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175 May様が時空を超えてやってきた

 空間を切り裂いて現れた美しい女性は、周囲を見渡した。


美しい女性

「おい、いい加減にしろ。

 男どもに

  「美人だ、かわいいよ。」

とチヤホヤされて、何度も同じ迷惑を振りまくな。」


 美しい女性は、オルアの胸倉をつかんで言った。


美しい女性

「うん? 顔が変わったな。

 無駄金を使って、整形でもしたのか?」


絵美

「オルアさんを離しなさい。

 これ以上の狼藉は、この白沢絵美が許さないわ。」


美しい女性

「白沢絵美? まさか、こんなところに居るわけがないだろう。

 姿かたちを似せているようだが、このシャイアルーア メイ ルビエラインの目はごまかせんぞ。」


絵美

「メイ ルビエライン?

 もしかして、サアロフィアの親戚なの?」


シャイアルーア

「わたしの世界には、そんな親戚はいないな。

 だが、その名は、第16神 政治調和の女神の名前だぞ。

 呼び捨てにするとは、馴れ馴れしすぎるな。」


絵美

「わたしは、サアの伍姫(いつひめ)ファーストよ。」


シャイアルーア

「そうか、伍姫を知っているのか?

 よく調べたな。

 だが、後にしろ。

 先に用事を済ませたい。


 スリーカーさん、こちらに来てください。」


シャイアルーアは、オルアを引きずりながら、アリムのもとに近づいた。


アリム

「オルアを放してください。」


シャイアルーア

「オルア? この女性の名前か?

 どれどれ?」


===============

オルア サーパース


天祥: 第14神 サトス ルウナ

「融通の利かない小娘」と呼ばれる「純愛と美しさの女神」

===============


シャイアルーア

「あの小娘の天祥か?

 ちゃんと管理をしておいてほしいものだな。


 まあ、いい。 それは、あとだ。


 大丈夫か?


と聞くことがおかしいと思うが、約30年ぶりか?

 その後の精神状態は安定していたか?」


シャイアルーアは、アリムの目をのぞきこんだ。

シャイアルーアの表情はたちまち険しくなり、冷や汗も出ていた。


シャイアルーア

「な、なんということだ。

 まさか、そんな苦労をしていたなんて。


 よくぞ、今まで生きていたな。

 わたしの処置が甘かったようだ。

 すまない。


 この世界の私めえ、自分の手を汚さず、手下を使って卑怯な手を使いおって・・・


 その状態から良くぞ、ここまで回復したものだ。

 回復させてくれたオルア サーパースという者には御礼を言わなければならないな。

 どこにいる。」


アリム

「あなたが右手で握っています。」


シャイアルーアは、右手のオルアを見て、目が点になった。


シャイアルーア

「この者は、【美杉(うつくしすぎ) (ひとみ)】ではないのか?

 誤爆してしまったか?


 まぎらわしい行為をしてくれたものだ。」


 冬香がシャイアルーアを蹴り飛ばして、オルアを奪い返した。

 冬香は、シャイアルーアに噛みつきそうな目で(にら)みつけていた。


オルア

「ねえ、冬香。

 もう電気をつけてもいいんじゃない。」


冬香

「もう、誤魔化せないわね。

 オルア、あなたは両目とも失明したのよ。」


オルア

「そうかあ、変だと思ったわ。

 ねえ、アリムはどこ?」


オルアは両手を伸ばして、アリムを探そうとして手を動かした。


アリム

「ここにいるよ。」


オルアの両手を自分のほほに当てた。


オルア

「アリム、ごめんね。

 アリムは、なんども止めてくれたのに・・・


 ねえ、でも、イヤな記憶を私との思い出で上書きできたなら、少しは報われるんだけれど、どうかな。」


アリム

「オルア、イヤな記憶は、オルアとのイベントで上書きされたよ。

 オルア、ボクは、おはようからおやすみまで、オルアのそばにいるよ。」


オルア

「ありがとう。

 ねえ、失明のショックが大きいみたい。

 すこし、休ませてね。」


オルアは気を失った。


アリムは、オルアを、会議室の長椅子に寝かせた。


アリム

「さてと、メイ様、これはいったい、どういうことですか?

 ああ、まずは、一発の約束を守ってくださいね。」


シュウピン

愚物(ぐぶつ)が、こんなときに言うことか?」


アリムは、シャイアルーアの左頬を右こぶしで思い切りなぐった。


シュウピン

「アリム様? 一発って、パンチのことですか?」


アリム

「ほかに何があるんだよ。」


シュウピン

「いえ、失礼しました。」


アリム

「メイ様は言ったよね。

 再会するときまで、生き延びていたら、一発の約束を果たしますって。」


アリムの目は()わっていた。


アリム

「パラレルワールドの存在だから会うことはないだろうとか、女性の顔を殴ったりしないだろうと安心していたのだろうけれど。


 11年待っても会ってくれないから、ボクの精神は壊れちゃったよ。

 身体もね。 あそこの長さは0cmになって、下痢と便秘を繰り返していたよ。


 で? 今頃やってきて、大事な大事な恋人のオルアに何をしてくれたんですか?」


シャイアルーア

「あなたが【瞳の奥】を使用されたときに、精神を破壊されないように、ワナを仕掛けた。

 そして、会いに来れなかった理由は、パラレルワールドを超えることが不可能だからだ。」


アリム

「でも、来れましたよね。」


アリムの目は据わったままで怖すぎた。


絵美たちは、見てはいけない舞台裏を見てしまったような気持ちになった。


シャイアルーア

「ありえないくらいの条件を設定して満たされた場合にのみ、パラレルワールドを超えることができるんだ。」


アリム

「そうですか? 納得です。」


アリムは、笑顔を見せた。


シャイアルーア

「分かってくれて良かった。」


アリム

「それでは、オルアの両目を治してくださいね。」


シャイアルーア

「【回復妨害の結界球】は、だれかに移すしかないな。」


アリム

「その誰かとは、あなたのことですよね。」


シャイアルーア

「いいや、そもそもの元凶である、この世界の私に振替するつもりだ。」


つづく



【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

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