191 絵美が帰らない晩ごはん
1日前のチータマルム支国に戻ります。
2023年8月30日(水) 夕方 18:00
アリムたちの家
アリムは、晩ごはんの準備をしていた。
アリム
「絵美との初めての夜の翌日の晩ごはんかあ。
うっ? 昨夜のことを思い出して、顔が赤くなっちゃうな。
こころなしか、気のせいか、心臓がドキドキしている。
また、絵美と愛情交換したいと身体が準備を始めているような感じだな。」
ガチャとドアが開いた。
誰の声か分からないくらい元気がない声
「ただいま。」
アリム
「おかえりなさい。
ずいぶんと、疲れているような感じだね。
まずは、お茶を入れようか?」
リビングには、晩ごはんの用意が並べられていた。
オルア、冬香
アリム [ テーブル ]
絵美、真々美
が、いつもの座り方だ。
絵美の席が空いていた。
アリム
「あれ? 絵美は?
なにか用事でもあるのかな?」
真々美
「いいや、ちがう。」
アリム
「ケンカでもしたの?
まあ、ケンカするほど仲がいいっていうからね。」
真々美
「・・・」
アリム
「えっ? そんなに深刻なケンカをしたの?」
オルア
「アリム? あのね。」
冬香
「いいわ、私が言うわ。
絵美様には用事ができて、カセイダード王国の本星に帰られました。」
アリム
「えっ? まさか。」
真々美
「そのまさかだ。」
アリム
「そ、そんな。」
☆ だから、絵美との時間を最優先で大事にして欲しい。
☆
☆ あしたも会えるから! と油断していたら、
☆ アリム、後悔することになるぞ。」
☆
☆ 103 アリム、後悔することになるぞ
☆ 絵美さんは、明日にもカセイダード王国の本星に呼び戻されるかもしれないぞ。
☆
☆ 184 8月29日 お説教が始まる
☆ ふたりは満足して、顔を見合わせた。
☆
☆ アリム こころの声
☆ 『絵美とは、まだまだ一緒に過ごせるときがあるよね。』
☆
☆ 187 8月30日 竜くんが可哀そうよ
アリム
「フラグが立っていたことに気付けなかった。
いや、気付きたくなかったのかもしれない。」
アリムの目からは涙が流れていた。
オルア こころの声
『いまだけは、嫉妬の気持ちを抑えなきゃね。』
冬香 こころの声
『絵美様とは、前世の恋人同士だったからね。』
真々美 こころの声
『次に絵美と会える日は、いつだろうか?
また、10年くらい会えないのか?』
冬香は席を立って、真々美を優しく抱きしめていた。
でも、真々美は気付かなかったようだ。
アリム
「真々美? レバーラで絵美の状態を見てくれませんか?」
真々美
「自分で見ればいいだろう。」
冬香
「真々美、そんな言い方は良くないわ。」
アリム
「そうだね。
自分で見るよ。
【レバーラ】
・・・
白沢絵美の状態は・・・」
オルア
「どうしたの?」
アリム
「言えない。」
冬香
「そんな?」
真々美
「絵美に、なにが?
いや、自分で見る。
【レバーラ】。」
真々美が確認すると、白沢絵美の状態は・・・
正常だった。
真々美は、こころの底から安心した。
真々美
「アリム、紛らわしいことをしないでくれ。」
アリム
「【レバーラ】で絵美の状況を知って、真々美に安心して欲しかったんだよ。
安否確認ができるだけでも、こころの不安が消えるだろう。」
真々美
「確かに安心できたが・・・
アリム? 元気がないようだが?」
アリム
「絵美とお別れするまで、あと2ヵ月あると思っていたんだ。
今日の朝に起きたとき、絵美は手を伸ばせば触れるくらい近くにいたんだ。
こんな急にお別れなんて。
「またね!」
のひとことも言ってもらえないなんて。
元気が出るわけ無いよ。」
アリムは、椅子に座ってうなだれたまま動こうとしなかった。
真々美
「すまない、アリム。
ショックを受けているのは、ワタシだけではなかったんだな。」
真々美 こころの声
『私はまだ、最後の会話ができただけマシかも知れないな。』
☆ 絵美
☆ 「真々美、竜くんがサア女王を殺そうとしたって。
☆ わたしは、すぐに帰らなきゃいけない。」
☆
☆ 187 8月30日 竜くんが可哀そうよ
その日の夜ご飯は、静かだった。
絵美の分は冷蔵庫に入れられたが、翌朝になっても絵美が戻ってこなかったから、みんなで分けて食べた。
つづく
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。