」
真々美
「絵美が、そんな風な焼きもちを焼くほど、嫉妬するとは・・・」
真々美は、後ろにいる冬香とオルアを見た。
真々美
「納得です。
では、アリム、間に入ってくれ?」
近藤美々
「竜くんの処刑は無事に回避されました。
絵美も竜くんも無事です。」
アリム
「処刑って、どういうこと?」
近藤美々
「えっ? お聞きになっていないのですか?」
アリム
「初耳だよ。」
近藤美々
「では、それは絵美から聞いてくださいね。
ようやく本題ですが、絵美の状況について、お伝えします。
絵美は、昼間は業務で手がはなせません。
そして、夜間というかプライベートは、竜くんが常に絵美のそばにいます。
という訳で、チータマルム支国の皆さんが心配しないで済むように、ご連絡いたしました。」
真々美
「ご連絡ありがとうございます。」
近藤美々
「いえいえ、差し出がましいと思ったのですが、おそらく、1カ月は絵美から連絡できそうにないので、出しゃばりました。」
アリム
「お気遣いありがとうございます。」
真々美
「絵美も竜くんも無事と聞いて、ほっとしました。」
近藤美々
「そう言ってもらえると思い切って連絡して良かったです。
ただし、くれぐれも、わたしが会話した相手は、アリムさんということにしてくださいね。」
真々美
「了解です。」
近藤美々
「ご理解いただきありがとうございます。
では、失礼します。」
◇
アリム
「真々美? 竜くんを処刑って、どういうことですか?」
真々美
「理由は分からないが、竜くんがサア女王を殺そうとしたそうだ。」
アリム
「絵美と長く会えないから、精神的な余裕がなくなったのでしょうね。」
冬香
「アリム? ずいぶん、あっさりとしているわね。」
アリム
「竜くん、つまり、前世のボクが無茶するとしたら、絵美が関係することだけだからね。」
オルア
「じゃあ、アリムはわたしが関係することなら、無茶するのよね。」
アリム
「無茶する可能性が高いと思う。
としか、言えないよ。」
☆ アリムの目は据わったままで怖すぎた。
☆
☆ 絵美たちは、見てはいけない舞台裏を見てしまったような気持ちになった。
☆
☆ 175 May様が時空を超えてやってきた
真々美、冬香、オルア こころの声
『と思うとか言っているけれど、アリムは今までも無茶してきたんだからね。』x3
AM11:03
つづく
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